イタリアの古代都市 ポンペイでファストフード店が発見される
シチューやパエリアなどの温かい料理とワインが提供されていたとのこと
79年に発生したヴェスヴィオ火山の噴火による火砕流と火山灰で、わずか1日にして地中に埋もれたイタリア・ナポリ近郊の古代都市 ポンペイ。約300年前に再発見されて以降、継続的に発掘が続けられているが、このたび2019年に発見されたファーストフードのスナックバー “thermopolium(テルモポリウム)”の発掘が終了し、早ければ2021年4月に一般公開されることが発表された。
“thermopolium”は、ギリシャ語の“thermos(温かい)”と“poleo(売る)”を語源とする古代ローマでは人気が高かった飲食店の1つ。ポンペイだけでも80近い“thermopolium”が発見されているが、今回の店舗はほぼ原型を留めたままの非常に保存状態がいい初の事例で、交通量の多い交差点に店を構えていた人気店。カウンターには色鮮やかなフレスコ画が描かれ、れんが製の調理台の上からは魚や山羊、鴨、カタツムリなどの骨が見つかったことから、シチューやパエリアといった温かい料理とワイン(ポンペイは名産地だった)が提供されていたという。また、店内では男性の遺体も発見されており、「Archaeological Park of Pompeii(ポンペイ考古学公園)」の事務局長 Massimo Osanna(マッシモ・オザンナ)は「噴火によって店は急遽閉店となったが、オーナーと思われる男性が残り、そこで死亡したのではないか」と推測している。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から一般公開後も足を運ぶのが難しいかもしれないので、ひとまず下のプレーヤーから“thermopolium”をチェックしてみよう。