語り継がれる NBA オールスター名場面集

マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンら往年の名選手からアイバーソン、コービー、シャックまでお祭り男たちの活躍を総ざらい

Sports  

NFLスーパーボウルと並び、毎年2月に開催されるアメリカの国民的行事といえば、NBAオールスター・ウィークエンド。金・土・日の週末3日間にかけて行われる今イベントでは、引退した往年の名選手や各界を代表するバスケ自慢の著名人を集めたセレブリティゲームやライジングスターズ・チャレンジに始まり、オールスターの花形であるスラムダンクコンテストや3ポイントコンテストを経て、オールスター本戦が開催される。

70年近くに及ぶ長い歴史を誇るNBAオールスターであるが、本稿では“バスケの神様”ことMichael Jordan(マイケル・ジョーダン)が登場した1980年代以降の試合を中心に、誰しもが頷くであろう名場面をオールスター本戦に絞ってセレクト。後世まで語り継がれるハイライトの数々を時系列順にご覧いただきたい

1988年:若き“神様”ジョーダンのためにお膳立てされたシカゴでの球宴

Larry Bird(ラリー・バード)の3ポイントコンテスト3連覇ですら余興に過ぎなかったのかもしれない1988年のオールスターは、Michael Jordanのために用意されたといっても過言ではない。ブルズの本拠地であるシカゴで開催されたこの年の祭典。ファン投票1位で選出されたNBA4年目、当時25歳のMJは、前夜祭のスラムダンクコンテストとオールスター本戦に出場。宿敵Dominique Wilkins(ドミニク・ウィルキンス)とのダンク決戦を制し、コンテスト2連覇を成し遂げたJordanは、その勢いそのままに本戦でも大活躍。当時のオールスター歴代2位となる40得点をはじめ、8リバウンド、3アシスト、4スティール、4ブロックとコートを縦横無尽に駆け巡り、138-133でイーストを勝利に導いた。自身初となるオールスターMVPを獲得し、ダンクコンテストとの二冠を達成。ちなみにこの年のJordanは、これらに加えて得点王、スティール王、最優秀ディフェンス賞、レギュラーシーズンMVPを奪取しており、これを仮に昨シーズンのNBAに例えると、LeBron James(レブロン・ジェームズ)、James Harden(ジェームズ・ハーデン)、Victor Oladipo(ビクター・オラディポ)、Rudy Gobert(ルディ・ゴベア)、Donovan Mitchell(ドノバン・ミッチェル)を1選手に詰め込んだような超人的活躍である。

1992年:ファンがもたらした一夜の“マジック”

1991年11月、全世界に衝撃が走る。レイカーズのMagic Johnson(マジック・ジョンソン)が自身のHIV感染とNBAからの引退を発表。1991-92シーズン開幕直前の引退発表だったため、オールスターのファン投票用紙(当時はインターネット投票が導入されていない)にはMagicの名前が記載されたままとなり、結果Magicは両カンファレンスを通じて最多の票数を得る。同シーズンは1試合も出場していなかったが、ウエストの先発としてオールスター戦に出場。Magicの代名詞であるノールックパスやフックシュートなどブランクを感じさせない華麗なプレーを次々と披露。相手チームのJordanや長年のライバルであったIsiah Thomas(アイザイア・トーマス)との1対1は未来永劫語り継がれる名シーンとして色褪せないであろう。今試合で25得点、9アシストを記録したMagicは見事MVPに輝き、有終の美を飾った。ちなみにこの後もMagicは、初代ドリームチームの一員として1992年のバルセロナ五輪で金メダルを獲得。1995-96シーズン終盤には36歳にして現役復帰、計36試合に出場し、平均14.6点、5.7リバウンド、6.9アシストを記録している。

2001年:不屈の男アイバーソンの勝利への執念が生んだ奇跡の大逆転劇

2001年は、オールスター史上最も白熱した大試合としてバスケファンの記憶に刻まれている。この試合、前半からKobe Bryant(コービー・ブライアント)やTim Duncan(ティム・ダンカン)、Chris Webber(クリス・ウェバー)らを擁するウエストが大量リードを奪う。第4クォーター残り約9分時点で、最大21点差まで広がり、試合は終わったかに思えたが、実はここからが奇跡の幕開けであった。まるで某バスケ漫画の名台詞のように諦めの悪い炎の男、Allen Iverson(アレン・アイバーソン)を筆頭に、Dikembe Mutombo(ディケンベ・ムトンボ)、Stephon Marbury(ステフォン・マーブリー)に率いられたイーストが猛攻を仕掛ける。Iversonは25得点中15点を第4クォーターに記録。残り1分30秒時点で、Iversonのフリースローによりイーストが1点のリードを得る。しかし、既にNBA屈指の勝負強さを見せていたKobeが2連続でシュートを沈め再逆転、ウエストが再び3点のリードを奪う。ここからは後に中国プロリーグのレジェンドとなる異端児・Marburyの長距離砲が火を吹く。残り約53秒、3ポイントシュートをねじ込み108-108の同点に持ち込む。負けじとKobeが三度ジャンパーを沈めるも、波に乗るMarburyがステップバックから、またも3ポイントシュートで応戦。1点差を得たイーストが残り時間28.4秒を守り切り、111-110で試合を制す。オールスター史上に残る大逆転劇の先導したIversonが自身初となるMVPを受賞。前年までのオールスターは試合結果に固執することは少なく、こういった闘志むき出しのやり合いが繰り広げれることは稀であったが、この年を境にプレイオフさながらの真剣勝負がオールスターの見所のひとつとなった。そして、このオールスターの後、Iversonと息のあったプレーを見せたMutomboがフィラデルフィア・76ersへトレードされ、NBAファイナルでKobeとShaquille O’neal(シャキール・オニール)が率いるレイカーズと再び激突することとなる。

2003年:神様が次世代へバトンを託す、世界が涙したMJのラストダンス

2003年のオールスターは、あらかじめ特別な一夜になると一種の緊迫感を持って迎えられた。というのも、この年は2001-02シーズンに2度目の復帰を果たしたMichael Jordanにとって最後のオールスター。これまでに引退しては現役復帰を繰り返していたMJも既に39歳を迎え、本当にこれが最終章となることは誰の目にも明らかだった。ファン投票でJordanは当時人気絶頂のTracy McGrady(トレイシー・マグレディ)とIversonに次ぐガード部門第3位に止まり、ベンチスタートになる予定であったが、フォワード部門でファン投票1位となったVince Carter(ビンス・カーター)がノースカロライナ大の先輩であるJordanにスターターの座を譲る計らいを見せる。またハーフタイムのショーは完全にJordanに捧げる演出となり、数々の名シーンが映し出されるなか、23番のドレスを着用したMariah Carey(マライア・キャリー)が名曲“Hero”を熱唱。この熱烈な歓迎に感極まったJordanが涙する場面も。大歓声のなか壇上に登場したJordanは「MagicやBirdから受け継いだバトンを今度は若い世代に引き継ぐ番」と全世界のバスケファンに語りかけた。肝心の試合はというとリードが絶えず入れ替わる手に汗握る大接戦。そして試合は48分間で決着が付かず延長へと突入。延長戦でも付かず離れずの展開のなか、最終局面で“持っている男”Jordanが幾度となく試合を決定付けてきた十八番のフェイドアウェイシュートを放つ。美しい弧を描いたジャンパーはネットを潜り、残り4.8秒でイーストが138-136とリードを奪う。誰もがJordanの有終の美を信じたその時、イーストのJermaine O’Neal(ジャーメイン・オニール)が痛恨のファウルを犯し、Kobeにフリースローが与えられることに。1本を外したものの試合はオールスター史上初となる2度目の延長に突入。イーストにこれ以上の奇跡はなく、最後はKevin Garnett(ケビン・ガーネット)の活躍により、西軍が東軍を下した。MJ最後のシュートで幕を閉じるべきだったこの試合。そうならなかったのは、ハーフタイムでの言葉にあった通り、次世代へバトンを受け渡すべく、“バスケの神”自らの意思だったのかもしれない。

2009年:シャックとコービー、NBA史上最強のタッグが一夜限りの再結成

レイカーズを3連覇に導いたShaquille O’nealことShaq(シャック)とKobe Bryantといえば、JordanとScottie Pippen(スコッティ・ピッペン)に並びNBA史上に残る最強タッグとして記憶されるが、同時に犬猿の仲としても有名である。現在ではお互い歳を重ね和解している両者であるが、レイカーズ時代は激しいエゴのぶつかり合いから年々関係が悪化し、2004年のNBAファイナル惨敗後にShaqがマイアミ・ヒートへ移籍。それぞれ別の道を歩むこととなる。そして2007-08シーズンに西カンファレンスのフェニックス・サンズへトレードされたShaqはオールスターにて約5年ぶりにBryantとチームメイトに。キャリア終盤に差し掛かり、この年が最後のオールスターになると自覚していたShaqは、選手紹介でのキレッキレのダンスや、華麗なドリブル捌きから相手チーム選手の股を通してダンクを披露するなどファンサービスを終始欠かさなかった。試合はお祭り男のKobeが27得点、ベンチから出場のShaqが要所要所で活躍し、わずか11分足らずの出場ながら17得点をあげる。西軍が146-119で東軍を圧倒し、ShaqとKobeがダブルMVPを獲得。試合後の記者会見でShaqは「まるで昔のようだったよ、あの頃が懐かしいね。彼は俺を探してくれたよ、特にピック&ロールをする時にね」とレイカーズでの日々に思いを馳せた。ちなみにこの年はIversonにとっても最後のオールスター出場(翌年も選出されているが試合は欠場)となり、時代の転機だったといえるだろう。

2016年:コービー伝説の幕引き、盟友レブロンとの最終バトル

2015-16シーズン限りでの引退を表明していたKobe Bryant。1度もオールスターに選ばれることなく現役生活を終える選手が圧倒的に多いなか、キャリア20年のKobeは、歴代2位となる18回ものオールスター選出(ルーキーシーズンとロックアウトのシーズンを除く全て年で選ばれている)という偉業を達成している。そんな伝説的選手の引退シーズンに開催された球宴は、上記のMJ最後のオールスター戦のように、Kobeに捧げる内容となった。ティップオフ前には異例となるKobeのトリビュート映像が会場に映し出され、レイカーズの大先輩であるMagicやKobe本人のスピーチを挟んで試合開始となった。出場選手皆がBryantに敬意を表しながらプレー。なかでもレイカーズで苦楽を共にした元チームメイトのPau Gasol(パウ・ガソル)や、年の差はあれどお互い切磋琢磨しNBAを盛り上げてきたLeBronとの1on1は、微笑ましくも切ない思いで見ていたファンも多いことであろう。肝心の試合は稀に見るスコアリング合戦。イーストのPaul George(ポール・ジョージ)がWilt Chamberlain(ウィルト・チェンバレン)の持つ記録にあと1点と迫る41得点を記録したものの、西軍が1試合におけるオールスター得点記録を塗り替える196-173で東軍を下す。ちなみにそのChamberlainの記録は翌年に52得点を上げたAnthony Davis(アンソニー・デイビス)が塗り替えている。MVPは31得点を記録し勝利に貢献したRussell Westbrook(ラッセル・ウェストブルック)が2年連続で受賞。主役のKobeは若手に活躍の場を譲るような形で10得点、6リバウンド、7アシストという控えめな結果に終わる。この試合13得点を挙げたLeBronはKobeを抜きオールスターにおける歴代得点ランキング1位に浮上。Jordanから受け継いだバトンをしっかりと次世代に託し、Kobeは夢の舞台から降りていった。

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Jamie Squire/Getty Images
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