“禁止”をキーワードにファッションの本質である“自由”を謳う el conductorH 2020年春夏コレクション

前衛的なデザインとは裏腹に、素材・パーツにもこだわった新鋭ドメスティックの新シーズン

ファッション
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長嶺信太郎が手がける〈el conductorH(コンダクター)〉が、2020年春夏コレクションのルックブックを公開した。

〈el conductorH〉は、“PASSION DESIRE”をスローガンに掲げ、2018年春夏シーズンにデビューしたばかりの新鋭ドメスティックブランドである。その前衛的なグラフィックやカッティングとは裏腹に、国内を中心とした品質の高い生地・パーツにこだわり、一部スタイリストたちからの評判もあって、KOHH(コー)やANARCHY(アナーキー)、吉村界人など時代を代表するアイコンも着用している。

そんな〈el conductorH〉が今季のテーマに掲げるのは、“禁止する”という意味を持つ“Forbid”。しかしながら、「禁止という概念があってこそ自由は定義される」という考えのもと、そこにはトレンドに左右されがちなファッションシーンに選択の自由を提示するというメッセージが隠されている。着想源は、アダムとイブが楽園追放に遭う旧約聖書・創世記の2章〜3章。この楽園追放の引き金となった蛇からインスパイアされたパイソンの総柄を採用した新作セットアップは、パジャマのデザインを取り入れたラグジュアリーな仕上がりが特徴で、背中には日常的に口に出すことははばかられているが、本当は何一つ禁止されていない自由の象徴として「sex」のテキストグラフィックをプリントしている。

また、素材へのこだわりは今季も健在で、ジャケット、ベスト、スラックスパンツの3ピースには、SUPER 110のウールを採用。一般的な素材は80程度、100を超えると細めの羊毛と認識され、こちらの3ピースで使用されている生地はウールの毛羽立たしさを感じない繊細な風合いとなっている。そのほかの例では、ウエスタンジャケットにも現代では高価な素材として嫌煙されがちなレーヨンギャバジンを贅沢に使用。本作は、50年代のヴィンテージを再現しながらも、横幅を十分に取ることで現代的なシルエットへとリサイズした。

そのほかのハイライトは、2000年代の日本のアイコンやカルチャーをファッション的に解釈したプロダクトや、PRO CLUBのボディを裏返してプリントしたTシャツなど。広く蔓延するファッションのルールから逸脱し、着る人のアイディアによって完結するための余白を残した〈el conductorH〉の2020年春夏コレクションの全貌は、上のフォトギャラリーからご確認を。

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