2015年のパリ同時多発テロ現場に描かれた Banksy の作品が何者かによって盗まれる
2018年6月に突如姿を現した金属製非常口ドアに描かれた女性をモチーフとした作品
2015年11月の金曜日の夜、フランス・パリの街中で起こった“パリ同時多発テロ事件”。1時間の間に計7カ所で発生したテロによって約130人もの人々の命が奪われた凄惨な事件だが、今回その約130人もの犠牲者のうち約90人もの人々の命が奪われた現場である同市中心部の『バタクラン劇場』から、覆面芸術家Banksy(バンクシー)が描いたとされる壁画が盗まれた。
オークション会場での“絵画シュレッダー細断事件”で世界中の注目を掻っ攫ったことも記憶に新しいBanskyだが、今回盗難被害にあった作品が発見されたのは2018年6月(ちなみにこの時期、パリの街ではBanksyによるものと思われる作品が複数発見されている)。『バタクラン劇場』の金属製の非常口ドアの外側部分に描かれたその作品はベールを被って悲しげな表情で俯く女性の姿が描かれており、2015年11月のパリ同時多発テロ事件を追悼する意味が込められ、その事実を風化させないために描かれたものだと思われる。報じられている仏捜査関係者の話では、1月25日夜から26日未明(ともに現地時間)にかけ、複数の人物が大掛かりな電動工具を用いて金属製の扉を切断、トラックに積んで消え去ったとのこと。劇場側はSNS上にて深い憤りと悲しみを表明した。
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L’œuvre de @originaIbanksy hommage aux victimes du 13/11 a été volée. pic.twitter.com/FMHoobzRXm
— Bataclan (@bataclan_) 2019年1月26日