『テラスハウス』への出演で火がついたイットガールが語るアーティスト活動とモデル業の両立 Pen & Paper:ローレン・サイ
『テラスハウス』への出演で火がついたイットガールが語るアーティスト活動とモデル業の両立 Pen & Paper:ローレン・サイ
Pen & Paper:Lauren Tsai
『テラスハウス』への出演で火がついたイットガールが語るアーティスト活動とモデル業の両立
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「私はモデルを始める前からLaurenです。絵を描くことが大好きな女の子、それがLaurenなんです」、そう語るのは、人気リアリティ番組『テラスハウス』の元メンバーとしても広く知られる20歳のアーティスト/モデル、Lauren Tsai(ローレン・サイ)である。ファッションショーなどでモデル業をこなす一方、iPadやスケッチブックに独特な世界観のイラストを描く彼女。約4ヶ月にわたってテレビに出演している間でも、アートに費やす時間はたくさんあったと彼女は振り返る。

『テラスハウス』を卒業後、彼女はアーティスト活動とモデル業に専念するため、東京への移住を決める。以降、〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉や『URBAN RESEARCH(アーバン リサーチ)』などとコラボレートし、最近ではメイクアップブランド〈Shu Uemura(シュウ ウエムラ)〉のアンバサダーにも就任した。なかでも、「Starbucks(スターバックス)」の表参道B-SIDE店をジャックしたクリスマス企画は、今なお多くの人の記憶に残っているのではないだろうか。

今回のインタビューでは、このマサチューセッツ生まれの才能に、アーティスト活動とモデル業の両立や『テラスハウス』後の生活、今後のプロジェクトなどについて話しを伺った。エクスクルーシブなインタビューはもちろん、取材時のオフショットやニューヨークシティのデリ『Regina’s Grocery』に飾られているアーカイブ作品もご覧いただきたい。

アートは最高のストレス解消方法いつ頃からアートに興味を持ち始めたんですか?

生まれたときからですね。実際は5歳くらいからの記憶しかないんだけど、母が言うには2歳頃から絵を描くのが大好きだったみたいです。小さいとき、よくベッドから抜け出してクレヨンで絵を描いていましたね。

忙しいスケジュールのなか、どうやって絵を描く時間を見つけているんですか?

私はモデルを始める前から私が知るLaurenだったと感じています。絵を描くことが大好きな女の子、それがLaurenなんです。仕事の移動時間でも忙しい日でも、いつだって絵を描く時間は確保するようにしています。アートは私にとって、最高のストレス解消方法なんです。それに、新しいものを生み出すことで満たされる自分がいます。どんなに忙しくても、決して欠かすことのできないことなんです。

『テラスハウス』に出演していたときはどのように時間を確保していたんですか?

シェアしていた家は、よく知っているエリアにあったからラッキーでしたね。ハワイには11年か12年くらい住んでましたから。実は『テラスハウス』に出ているときも自由な時間はたくさんあったんです。高校はすでに卒業していて、バイトもしていたんですけど、長続きしなくて……。だから、自由な時間はいっぱいありましたね。人生に向き合わなくちゃいけない時期でもあったし、真剣にアートの勉強をするため美術学校へ行くか、このままハワイに残るか、自分自身に問いかけたりもしました。

『テラスハウス』は、本当にやりたいことを自問自答する時間とキッカケを与えてくれました。何が正しくて何が間違っているのか、周りの人たちが喜んでくれるか、みんなをハッピーにできるのか、そんなことを考えていましたね。結果、東京に引っ越してアートとモデルを頑張るという結論に至りました。『テラスハウス』出演時も自由な時間を有効活用して、ハワイのカフェで個展を開くこともできました。私の作品をたくさんの人に見てもらったのは初めてのことでしたから、今振り返っても本当に素晴らしい経験でしたね。

モデル業で得た経験もアートにいい影響を与えています最終的にはフルタイムでアートに専念するつもりなのでしょうか?

モデル業が忙しくなり過ぎるのは理想的じゃないですね。だけど、モデルを通して自分自身の新たな一面を発見できたのも事実です。私は裏方向きだと思っていたし、そうなるつもりでした。ずっとアニメやコンセプチュアルアートの制作をしたかったから、静かな暮らしばかりを想像していたんです。でも、常にとは言わないまでも、モデルはモデルらしく振る舞う必要があるし、モデルであるときにはそういった心構えも必要だと思うんです。

何より、たくさんの時間をアートに費やすことはとても大切なのことです。アートとは何かを生み出すことであって、1日も欠かすことなく己を磨かないとダメなんです。自分に足りないところを明確にして、さらに腕を磨かないといけません。でも、モデル業で得た経験もアートにいい影響を与えています。今はアーティスト活動とモデル業がいい感じで上手くいっている感じですね。ただ、この先もずっと続けていきたいのはアートに違いありません。アートは私の情熱そのものなんです。

アートに関しては、どんなものから影響を受けているんですか?

小さいときは、アニメに夢中でしたね。「スタジオジブリ」の映画やアニメ全般が大好きでした。私のアートにかなりの影響を与えているのは間違いありません。子供のときに好きだった音楽や映画って、大人になっても変わらず好きじゃないですか。常に色々なインスピレーションをもたらしてくれるんです。

「スタジオジブリ」の映画で特に好きなものは?

間違いなく『ハウルの動く城』ですね。ごく平凡な生活を送っていた普通の女の子が、ひょんなことから別世界に行ってしまうというストーリーが大好きなんです。あの頃は、私自身も孤独な時期でした。だからこそ、主人公に感情移入できたのかもしれないですね。いつも彼女みたいな冒険を思い描いては空想にふけっていました。

あなたの作品で、繰り返し登場するキャラクターなどはいますか?

オオカミとドラゴンのキャラクターはよく出てくるかもしれないですね。なぜかはわからないんですが。同じような見た目の女の子も出てきますね。「これはあなたですか?」と聞かれることがあるんだけど、正直わからないんです。もしかしたら私かもしれないし、そうじゃないかもしれない。潜在意識のなかにいる私が、現実世界の私を描いているのかもしれません。でも、意図的でないことは確か。ひとつ言えるのは、そういったキャラクターを描くことはすごく楽しいですね。これからも彼らや彼女たちを描き続けると思います。

他人と比べることで自分自身を見失うのはもったいない

複数のキャリアを築こうとしているクリエイティブ系の人たちへ、何かアドバイスはありますか?

まず、技術的なことはとても重要です。自分の腕を磨くこと、そのために努力すること、これらは決して避けて通ることはできないことだと思います。あと、自分自身の内面にあるものを表現するのがアートだということを忘れないでほしいですね。その意識さえしっかりしていれば、他人の意見なんて気にする必要もないし、他と比べてクヨクヨすることもないはずです。

私も有名なアーティストと自分を比べちゃうことがあります。「この人は18歳でこれを描いたんだ」とか、「20歳でこんなことができちゃうんだ」とか、「あの人がやったコラボレーションすごいな」とか。でも、こんな風に考えることって、本当に作りたいものを忘れさせてしまうだけだと思うんです。だから、他人と比べることで自分自身を見失うのはもったいない。競い合うことは良いことだけど、自分が生み出すものって、結局自分にしかできないことですから。

技術的なことに関しては、何か学びたいことはありますか?

中学生のとき、何度かワシントン州のレッドモンドで夏休みを過ごしたことがあるんです。3Dアニメーションのクラスを受講していたんですが、アニメーションを作るためにあれほどコンピューターと向き合ったことはなかったし、とても素晴らしい経験になりました。30秒くらいのアニメーションを作るだけでもすごい時間がかかるんですよ。またアニメーションの制作現場には行きたいなと思っています。モデルやファッションの世界では色々な人に出会えるし、たくさんのインスピレーションを得ることができます。でも、やっぱり自分と同じ趣味の人たちに囲まれた環境は格別ですね。

最後に、今後のプロジェクトについても少し聞かせてください。

アートブックを出したいと思っています。あとはいくつか秘密のプロジェクトもありますよ。ネットでは「もっと制作活動するべきだ」なんて意見も目にするけど、まぁ確かにInstagramを見ていたらそう思うかもしれないですね。でも、約束します。今は見せられないってだけなんです!

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Hikaru Kagurazaka
フォトグラファー
Eddie Lee/Hypebeast
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