トム・サックスが東京で開催している展覧会“ティーセレモニー”の様子を公開

“不完全な美”を体現するアーティストが、日本の伝統的な茶の湯の世界とそれを取り巻く様々な儀礼や形式を独自の解釈で再構築

アート
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Tom Sachs(トム・サックス)は現在、西新宿・初台にある美術館『東京オペラシティ アートギャラリー』で展覧会“ティーセレモニー”を開催している。Sachsは日本の伝統的な茶の湯の世界とそれを取り巻く様々な儀礼や形式を独自の解釈で再構築した作品を制作するために、2012年から本格的に茶道を学び始めて以来、日本国内での発表を念頭に置いてきた。念願の日本開催となる今回の展示品は、体感型の空間として、庭(内露地、外露地)、手作りの合板の茶室、ボーイング747機の設備をより機能的にしたトイレユニット(雪隠)、鯉が泳ぐ美しい佇まいの池、そして様々な門によって構成されている。

Sachsは、釜、柄杓、掛軸、花入れをはじめ、電動で動く茶筅や本来スポーツで使用されるショットクロック、電子式の火鉢などの、工業用素材や日用品といった身近な物で茶道具を自作し、独自の世界を創出。これは、「古い伝統の真の発展を目指す」というイサム・ノグチの姿勢に着想を得たものだ。また、会場には彼の哲学である“不完全な美”を体現した500個を超える手製の茶碗も展示。さらに、藤原ヒロシ、Tinker Hatfield(ティンカー・ハットフィールド)、Mark Parker(マーク・パーカー)によるコラボプロジェクト“HTM”から2010年に登場したSolarsoft Sandalをベースとした〈Nike(ナイキ)〉との新作コラボフットウェアも『HYPEBEAST(ハイプビースト)』読者にとっては見逃し厳禁なコンテンツなのではないだろうか。

展覧会では上記のインスタレーションに加え、今までにSachsが制作してきた様々な茶道具を紹介するとともに、茶の湯に取り組むきっかけとなった“Space Program2.0: MARS”展(2012年)からの発展や歩みを振り返る。また、今回上映される映像作品『ティーセレモニー』は、日々の暮らしや営みから派生した複雑なサブカルチャーに対するサックスの20年にわたる模索を反映したもので、本展のために特別に制作されたジオデシック・ドーム状のシアターで上映されているとのこと。期間は6月23日(日)までとなっているので、是非時間を見つけて『東京オペラシティ アートギャラリー』まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

トム・サックス ティーセレモニー
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1、2)
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
会期:4月20日(土)- 6月23日(日)
時間:11:00 – 19:00(金・土は11:00 – 20:00、いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日、ただし4月30日は開館)
入場料:一般1,400円 / 大・高生1,000円 / 中学生以下無料

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