Interviews:渡邊雄太が語る NBA 1年目を終えての手応えやバッシュ選びの基準 そして Nike アスリートとしてのメンタリティについて

都内某所の体育館で汗を流す渡邊選手にプロ生活1年目を終えた感触を直撃

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スポーツ 

日本中が熱狂した2004年の田臥勇太以来、日本人選手として史上2人目となるNBAデビューを果たした渡邊雄太。サマーリーグ終了後、メンフィス・グリズリーズと2way契約(NBA下部組織であるGリーグのチームに所属しながら、1シーズンで最大45日までNBAチームでプレーできる)を交わした渡邊選手は、10月27日(現地時間)にNBAのコートに立つ。対戦相手は奇しくも先駆者の田臥が所属したフェニックス・サンズ。わずか5分の出場ながら、NBAの歴史に足跡を残した渡邊雄太は、その後、NBAで15試合に出場。生存競争の厳しい世界最高峰のバスケットリーグにて1試合あたり平均11.6分の出場時間を獲得した。一方、33試合に出場したGリーグではメンフィス・ハッスルのスターターに定着。平均14.1得点、7.2リバウンド、2.8アシスト、1.2ブロックを記録し、アメリカでのプロ生活1年目を終えた。我々『HYPEBEAST』では、帰国していたタイミングの渡邊選手にインタビューを敢行。多忙なスケジュールの合間を縫い、NBA初年度を終えての手応え、チーム内の雰囲気、バッシュ選びのポイント、日頃の肉体ケアや来シーズンに向けた意気込みなどを聞くことに成功した。

- レギュラーシーズンお疲れ様でした。ルーキーイヤーを総括していかがでしたか?

ずっと目標にしていたNBA選手になるという夢は、とりあえずは達成できたのですが、そこに満足感や達成感は一切なく、NBAの試合には15試合出ましたけど、そこでもほとんど活躍することはできなかったので、そういう意味では課題の残った1年ではあります。ただ、Gリーグを含め1年を通してシビアな世界でやり抜けたという事はすごく大きな自信につながりました。

- カレッジで4年間積み上げてきてからのNBA参戦となりましたが、手応えをお聞かせいただけますか。

カレッジでは特に勉強も忙しくて、勉強に割かれる時間というのが多かったです。正直カレッジでも相当苦労はしていたので、NBAに入って、また厳しい世界に入りましたけど、自分の大好きなバスケットができるというその環境は大きかったです。移動だとか2wayという特殊な契約を結んでもらっているので、2つのチームを行ったり来たりするなかで、正直体力的にも精神的にも大変な部分はあったのですが、まだ英語に苦戦しながらやっていた大学の勉強などに比べると、好きなことができている分、そこまで苦にはならなかったです。

- 今季メンフィス・グリズリーズの2Way契約を勝ち取ったわけですが、グリズリーズとハッスル(Gリーグ)のチームの空気感などはいかがですか?

雰囲気はどちらも本当に明るいです。チームメイトはみんないい人でしたし、両チームを行ったり来たりすることが多くなる中で、それぞれのチームメイトと一緒にいる時間というのは当然少なくはなってきますが、どっちに行ってもみんなすごく歓迎してくれて、みんな仲良くしてくれました。なので、そんなに大きな違いはなく楽しい雰囲気で1年間過ごせました。

- チーム内でよくコミュニケーションを取る選手は?

NBAでいうとJaren Jackson Jr.(ジャレン・ジャクソンJr.)です。彼も同じルーキーで、彼の場合ドラフトで入ってきたグリズリーズのフランチャイズプレイヤーという風に言われていますが、彼は本当にフレンドリーでいつも仲良くしてくれているので、僕もすごく話しやすくて、彼とコミュニケーションをとるのは多かったなと。

- どのような話しをされていますか?

すごくたわいもない、全然たわいもない話です(笑)。

- Mike Conley(マイク・コンリー)から影響を受けたとお聞きしましたが、チームのエースとしてキャプテンとして彼の見習うべき点はどのようなものがありますか?

やっぱり、リーダーシップはすごいなと思いますし、あれだけずっとフランチャイズプレイヤーで、メンフィス一筋でやってきて、お金も相当もらっている中で、そういった素振りを一切見せない。まずその姿勢というか、それは人間として素晴らしいと思いますし、その中でリーダーとして僕たちを口でも引っ張っていってくれるんですけど、彼もどっちかというと、まずは態度で、いつもハードにプレイして僕たちを盛り上げてくれているという感じなので、チームメイトとして一番有難い存在ですし、リスペクトできる存在ですね。

- 現在色々なバッシュを試されているとお伺いしましたが、バッシュに求めることはなんですか?シューズ選びのポイントなどを教えてください。

フィット感を僕はすごく大事にしていて。当然軽い重いで言ったら軽い方がいいですし、クッション性も当然あればいいのですが、それよりも僕はどちらかというと履いてフィットするかどうか。足に合ってるなっていうのを一番大事にしています。

- 履いた感じの直感ですか?

そうですね。当然動いてみて多少印象が変わる事はあるんですけど、やっぱり履いてすぐ良いなと思ったバッシュは動いてみても動きやすくて。

- オフコート用で一番好きなスニーカーを教えてください。

Air Jordan 1か11をよく履いていることが多いです。単純にデザインがかっこいいっていうのが理由です。他にもたくさんかっこいいスニーカーありますが、向こう(アメリカ)でも1と11履いている人は多いかなっていう風に思います。

- その中で特に好きなカラーはありますか?

1は真っ黒も好きですし、シンプルに白に赤のラインのやつも好きです。11の方も、Space Jam(スペースジャム)の黒いモデルは、めちゃめちゃかっこいいと思います。あとは最近復刻された白黒の“Concord”ですかね。

- 渡邊選手にとって、Nikeはどのようなブランドですか?

本当に小さい頃は憧れのブランドで、たくさん種類もありましたし、デザインもかっこよくて人を惹きつけるブランドだなって思っていました。今サポートしていただいていてすごく有難いですし、そうやって憧れていたブランドなので、それを今自分が身につけられるっていうのは、素晴らしいことというか、繰り返しになりますが、有難いことだなと思っています。

- Nikeアスリートに通じるメンタルの強さや、Nikeを背負う契約アスリートとしてのメンタリティの成長をお聞かせいただけますか。

見られている立場に当然なってくると思います。大学時代もNCAAはすごく人気でたくさんの人に見てもらえていましたが、NBAはそれ以上にファンの方も多くなってきていますし、日本でもNBAのファンの方が多い中で、僕が身につけている物とかも、注目して見てくれている人がいるとは思います。ただ、その中で、Nikeを身につけている僕がだらしない行動を取っていると、同時にNikeの印象も下がってしまう恐れはあるので、見られている立場としてしっかりやらなければいけないなというのは、プロになり、Nikeにサポートしもらうようになって改めて感じました。

- 2Way契約ということでプレッシャーもあったかと思いますが、プレッシャーとはどのように向き合ってきたのでしょうか?

基本的に僕はそんなにプレッシャーを感じないタイプなので、もともと。とにかくバスケットを好きでやっているので。別に周りが何を言おうと自分は自分のことをやるだけで。周りが色々期待してくれるのはすごく有難いですし、当然批判というかネガティブな声もあるのは当たり前なので。100人いれば100人好かれるわけでは絶対ないので。とにかく自分が出来ることに集中して、でもバスケットが好きっていう気持ちを忘れずにやっていると自ずとプレッシャーもかからなくなってくるのかなと思います。

- 試合に臨む前などにお決まりのルーティーンや、必ず聴く音楽などはありますか?

それがないんですよね。昔はそういうことをやったりしていたんですけど、それこそ高校生の時とか大学生の最初の頃とか。そういうのに縛られるというか、同じことばっかり、同じ音楽ばかり聞いていると、飽きもでてきて。ちょっと飽きてるのに、毎試合、この前聴いたから聴かなきゃいけないみたいに作業っぽくなってくるんですよね、僕の場合は。だから僕は(そういったことを)止めて、その時の気分で変えています。あとはチームメイトがロッカールームに入ったら適当に流してるので。ガンガンで。なのでそれを一緒に聞いたり。

- 無音でも問題なし?

その時の気分が無音なら無音でも。

- 今までのお話通り、好きなバスケを続けた1年間だったと思いますが、肉体のケアや食事で気をつけていることはありますか?

NBAレギュラーシーズン82試合プラス2wayで50試合近くあるなかで、当然、強い体を保たないといけません。かなり動きも激しくカロリーを消費することが多いため、カロリー摂取を意識的にやるようにしており、僕の場合は体重を増やさなきゃいけないので、消費カロリーよりも多く摂取することを心がけていました。あとはサプリメントとかを摂って、自分の一番いい体の状態を常に作るようには意識していました。

- ちなみに好きな食事は?

麺類が好きで……やっぱりうどん。香川県民なのでうどんは当然好きです。あとはラーメンも好きです、寿司とかも結構好きですねやっぱり。

- アメリカに行って(食事に)困ることはありました?

いや。向こうの食事は向こうの食事で全然嫌いじゃないです。向こうでも日本食は全然食べますし、食に関して困った経験は特にないです。

- ワールドカップ出場おめでとうございます。3大会ぶりのワールドカップ出場を達成した最大の要因はどこにあるとお考えですか?

意識のレベルはかなり上がってきているんじゃないかなっていう風に感じます。僕はまだ代表の中では年下なので、少し偉そうな言い方かもしれないですけど、やっぱりBリーグが始まって、さっき僕が言ったように、注目されるようになって、自分たちが見られている立場にあるっていう意識はみんな持つようになってきてるんじゃないかなと思います。当然その前も(意識は)あったとは思いますが、より注目度が上がることによってファンの方もたくさんいてくれますし、そうなることによってパフォーマンスのレベルも上がってきていると思うので。自分たちの自覚というか。そういったことが増えたという面があると思います。

- グループリーグの対戦カードが決まってからの心境はいかがでしょう?

正直(ワールドカップ出場国の)どこと当たっても厳しい試合になるかなと。当然ランキングでいうと日本は下から数えたほうが全然早いので。そこに関しては全然気にせず、どこが相手だろうと自分たちのやることは変わらないので。当然アメリカは世界ナンバーワンの国で、対戦するのは楽しみなんですけど、自分たちのバスケットに集中して、見方を変えれば世界に自分たちのレベルを見せつけるチャンスだと思いますし。全然やれないことは僕はないと思っているのですごく楽しみにしています。

- 他国の研究などは進めていますか?

まだちょっと早いので……。時期的にそれはもっと時期が近づけばやり始めると思いますね。

- 現段階でそれぞれどのようなチームという印象でしょうか?

アメリカに関してはあまり言う必要は無いかなと思いますが、チェコにしてもトルコにしてもNBA選手は何人もいますし、チェコとは僕、3年くらい前に世界最終予選で対戦しているのですが、その時は自分たちの力不足で敗れてしまい。その時もやっぱりチェコはかなり強いなって思いましたが、やっぱり今日本のレベルは確実に上がってきていると思うので、当然簡単な話では無いですけど、勝てない相手では無いと思っています。そこはしっかり勝ちにこだわっていけたらなって思っています。

- 来季に向けて、オフのトレーニングで注力したいことは何ですか?

もっとシュート力を身につけなければいけないなと感じてます。NBAではシュートのパーセンテージがかなり低かったので、そこで通用するシュート力っていうのはまず身につけなければいけないのと、さっき話にも出ましたが、体重をもっと増やさないといけないので、オフシーズンは移動が無い分、体重の管理はしやすくなるので、しっかりたべて寝てトレーニングをしっかりやって、次の1年間しっかりやり通せる体づくりをしていかなきゃいけないなと思っています。

- 来年の抱負をお聞かせください。

今は2wayという契約で2年間してもらっているので、来年がとりあえず最後の1年になるので、まずそこで本契約を勝ち取るというのが一番近い目標かなと思っています。まずこのオフシーズンで自分がどれだけ成長したかをコーチ陣に見せて、試合で「雄太なら使っても大丈夫だ」と思われる信頼を築いた上で、しっかり自分のパフォーマンスをあげて結果を残していき、本契約につなげることができればなと思っています。

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Photographer
AKIHARU ICHIKAWA/HYPEBEAST
Interviewer
YUKI ABE/HYPEBEAST

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