2020年の BEST スニーカー 10選
今年のスニーカーシーンを総括すべく、2020年を象徴する10足をチョイス
近年の流れを踏襲するように多くの名作スニーカーが誕生した2020年。予想通り〈Nike(ナイキ)〉と〈Jordan Brand(ジョーダン ブランド)〉の勢いは変わらない1年だったが、コアなファンを多く持つ〈New Balance(ニューバランス)〉が(今年も)大健闘。復刻モデルだけでなく、327といった新モデルもヒットを飛ばした。コラボレーションでいえば、“ラグジュアリーブランド x スポーツブランド”は象徴的なトレンドのひとつであっただろう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの影響によって、フットウェア業界にとっても激動の12ヶ月だったが、我々『HYPEBEAST』編集部は、そんな今年のスニーカーシーンを総括すべく、2020年を代表する10足(次点を含めて12足)をチョイスした。
Off-White™ x Air Jordan 5
2月に登場したVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)率いる〈Off-White™️(オフホワイト)〉と〈Jordan Brand〉によるAir Jordan 5。AJ5のアイコニックなカラーウェイ “Black Metallic”がベースとなっているが、これはVirgilが両親に買ってもらった最初のスニーカーだったという。また、本モデルを特徴付けるアッパー、シュータン、ボックスに至るまで開けられた穴の数々は、〈Nike〉の誇る“AIR”そのものに焦点を当てたもの。10月には“Sail”もリリースされている。
Travis Scott x Nike SB Dunk Low “Cactus Jack”
同じく2月に発売された〈Nike SB(ナイキ SB)〉とTravis Scott(トラヴィス・スコット)によるDunk Low “Cactus Jack”。2019年のトレンドのひとつであったバンダナ柄を採用した本モデルは、2020年の初頭リリースというタイミング的にもバッチリな1足だった。シュータンに配置されたお馴染み“Cactus Jack”のロゴ、ロープを用いたシューレースなど、細部までこだわり抜かれたデザインに。
STÜSSY & Nike Air Zoom Spiridon Caged 2
3月リリースの〈STÜSSY(ステューシー)〉と〈Nike〉によるコラボフットウェア Air Zoom Spiridon Caged 2。2000年代初頭の隠れ名作シューズ Air Zoom Spiridon Cagedをベースとした、その当時ならではのハイテク感が逆にレトロな印象を受ける1足。玄人受け必至のモデルかと思われたが、キャンバス地を用いた“Fossil”やオールブラックモデルは、そのクリーンなルックスから幅広い層で人気を博した。
WTAPS x New Balance M992WT
5月に販売された〈WTAPS(ダブルタップス)〉と〈New Balance〉のM992WT。(やや主観的だが)数ある〈New Balance〉コラボの中でも最強にイケてる1足といえるだろう。オリーブドラブからグレーへと変化するグラデーションの配色によって〈WTAPS〉の持つ強さと〈New Balance〉の上品さが表現されている。ミッドソールに挿し込まれた〈WTAPS〉のアイデンティティであるオレンジカラーも相まって、激しく購買欲をかき立てるモデル。
Air Jordan 1 OG Dior
〈DIOR(ディオール)〉x〈Jordan Brand〉による“AIR DIOR”コレクションの一部として6月に販売されたAir Jordan 1 OG Dior。今モデルは〈DIOR〉のレザーグッズを思わせる上質なレザー素材で構成されたイタリア製。クリーンなグレーとオフホワイトを基調に、ヒールのウィングスロゴは“AIR DIOR”、シュータンは“DIOR AIR”に置き換わり、やや大振りに変更されたスウッシュにはブランドを象徴するDior Oblique(ディオール オブリーク)が採用されている。Travis Scott(トラヴィス・スコット)を起用したルックブックも話題となった。時代の寵児Kim Jones(キム・ジョーンズ)のセンスと審美眼が爆発した後世まで語り継がれるモデルに違いない。
Valentino x Onitsuka Tiger
先述したように、ラグジュアリーブランド x スポーツブランドのチームアップが顕著だった2020年だが〈Valentino(ヴァレンティノ)〉と〈Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)〉も忘れてはいけない。7月リリースされた本モデルは、〈Valentino〉のクリエイティブディレクター Pierpaolo Piccioli(ピエールパオロ・ピッチョーリ)が〈Onitsuka Tiger〉のアイコンモデルであるMEXICO 66 SDを再解釈。アッパー外側のOnitsuka Tigerストライプの上に、ハンドメイドでプリントされた〈Valentino〉の“V”がシンプルながらインパクト溢れるデザインとなっている。
JJJJound x New Balance M992 JJ
〈WTAPS〉と同じく992をベースとしたJustin Saunders(ジャスティン・サンダース)の〈JJJJound(ジョウンド)〉と〈New Balance〉のコラボ第2弾。〈JJJJound〉の公式サイトで先行発売され、その後8月にリリースされた。なんでも日本の〈New Balance〉史上最も行列を作らせたとか作らせてないとか。カルト的な人気を誇る〈JJJJound〉らしいエピソードである。
Maison Margiela x Reebok
9月にリリースされた〈Maison Margiela(メゾン マルジェラ)〉x〈Reebok(リーボック)〉は今年を代表する異色のコラボレーションといえる。1988年に誕生した〈Maison Margiela〉を象徴するアイテムのひとつであるTabi(タビ)シューズと、同じく〈Reebok〉の代名詞スニーカーとしてお馴染みのInstapump Fury(インスタポンプ フューリー)をかけ合わせたハイブリッドシューズは、多くの人の度肝を抜いた。
sacai x Nike VaporWaffle
10月に発売された〈sacai(サカイ)〉と〈Nike〉の最新コラボシューズ VaporWaffle(ヴェイパーワッフル)。前作LDWaffleが大ヒットを飛ばした〈sacai〉と〈Nike〉のコラボレーションだが、本モデルは記録破りのVaporfly(ヴェイパーフライ)と1983年に発売されたPegasus(ペガサス)という新旧2つのランニングシューズを組み合わせた1足だ。
Lucien Clarke x Louis Vuitton
Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)の就任以来、型破りなクリエーションを続ける〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉だが、12月には遂にメゾン初となるスケートシューズをリリース。〈PALACE SKATEBOARDS(パレス スケートボード)〉チームに所属するプロスケーター Lucien Clarke(ルシアン・クラーク)とVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)の共同デザインによるA Viewは、2000年代のスケシューを彷彿させるシルエットに、上質なレザー素材とテクニカルなマテリアルをミックスした構成。半透明素材を用いたソールにはポリウレタンのクッショニングが搭載されている。
次点: Air Jordan 34 八村塁 PE
〈Jordan Brand〉と契約した初の日本人アスリート 八村塁。8月には自身のPEモデルも誕生した。このAJ34は、左足のアッパーにアフリカのテキスタイルプリントを、右足に和柄をイメージしたプリントという左右で異なるデザインに。シュータンの裏側にはベナンと日本の国旗をそれぞれ配し、Jumpmanと共に配置された“八”ロゴは、八村選手の母親がデザインしているという。漢字の“八”の間に刀のような線を一本入れることで“H”にも見えるというダブルミーニングとなっている。
次点: fragment design x Air Jordan 3
9月に発売された〈fragment design(フラグメント デザイン)〉と〈Jordan Brand〉によるコラボコレクション。その中に含まれていたのがこのAir Jordan 3である。2004年にHFが手がけた“ORCA PACK(オルカパック)”を彷彿させるホワイト/ブラックの配色は、数々の伝説を作ってきたHFと〈Nike〉の歴史を紐解くかのよう。ヒールカウンターには特大サイズの稲妻ロゴが透明のジャンプマン越しに見えるように配置されている。