Supreme が最新コレクションで展開する異端の芸術家 アンドレス・セラーノとのコラボピースが意味するものとは
“Blood and Semen”






先日そのラインアップとルックブックが遂に公開、今週末には日本国内の店舗における販売開始を控えるニューヨーク発のストリートウェア/スケートレーベル〈Supreme〉の2017年秋冬コレクション。今季はティーザー画像でもフィーチャーされていたアーティスト/スケーターのMark Gonzales(マーク・ゴンザレス)によるアートワークを用いたアイテムや1983年公開のアメリカ映画『スカーフェイス』とのコラボアイテム、予てより噂を呼んでいたNY生まれのラッパーNas(ナズ)のフォトTシャツなどが注目を集めているが、本ポストでは〈Supreme〉と同じくNY出身の孤高の芸術家、Andres Serrano(アンドレス・セラーノ)とのコラボピースにフォーカス。
今季〈Supreme〉とSerranoが手掛けた“Blood and Semen”という言葉をアイテム名に冠したコラボピースはフーディー2型、パンツ2型、キャップ2型、スケートデッキ1型の計7アイテム。どこかケミカルな印象を持たせるオレンジがかったマーブル柄のようなグラフィックが全体に落とし込まれており、一見しただけではそこに何が描かれているか全く分からないアイテムに仕上がっている。だが先に正解を言うと、実はこのアイテムたちに落とし込まれている柄は混ざりあった牛の“血”とSerrano自身の“精液”の写真なのである。
元薬物中毒者でドラッグディーラーだった過去も持つ芸術家Andres Serranoを一言で表すならばまさに“異端”。彼はこれまでに自分の尿で満たしたガラス容器の中に入れたキリストの十字架像を写した写真作品“Piss Christ”や、その過激さで知られる白人至上主義者団体「KKK」のメンバーたちのポートレートシリーズ“Klan Series”など、見る側の倫理観を試すかのような物議を醸す作品を発表してきた人物。そして今回〈Supreme〉がフィーチャーした作品“Blood and Semen Ⅲ”は、1990年にSerranoがアクリルシートに牛の血液と自身の精液を混ぜたものを挟み、それを撮影したものなのである。ちなみにこの作品“Blood and Semen Ⅲ”は言わずと知れたレジェンドヘヴィメタルバンドMetallica(メタリカ)が1996年にリリースしたアルバム『Load』のアルバムカバーとしても使用されている。
そしてMetallicaのアルバムカバーに使用されてから20年以上が経ったいま、今度は〈Supreme〉によりストリートシーンにおいて再び大きな注目を集めることとなったAndres Serranoによる“Blood and Semen”。そのエッジの効いた野蛮かつ凄艶なアイテムを乗りこなす自身のある方は是非購入を検討してみてはいかがだろうか。
〈Supreme〉最新コレクションのルックブック及び各カテゴリー毎に分けたアイテムの数々は、以下よりチェック。
- ルックブック
- アウターウェア
- トップス
- スウェット
- Tシャツ
- ヘッドウェア
- アクセサリー
- ボトムス
〈Supreme〉2017年秋冬コレクションのフルラインアップはブランドのオフィシャルWebサイトより。