Kering が新型コロナウイルスの影響による2020年第1四半期の収益減少を報告
〈Gucci〉が最も大きな打撃を受ける

〈Gucci(グッチ)〉〈Balenciaga(バレンシアガ)〉〈Saint Laurent(サンローラン)〉〈Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)〉といった名だたるブランドを傘下に抱えるフランスのラグジュアリーグループ「Kering(ケリング)」が、2020年第1四半期の決算を発表。その収益は、前年同期比15.4%減の約34億7,600万ドル(約3,750億円)となった。
この結果は言うまでもなく新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が大きく、今年1月は好調だったものの、2月からアジア地域の店舗営業を休止したことにより売上が低迷。さらに3月にはヨーロッパやアメリカでも同様の措置が取られ、また工場の閉鎖、観光客の減少なども相まって業績が悪化した。
ブランド別に見ると、昨年まで同グループが擁するブランドの中で最も大きな収益を上げている〈Gucci〉は、パンデミックが拡がる前の1月は好調なスタートを切ったものの、前年同期比22.4%減の約19億6,600万ドル(約2120億円)となった。また、〈Saint Laurent〉は同12.6%減の約4億7,000万ドル(約506億円)と低迷。一方、〈Bottega Veneta〉は、同10.3%増の約2億9,117万ドル(約320億円)を記録した。その他のブランドも前年より売上は減少したものの、〈Gucci〉は最も大きな打撃を受けた結果となった。
「Kering」会長兼CEOのFrancois-Henri Pinault(フランソワ・アンリ・ピノー)は今回の発表に際し、「新型コロナウイルスのパンデミックは、第1四半期の収益に大きな打撃を与えました。しかし、私たちは世界中のすべてのKeringの関係者とお客様の安全を確保するために、直ちに行動を起こしました。また、私たちの地域社会にも支援を提供し、この公衆衛生上の危機、特に病院や医療従事者の方々への支援に注力しました。これからが難局ではあるが、グループのファッションハウスは全てこの時期を乗り越えられると確信している」と語った。