2020年版 “世界で最も透明性が高いファッションブランド” ランキングを発表

〈H&M〉〈adidas〉〈Reebok〉などが上位にランクイン

ファッション
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イギリスに拠点を置き、世界中の100か国以上にチームをもつ非営利団体 「Fashion Revolution(ファッション レボリューション)」が、2020年版 “Fashion Transparency Index”を発表した。

「Fashion Revolution」は、ファッションサプライチェーンの透明性を高める必要性に焦点を当て、同産業に関する様々な事象を体系的にリサーチする組織。“Fashion Transparency Index”は、同団体が2016年より行なっているリサーチの一つ。メジャーなファッションブランドを対象に、“方針とその責任”、“管理体制”、“透明性”、“生産者への対応評価”、“問題の改善”の5つの視点から調査を行う。このレポートは、特定のブランドのエシカル度やサステナビリティ度などを評価したショッピングガイドではなく、世界の大規模ブランドがどれだけ環境や社会の情報を公開しているかを理解することを目的としたもの。同団体は、ブランドが公開する透明性を持った情報を保持し、その情報を必要な時に使用するためにこの調査を行なっているという。

今回は、世界の250のファッションブランドと店舗を対象に、動物福祉、生分解性、化学薬品、気候、強制労働、結社の自由、男女平等、生活賃金、サプライヤー透明性、購入の仕方、廃棄とリサイクル、労働環境など、220にも及ぶ指標を元に調査を敢行。

トップ10に名を連ねるブランドの中で、 〈H&M(エイチ・アンド・エム)〉(73%)、〈adidas(アディダス)〉と〈Reebok(リーボック)〉(69%)、〈Esprit(エスプリ)〉(64%)が2019年に引き続き高評価を獲得。〈Patagonia(パタゴニア)〉や〈THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)〉といったアウトドアブランドや、〈Vans(ヴァンズ)〉や〈PUMA(プーマ)〉〈ASICS(アシックス)〉〈Nike(ナイキ)〉などのフットウエアメーカーもランクイン。

レポートで興味深い点の一つは、ラグジュアリーメゾンが原料供給元の名前を開示し始めていること。このトレンドをリードするブランドは、「Kering(ケリング)」傘下の〈Gucci(グッチ)〉〈Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)〉〈Saint Laurent(サンローラン)〉〈Balenciaga(バレンシアガ)〉や、〈Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)〉などが挙げられる。特に〈Gucci〉は2019年の40%から増加し、48%というラグジュアリーメゾンの中で最も高い評価を受けており、“Policy and Commitments(ポリシーとコミットメント)”セクションでは100%のスコアを獲得した唯一のブランドとなっている。

現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下において、この調査が示す企業の“透明性”は、以前にも増して重要であると考えられる。このレポートは、今パンデミックのみならず、気候変動の危機などの地球規模の環境問題もある時代において、今後個人が支出の優先順位をどのように考えるかの指針の一つとなりうる。また、それぞれの企業が収益性を高めるために品質の低い製品を大量に生産するというルーティーンを改善する、パラダイムシフトの時期が迫っていることも表している。例えばこの報告書によると、廃棄物の削減方法に関する情報を開示している企業は27%に過ぎないため、廃棄物がその後どうなるかを調査している。本レポートはファッション産業の暗い側面に光を当て、“透明性”には責任が伴うことを示している。

2020年版 “Fashion Transparency Index”の完全なレポートはこちらからチェック。

「Kering」グループが新型コロナウイルスの影響による2020年第1四半期の収益減少を報告したのはご存知?

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