日本の現代美術の第二世代を代表する奈良美智の個展 “Ceramic Works and…”
『Pace Gallery』では独特な眼差しの少女で知られる奈良氏の新作立体作品やアクリル絵画を展示
去る3月末、奇しくも同時期に開催された「Art Basel Hong Kong 2018」にアート界の注目が集中したが、同じく香港の『Pace Gallery』にてスタートした奈良美智の”Ceramic Works and…”はスポットライトを分け合うべきエキシビションであろう。
村上隆と並び、日本を代表するアーティストとして認知される奈良氏にとって、世界各地にある『Pace Gallery』での個展は今回で4度目となる。本エキシビションの主役は、同氏のアイコンとしてお馴染みの少女のキャラクターを用いた12体のセラミックスカルプチャー(陶製彫刻)である。これらの作品は、日本六古窯のひとつとして数えられる滋賀県甲賀市信楽町にて制作された(奈良氏は2007年に信楽町の陶芸の森に滞在してから本格的に陶芸に取り組み始めている)。加えて、今回の個展のために準備された新しいペインティング作品もお披露目。奈良氏のペインティングは、アクリル絵の具を使い自身の望む効果を得られるまで顔料を加えては取り除きの繰り返しで1つ1つの作品を仕上げていくという。また、今年2月から3月にかけては『Kaikai Kiki Gallery』で個展“Drawings : 1988-2018 Last 30 years”を開催していた同アーティストだが、”Ceramic Works and…”には彼の創作の原点であるドローイング作品も併せて展示されている。
会期は5月12日(土)までなので、興味のある方は香港まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。
また、オークションに出品されることが決定したJean-Michel Basquiat(ジャン=ミシェル・バスキア)の絵画作品“Flexible”や、六本木『PERROTIN』で開催されていたKAWS(カウズ)のソロエキシビションなど、その他のアートニュースもお見逃しなく。
Yoshitomo Nara Ceramic Works and… @ Pace Gallery
住所:12/F H Queen’s 80 Queen’s Road Central Hong Kong
会期:2018年3月27日(火)~5月12日(土)
時間:11:00 – 19:00
休館日:日曜日、月曜日