Back To Film:HYPEBEAST編集部が実際に見て感じた“スニーカーカルチャーの首都”と呼ばれる街、ポートランドの魅力

ニューヨークともロサンゼルスとも異なるユニークな空気感が充満する街に『HYPEBEAST』編集部がフィルムカメラを携えて訪問

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シートにもたれかかること約9時間半、丸みを帯びたシートベルト着用サイン点灯の合図とともに目を覚ます。寝ぼけ頭がクリアになるまで少し時間がかかり、ふと楕円形の小窓から外を見てみると眼下に流れていたのはワシントン州とオレゴン州を隔てるコロンビア川。それから間もなく飛行機は7,800km弱ほどの長距離飛行を終了させ、その大きな図体を少し揺らしながら着陸。到着したのはアメリカ合衆国の太平洋岸北西部に位置するオレゴン州最大の都市、ポートランドだ。

“KEEP PORTLAND WEIRD(=ポートランドをヘンテコのままに)”というユニークなスローガンを掲げ、全米住みたい街ランキングで常に上位に食い込むトップランカーでもあるポートランド。市内人口は約64万人でその周辺を含む都市圏人口は約245万人(ちなみに東京都の総人口は約1,385万人)。消費税はなんと0%で環境政策に力を入れるエコシティ。美しい大自然に恵まれ、郊外には1年中スキーやスノーボード可能な“オレゴン富士”ことマウントフッドも鎮座。世界屈指のコーヒーの街でもあり、交通機関も便利に発達。地元で造られた個性的なクラフトビールもいたるところで楽しむことができる。とまぁ有名なところで言えば以上のような点が特徴として挙げられるポートランドだが、実は“Sneaker Capital of the World(全世界におけるスニーカーカルチャーの首都)”との呼び声の高い街でもある。そして今回『HYPEBEAST』では、そんな“スニーカーカルチャーの首都”の魅力に迫るべく、フィルムカメラを1台携えて実際に現地を訪れてみた。

宿泊したのは、エリアでいえばオールドタウン・チャイナタウン地区と呼ばれる場所に建つホテル『The Hoxton(ザ・ホクストン)』。全119の客室を持つ『The Hoxton』は2018年11月に誕生したばかりの新しいホテルだが、長い歴史を持つ建造物を活かして設計されたおかげか、そうとは思えないほどに街に溶け込んでいた。スタッフも全員感じがよく、エントランスを入った地上階のロビースペースにはカフェとレストラン、最上階と地下にはバーも併設。とある日の朝、目覚めの1杯を淹れてくれたタトゥーと鼻ピアスがよく似合う女の子の店員さんに話を聞けば、宿泊客じゃなくても、たとえカフェでコーヒーを購入しなくても、誰でも自由にこのロビーでくつろいでいいとのこと。さらに館内で使用可能なWiFiはパスワードすら不要という器のデカさ。客室内も華美でも地味でもない非常に落ち着く空間となっており、まさに文句のつけようがない宿であった。ニューヨークのマンハッタン島内にある同レベルのホテルであれば軽く2~3倍はするであろう、リーズナブルな宿泊料金もポイント。

『The Hoxton』にチェックインして荷物を置き、早々に向かったのは歩いて2~3分の場所に位置するコーヒー屋の『Deadstock Coffee(デッドストック コーヒー)』。“世界で唯一のスニーカーをテーマにしたコーヒー屋”を自称するだけあってその店内はスニーカー/ストリートカルチャー1色。店内には数々のスニーカーや空き箱、名だたるNBAやMLB選手のポスターや関連グッズの数々が。さらにラテを頼めば上にパウダーでスニーカーが描かれ、そのラテを飲みながら隣に腰掛けていた常連っぽい客と世間話をすれば、彼はポートランドの隣町ビーバートンにある〈Nike(ナイキ)〉本社にてAirユニットのエンジニアをしているとのこと。さらにその前はアメリカ航空宇宙局、通称NASAで働いていたらしい。まさに“Sneaker Capital of the World”を自分の肌で感じた瞬間であった。

そして紹介するべき人物が『Deadstock Coffee』の店主であるIan Williams(イアン・ウィリアムズ)。彼は根っからのスニーカーヘッズであり、その熱のあまり〈Nike〉本社にて清掃員からキャリアをスタートさせ、その後なんとデザイナー職へと見事ステップアップ。そうしてスニーカー産業に実際に関わった後、コミュニティや実際の場所を作るべくコーヒー屋をオープンさせたという努力の人だ。そして今回の旅の案内人を務めてくれたのもIanである。上の写真は『Deadstock Coffee』のカウンター内に立つIan、そして同じ建物内にある彼が複数人でシェアして利用している事務所スペースの様子。

とある日にIanが連れて行ってくれたのは、彼にとっての古巣であり、言わずと知れた世界最大のスポーツメーカー〈Nike〉の本社。正確にはポートランドではなく隣町ビーバートンにあり、正式名称はNike World Headquarters Campus(ナイキ ワールド ヘッドクォーター キャンパス)、通称“キャンパス”。そのキャンパス内にはオフィスやカフェのほかに、もちろんジムやプール、サッカーコートやテニスコート、陸上トラック、バスケットボールコートなども点在。〈Nike〉の歴史を振り返ることができるミュージアム施設もあり、さすがは世界の〈Nike〉といったところ。ちなみにポートランドには〈Nike〉関係者が非常に多くいるので、“石を投げればNikeに当たる”なんてことわざのようなものも存在する。

と、ここで突然ではあるが、滞在中にIanが連れて行ってくれたポートランド市内にあるオススメショップを厳選してご紹介。

Index
住所:114 NW 3rd Ave, Portland, OR 97209
Web:https://www.indexpdx.com/

『Index』は『The Hoxton』や『Deadstock Coffee』からもほど近くに位置するお店。見ての通りスニーカー屋であり、その品揃えは圧巻の一言。日本ではなかなか目にかかることすらできない超レアモデルもディスプレイされているので、ショップというよりもギャラリーにいるような感覚。

Compound Gallery / PDX PLUGD
住所:107 NW 5th Ave, Portland, OR 97209
Web:https://compoundgallery.com/
https://pdxplugd.com/

『Index』からもほど近い『Compound Gallery / PDX PLUGD』はストリートウェアやグッズを扱うセレクトショップ。〈Supreme〉のアーカイブアイテムなんかも大量に積まれていたので、一見の価値あり。

Cal Skate Skateboards
住所:210 NW 6th Ave, Portland, OR 97209
Web:http://www.calsk8.com/index.php

上の2店舗からもほど近くに位置する『Cal Skate Skateboards』は、“The Oldest Skateboard Shop on the Planet(=この惑星で最も古いスケートボードショップ)”とのこと。定番スケートブランドのアイテムも豊富にあるけど、せっかくならポートランドを拠点としているローカルブランドのアイテムに注目したいところ。

The Culture PDX
住所:1402 SW Morrison St, Portland, OR 97205
Web:https://www.theculturepdx.com/

ダウンタウンのフリーウェイ近くで営業する『The Culture PDX』はヴィンテージの〈Nike〉製アイテムを専門に扱うショップ。お店というよりも博物館状態で、古着の〈Nike〉アイテムが好きな方は長めの滞在時間を見てから向かおう。

Laundry PDX
住所:204 SE Alder St, Portland, OR 97214
Web:https://laundrypdx.com/

ウィラメット川の東側、セントラルイーストサイド地区の工業商業地区にポツンとあるスポーツ系アイテムをメインとした古着屋さん。内側にSAMPLEの文字が配された見たことないDunk Lowが売られていたり、こちらも日本じゃなかなか目にかかれないポートランドならではの品揃えは圧巻。店員さんと話してたら移転する予定があるとか言っていたので、気になる方は最新情報のご確認を。

『Deadstock Coffee』のすぐ近くに位置するここは、Ian曰く“世界で唯一のスニーカーアカデミー”である『PENSOLE(ペンソール)』。〈Jordan Brand〉でデザインディレクターを務めていた経歴も持つD’Wayne Edwards(ドウェイン・エドワーズ)が2010年に設立した専門学校のような施設であり、生徒はデザインから機能面、ブランディング、マーケティングにいたるまでフットウェアやアパレルに関するありとあらゆることを勉強することができる。マサチューセッツ工科大学やパーソンズ美術大学などといったアメリカの有名な大学ともパートナーシップを結んでおり、それらの大学においては『PENSOLE』での勉強の結果が単位として認められるとか。ここから〈Nike〉や〈adidas〉に巣立っていった若者たちは数知れず。入るにはそれなりの狭き門をくぐり抜ける必要があるのだろうが、ここもポートランドを“Sneaker Capital of the World”にたらしめる1つの大きな要因なのだろう。

ストリートカルチャーシーンの震源地といえばどうしても東海岸のニューヨークや西海岸のロサンゼルス、イギリスのロンドン、そして我らが日本の東京といった街が取り沙汰されがちだが、それら世界中のどの街とも異なる自由な空気が充満している街、ポートランド。「海外旅行したいな〜」なんて考えていた方は是非候補のひとつとして検討してみてはいかがだろうか。

そして既にお伝えしたとおり、そんなポートランドへのペア往復航空券や『The Hoxton』での4泊5日分ペア宿泊券、Ianによるプライベートツアー(日本語通訳付き)、スペシャルスニーカーなどが賞品として用意されるスペシャルイベントの“ノドから足が出るほど欲しくなるポートランド・フリーパス・スニーカー”が2019年4月7日(日)、東京・渋谷/原宿エリアにて開催決定。友人や家族、恋人と一緒にはもちろん、一人旅でもいろいろな出会いを楽しむことができるであろうポートランドに少しでも興味を持った方は是非参加してみてほしい。

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