Interviews:Cherry Los Angeles の2人が語る Girls Don’t Cry コラボの背景やブランドのインスピレーション源について

VERDYからデニス・ロッドマンまで〈Cherry Los Angeles〉共同オーナーのデイビッドとジョセフが紐解くブランドの軌跡

ファッション 
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VERDY(ヴェルディ)主催による“VERDY HARAJUKU DAY”のコラボレーターに名を連ねていた〈Cherry Los Angeles(チェリー ロサンゼルス)〉は、幼馴染みのDavid Levy(デイビッド・レビー)とJoseph Perez(ジョセフ・ペレス)が2017年に設立した新鋭ブランド。誕生からわずか2年ほどであるが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで支持基盤を全世界に広げつつある。2019年4月に開催された『UNITED ARROWS & SONS(ユナイテッドアローズ アンド サンズ)』でのポップアップで日本初上陸。取り扱い店舗が少なく、公式オンラインストアでも即完してまうことから、これまで欲しくても手に入れることのできなかった感度の高い多くのファッション通が列をなした。そして、そこから約半年経った10月中旬〈Cherry Los Angeles〉の共同オーナーの2人が再び東京の地に舞い降りた。前述の“VERDY HARAJUKU DAY”の一環として、『UA & SONS』を舞台に〈Girls Don’t Cry(ガールズ ドント クライ)〉とのコラボコレクションをローンチ。我々『HYPEBEAST』では、『UNITED ARROWS』の協力のもと、来日中のDavidとJosephの2人にインタビューを敢行した。ブランド設立の背景、VERDYや小木“Poggy”基史との出会いまでを語ってもらった。

Cherry Los Angelesを立ち上げた経緯を教えてください

David(以下、D):Cherryを立ち上げたのが約2年前。俺とJosephはもう22年の仲で、一緒に育ったようなものなんだ。ずっとスケートボードやグラフィティ、車が好きだったね。2人とも親が服飾関係の仕事をしていたってのもあって、小さい頃から身近なところに工場があった。夏になると、LAのダウンタウンにある工場で親の手伝いをしていたくらいさ。洋服を作りたいと思うようになったのも自然の流れだったのかもね。その後、タイミングを見て2人でCherry Los Angelesを立ち上げたわけ。「今の仕事を辞めて冒険しようぜ。ブランドを始めよう!」ってね。

2人はいくつですか?

Joseph(以下、J):俺は26歳で、Davidが28歳。彼はモントリオールから越してきて、俺はパリから越してきたんだ。俺たちの両親はフランス人で、親同士が仲良かったんだよね。ファッションを通じてかな? 俺の父さんはフランスで洋服を作っていたんだ。一方の母さんはアメリカで服飾関係の仕事をしてた。デイビッドの親はカナダのモントリオールで復職関係の仕事をしていて、その後LAに越してきたってわけ。

Cherryという言葉はどこから来たのですか?

D:自分たちのことや自分たちのクリエイティビティを表現できる言葉を探していたんだ。似たようなバックグラウンドを持っているけど、考え方の異なる2人を表すのにチェリー(さくらんぼ)はピッタリだと思ったんだよね。
J:1対のチェリーが俺たちのロゴさ。1点で繋がっているけど、2つは別物っていうね。それをプロダクトでも表現しようとしているよ。
D:2つの異なる側面があるってこと。挑発的な一面とかわいらしい一面というか。もしくはストリートとハイエンドとかね。どちらも人としての俺たちをはじめ、クリエイティビティやブランドを表しているんだ。今後もプロダクトを通して説明していくつもりだよ。

コレクションを作る上でのインスピレーション源を教えてもらえますか?

D:LAだね。でも何事もインスピレーションになる可能性はある。スケートボードやグラフィティ、車が大好きなんだ。
J:少年時代をミックスしたようなものかもね。成長していく過程で接してきた様々なものから刺激を得ているよ。
D:俺たちが懐かしく感じるようなものをモチーフにすることが多いんだ。1990年代や2000年代とか、自分たちが大好きだった時代のものをね。結局は最高の洋服を作ることに尽きるんだけど、少年時代の思い出からインスピレーションを得ることが多いかも。LAでの生活や自分たちのバックグラウンドとか。Cherryは、それらを見せるうえで最高のアウトプットなんだ。

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VERDYさんとはHYPEFESTで初めて会ったと聞きましたが

J:うん、HYPEFESTで会ったよ。
D:共通の友達がたくさんいるからね。彼のビジネスパートナー Paulo(パウロ)はLAに住んでいるし。そもそもHYPEFESTでのブースが隣同士で、Pauloが紹介してくれたんだ。Pauloとは共通の友達が何人もいたから。俺たちはGirls Don’t Cry(ガールズドントクライ)のファンだし、VERDYはCherryのファンだったから。LAに戻ってから、彼らをスタジオに招待したよ。そこからどんどん仲良くなっていった感じだね。2月に、彼らがNike SB(ナイキ SB)とのコラボを大阪限定でリリースしたとき、今度は俺たちのことを招待してくれた。初めての日本さ。以降、東京に行くたびにいろいろヘルプしてくれる。VERDYもPauloも最高の友達さ。
J:(HYPEBEASTのファウンダー)Kevin Ma(ケビン・マ)にもシャウトアウトしないとね。HYPEFESTなしには彼らとリンクできなかったから。

Kevinとはいつ知り合ったのですか?

J:知り合ったのは数年前かな。親友のArthur Kar(アルチュール・カー)を通じて出会ったんだ。彼の手がけるL’Art De L’Automobile(ラート ド ロートモービル)がLAでやったポップアップでだったかな。

Girls Don’t Cryのコラボはどのように製作されたのですか?

D:俺たちはVERDYのアートが大好きだし、彼も俺たちが作る洋服のファンなんだ。だから今回のコラボレーションでは、彼のアートを俺たちの洋服に乗せた。ウォッシュもボディもスペシャルなものさ。ゼロから作ったよ。双方にとって最高のコラボになったと思うよ。

UNITED ARROWS & SONSのフォトブースを使ったインスタレーションにはどういう意味があったのですか?

J:ルック撮影では、いろいろなコンセプトを試したんだ。それでいてポップアップの世界観とも関連するものをね。
D:VERDYが奥さんのためにGirls Don’t Cryを作ったように、何かかわいらしくてロマンチックな撮影にしたかったんだ。だから、ノスタルジックな雰囲気のあるフォトブースでルック撮影することにしたんだよね。子供の頃、よくフォトブースで写真を撮っていたし。ロケーションはLAのバーで、ポップアップにもフォトブースを設置したよ。いつも撮影とポップアップはリンクさせるようにしているんだ。2次元として写真があって、ポップアップでその世界観をフルで感じてもらう。とにかく雰囲気を大事にしているよ。

今回のリリースではすごい人が詰めかけたけど、前回のポップアップでもたくさんの人が並んでいましたね。このような結果は予想できました?

J:全くできなかったね。
D:東京に来るのすら2回目なのに、どうなるかまったく予想できなかったよ。東京は夢の街だし、人が並び始めてのを見て感謝しかなかった。ファンの基盤もあるのかすらわからなかったし、最高の結果になったね。Girls Don’t Cryとのコラボ発売日はクレイジーだったよ。

Poggyさんとはどのようにして知り合ったのですか?

J:VERDYとPauloを通じてさ。
D:たくさんのショップが俺たちのブランドを取り扱いたいってコンタクトを取ってきたんだけど、実際に足を運んでショップを見ないことにはね。そういったリサーチなしに、ただアイテムを卸すってやり方は嫌なんだ。
J:100軒ほどのショップを見て回ったんだけど、UNITED ARROWS & SONSが一番ナイスでまとまっていたよ。
D:パーフェクトにフィットすると思ったんだ。VERDYはPoggyとも仲が良いし、一緒にコーヒーを飲んだとき、すでに俺らのブランドのことも知ってくれていたし。彼はOGだから、昔からいろんなメディアで見かけていたよ。彼に認めてもらったのは、俺たちにとって大きな1歩さ。信じられなかったね。

尊敬しているデザイナーはいますか?

J:いろんなタイプのデザイナーを尊敬しているよ。たくさんいるね。
D:Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)からDickies(ディッキーズ)まで、別に“個人”である必要はないんだ。いろんなところからインスピレーションを得ているよ。

Dennis Rodman(デニス・ロッドマン)のTシャツ作っていましたけど、Rodman本人も着てましたよね!?

J:あれはクレイジーだったね! 彼をモチーフにしたTシャツは数パターン作ったんだ。
D:子供の頃からDennis Rodmanが大好きさ。やっぱり人とは違うからね。周囲と異なる角度から物事を捉えるモチベーションになるんだ。彼は悪童的なバスケットボールプレイヤーだったけど、決してそれだけじゃないんだ。ディフェンスとリバウンドがピカイチのプレイヤーでもあった。そういった二面性って、俺たちのブランドにもマッチするのさ。彼自身があのTシャツを着てくれたのは驚きだね。Instgramの写真にいいねをくれたから、DMを送って、彼は身体が大きいからカスタムしたものをプレゼントしたんだ。

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Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)らセレブリティもCherryをよく着ているけど、元々は彼らのスタイリストと知り合いだったのですか?

D:まずは身近な人たちに着てもらいたいと思っているんだ。他のブランドみたいに、セレブに着てもらうために配ったりはしないよ。日常的にスタイリストに貸し出したりもしない。彼らが友人なら別だけどね。できるだけタイトなコミュニティを維持したいんだよ。もし誰かが着ているとしたら、俺たちが個人的にコネクションを持っている場合が多いね。俺たちがぜひ着てもらいたい人たちだから。

次のプロジェクトを教えてくれますか?

J:秋冬コレクションをリリースするよ。あと、大きなドロップもいくつか予定している。
D:コラボレーションもいくつかあるよ。全てのコレクションで、メーカーとして成長していきたいんだ。次のコレクションでは、ブランドの成長を見ることができると思うよ。より複雑なグラフィックやより良いファブリック、新しいボディとかね。
J:日々成長しているんだ。限れられた時間のなかで成長する。俺たちにとって洋服は欠かせないもの。ブランドをやっているわけだから、次のプロジェクト=次のコレクションなんだ。

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