Interviews:マーティン ローズが語るコラボレーションにおけるバランスや時代時代を反映するファッションの変遷について

自らの名を冠したブランドやコラボライン〈NAPAPIJRI MARTINE ROSE〉を手がける注目デザイナーを直撃

ファッション
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先日、イギリス・ロンドンを拠点に活動するデザイナー Martine Rose(マーティン・ローズ)が初来日を果たした。メンズウェア・ブランドを手がける数少ない女性デザイナーであるMartineは、2007年にシャツレーベルとしてキャリアをスタートし、2010年9月のロンドン・ファションウィークにてインスタレーション形式のコレクションを発表。その後、2012年秋冬シーズンには、ロンドンをベースに活動する若手デザイナー育成を目的としたプログラム“NewGen”アワードを受賞、同時に初となるランウェイショーを開催した。ヒップホップに代表される1990年代初頭のユースカルチャーをインスピレーション源としたオーバーサイズのアイテムが特徴的な〈Martine Rose〉。メンズウェアのベーシックなアイテムを大胆に再構築したピースが幅広い支持を得ている。

今回の初来日では、2017年より展開されているイタリアのプレミアムカジュアルウェアブランド〈Napapijri(ナパピリ)〉とのコラボレートライン〈Napa by Martine Rose(ナパ バイ マーティン ローズ)〉改め〈NAPAPIJRI MARTINE ROSE(ナパピリ マーティン ローズ)〉のプロモーションを兼ねて東京各所を巡ったMartineクルー。わずか数日間の滞在ではあったものの、ブランドを取り扱う店舗に赴き、販売スタッフへ向けたクリニックや『GR8(グレイト)』でのポップアップなどを実施。そんな分刻みの来日スケジュールの合間を縫って、Martineは我々『HYPEBEAST』のインタビューに応じてくれた。

デザイナーとして、クラブシーンから影響を受けましたか?

もちろんよ。ずっとサブカルチャーが好きだし。ファッション云々ではなく、単純に洋服が好きだったんだと思う。「なぜその服を着ているのか?」「その服で何を表現したいのか?」も気になるポイントだったわ。クラブって、人々が最も自己表現する場所だと思うの。無意識に、自分がどんなシーンに属しているのかをアピールしているじゃない。踊るだけじゃないのよね。だから答えはイエス。たくさんの影響を受けたわ。

2014年の秋冬コレクションには、ナイトクラブのフライヤーをプリントしたアイテムがありました。また、今季のキャンペーンで使われているイメージのいくつかは、古き良きガレージクラブのフライヤーからインスパイアされていると言っていましたよね?あなたにとって、そういったフライヤーの重要性は何でしょうか?

ローマで撮影したNAPAPIJRI MARTINE ROSEのキャンペーンフォトは、確かにガレージクラブのフライヤーを彷彿とさせるかもしれないわね。クラブのフライヤーはとても重要なものよ。以前はフライヤーを集めていたくらいだから。どのクラブへ行って、どんな音楽を聴いたのか、その記録みたいなものだったわね。シーンを象徴するものだし、何よりアートワークが素晴らしい。だから、2014年の秋冬コレクションでSteve Terry(スティーブ・テリー)とコラボレートしたのよ。彼は驚くほど多くのアーカイブを所有しているの。14歳のときのボーイフレンドは、ドアはもちろん天井までをフライヤーで埋め尽くしていたわ。小さい部屋だったけど、かなり強烈だったのは覚えている。ドアを閉めたらなおさらよ。信じがたい光景だったけど、とにかく大好きだったの。

Napapijriとはどういう関係ですか?コラボすることになったきっかけなどを教えてください。

SLAM JAM(スラムジャム)を通じて知り合ったのよ。SLAM JAMとは古い付き合いで、創業者のLuca Benini(ルカ・ベニーニ)は2つのブランドが生み出す相乗効果みたいのを感じ取ったみたいなの。最初はNapapijriのことを知らなくて。実際向こうの人たちに会う前にいろいろリサーチして、実際に会ってアーカイブを見せてもらったとき「コラボレーションできるなんて最高!」って思ったわ。

デザインにおけるご自身の感覚とNapapijriのブランドイメージのバランスついて、あなたの考え方を教えてもらえますか?

Napapijriはメインアイテムを据えてからコレクションを作り上げていくスタイルだから、コラボレーションに関しても同じようなプロセスを取ったの。比較的やりやすかったわ。逆に自分のコレクションでは、そういったプロセスは取らない。もちろん似た部分もあるわよ。私はひとりの人間だからね。コラボレーションに関して言えば、Napapijriの築き上げてきた伝統に私なりのテイストを加えたって感じかしら。アーカイブをもとに事前にNapapijriのDNAを勉強しておいたから、通常ラインとコラボレーションの差別化は簡単だったわ。

このコレクションをデザインするうえで、最も難しかったことは何ですか?

いつも課題は同じよ。やっぱりバランス。コラボレーションのときは、常に自分に問いかけるの、「双方にとってプラスにならないといけない」ってね。それが相乗効果でしょ。コラボレーションにおけるバランスはデリケートなのよ。

過去のNapapijriとのコラボレーションで、最も気に入っているコレクションはいつのものですか?

おそらく1回目のコレクションね。何もかもか新鮮だったから。どんな反応かも想像できなかったし。何もないところから始まって、新しいコラボレーションが誕生して、結果的にも大成功だった。超エキサイティングよね。もちろん、コレクションごとにお気に入りのアイテムはあるわ。でも、純粋な目新しさや驚き、興奮を考えたら、やっぱり一番おもしろかったのは最初のコレクションよね。

GR8とのプロジェクト/ポップアップで、一番興奮したのはどのようなところですか?

GR8は、最も古い卸し先の1つなのよ。だからこそ、彼らと一緒に何かをできるって最高なこと。昔からそうだけど、彼らと何かをできるってとても光栄よ。私のことをずっとサポートしてくれているし。おかげで初めて日本に来ることもできたし。実際にお店へ行けて感激だったわ。彼らの歩みにも触れることができたし、ポップアップも見ることができたしね。

1980年代後半から90年代に比べて、今のファッションは変わったと言う人がたくさんいます。何かを深くディグする、サブカルチャーについて学ぶ、そういった行動において、以前の方が今以上の時間と労力を要したのは事実です。現代に比べて、情報へのアクセス方法が限られていたからです。その大きな要因がSNSやインターネットですが、ファッションとそれらについてどう考えていますか?

確かに今と当時じゃ全然違うわね。でもファッションも生き物だから、その時代時代を反映するものだと思うの。インターネットが普及する前は、サブカルチャーやシーンを見つけるのってすごいエキサイティングだった。だって、今より一生懸命にならないとだったし、何より自分で行動しないといけなかったから。サブカルチャーってアンダーグラウンドで育まれるものだけど、現代には当時と同じアンダーグラウンドはないわよね。何だって見れちゃうから。だからカルチャーの生まれ方も違う。昔は、一部の写真家が撮った写真を見るか、もしくは自分自身の目でみるしかなかったけど、今はまったく違うわ。でも、どちらがいいとか悪いとかじゃないの。情報交換の方法が劇的に増えたってことよね。よりシェアしやすいという点では、属すべきシーンを見つけるのも簡単だし、よりつながっていると感じることも多いの。何かに参加することは劇的に簡単になったわ。ただ、昔とは違うってだけ。非常に興味深いことよ。

クリエイティブでい続けるために必要なことは?
 
特に何もする必要はないと思っているわ。腕や脚みたいなものよ。つまり、クリエイティビティも私の一部なのよ。どうやってオフにするのかわからないわ。

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Hikaru Kagurazaka
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