2021年におけるファッション業界の見通しとは?

2021年のキーポイントとファッション業界が取るべき指針

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ファッション
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『The Business of Fashion』と大手コンサルティング会社「McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)」が、ファッション業界における2021年の動向予測を発表した。

“McKinsey Global Fashion Index”では、世界のアパレル企業の利益は2019年に4%増加したものの、2020年内には約90%減少することが見込まれている。それを踏まえた上で、2021年におけるファッション業界の業績を“早期回復”と“晩期回復”といった2つのシナリオで推測。“早期回復”は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることができた場合、ファッション業界の売上は2019年と比べ0〜5%の減少に抑えられ、2022年の第3四半期までには2019年の水準に経済活動を回復させることができるという楽観的な見通し。“晩期回復”は新型コロナの影響が続いた場合、2019年と比べ売上は10〜15%に減少し、2023年の第4四半期まで先行きが見えない状態を指す。これに加え、倒産、店舗閉鎖、解雇の急増などは一年中続くことが見込まれる。そのほか、『The Business of Fashion』と「McKinsey & Company」が予想する2021年のキーポイントとファッション業界が取るべき指針を以下よりチェックしてみよう。

1. 新型コロナウィルスとの共存
新型コロナの感染拡大は、何百万という人々の生活に影響を与え、国際貿易から旅行、経済、消費者行動までを混乱させた。今後こうした先行き不透明な状況を乗り越えるために、企業が経営方針を再び考え直し、より柔軟な対応と迅速な意思決定をし、イノベーションの促進における効率と訓練のバランスを両立する必要がある。

2. 需要減少
21世紀で最も深刻な世界的不況を経験した年に続く2021年の世界経済は、徐々に回復する傾向にあるだろう。しかし、パンデミック前の水準と比べると経済成長の勢いはない。失業者増加や社会的不平等拡大などにより消費者の購買意欲が抑制される。そのため、ファッションの需要に再び増加することは考えづらく、企業は新たなチャンスを見つけ、業績が伸びている部門、分野、地域を強化していくべきだろう。

3. デジタル化への移行
2020年はデジタル化への移行が加速。多くのブランドがオンラインを今まで以上に活用するようになり、ライブストリーミングやビデオチャットでのカスタマーサービスの対応、オンラインショッピングなどの展開は顧客に高評価を得た。オンラインショッピングでの売上が伸び、次なるステップとして、消費者は最先端技術を駆使したつながりを求めるようになった。企業はオンライン上での顧客体験を最適化するだけではなく、より人間味のあるサービスを提供する方法を見つける必要がある。

4. 平等を求める
縫製労働者、セールスアシスタント、低賃金労働者らがコロナ禍の最前線で働いている中、消費者はファッションのバリューチェーンにおける非正規労働者の労働環境に気を使うようになった。搾取の撲滅に対するキャンペーンや状況の改善を求める声が強まり、消費者は企業に対して、労働者の尊厳、保障、公平さをより求めるだろう。

5. インバウンドの需要は引き続き見込めない
ご存知の通り、旅行業界が大打撃を受けた2020年。インバウンドの需要に頼っていたアパレルの実店舗運営も厳しい状況に追い込まれている。2021年もこの傾向は継続されそうなので、企業は現地の消費者を巻き込み、回復が見込まれるマーケットへの戦略的投資、消費者の購買意欲を掻き立てるために新たなチャンスを切り開く必要がある。

6. 少ない方が豊か
コロナ禍の影響で、商品やコレクションの大量生産が必ずしも好業績につながるとは限らず、収益性への考え方を転換することの必然性が浮き彫りになった。企業はシステムの複雑さを解消し、適当な価格と顧客重視の品揃え戦略を用いて在庫を減らし、インシーズンの新商品とリストック商品の入れ替えを臨機応変に行うことが大切だろう。

7. 機会を見据えた投資
ファッション業界では最高業績を上げる企業とその他の二極化が加速した。すでに倒産している企業や政府の補助金で立ち直った企業がある中、新たな機会や事業拡大の可能性を見出し、市場シェアを獲得するための企業買収の動きが増加することが見込まれる。

8. より密接したパートナーシップの構築
コロナウィルスの影響を受け、仕入れ網への打撃、契約の漏れ、サプライヤーへの依存のリスクが露わになり、企業はサプライチェーンの再構築を行うようになる。また、今後及ぼされる影響を最小限に抑えるため、先方とは取引関係からより臨機応変に対応ができ、説明責任のある親交性の深いパートナーシップを締結するだろう。

9. 小売業の投資利益率
ポストコロナであっても、実店舗の閉鎖が増加し続け、多くの企業は小売の概念を考え直すようになるだろう。貸し手からリテーラーへとパワーシフトが起こり、シームレスなデジタル技術によって、企業は実店舗でのレベルにおいても投資利益率を上げるべく苦渋の決断に迫られるだろう。

10. 働き方改革
パンデミックが発生した際、従業員の働き方は根本的に変化した。今後、来期を見据えた業績向上のため新たな働き方へとシフトするだろう。企業はリモートワークとオフィス勤務の働き方を再検討し、人材育成の強化、従業員が共通して会社に所属する目的と意義が持てる環境を整えていく必要がある。

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