Interviews: 世界を飛び回る Places+Faces が語る“TOKYO”と過去に出会った VIP とのストーリー
KanyeやPharrellといったビッグネームとの思い出を告白する一方で、CiesayがNIGO®より会いたいと思う日本人を明かす
一つのTumblrページから始まり、現在アパレル、マガジン、イベント、ビデオなど幅広い活動をするクリエイティブプロジェクト「Places+Faces」。フォトグラファー Ciesay(シーセイ)とSoulz(ソウルズ)が手がける同プロジェクトは、アンダーグラウンドシーンから確実にその知名度を上げてきており、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)からPlayboi Carti(プレイボーイ・カルティ)まで多くの著名アーティストをフィルムやマーチャンダイズでフィーチャーしている。絶えず成長を続ける彼らは記念すべき初のプリントマガジンを制作し、そこにはA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)、Frank Ocean(フランク・オーシャン)、Skepta(スケプタ)、Lil Yachty(リル・ヨッティ)といったビッグネームのリアルな姿を捉えたポートレートを収録。また、ガンビア、東京、ロンドン、パリなど、世界各国で撮影された写真の特集も含まれている。
「Places+Faces」の二人は去る2017年5月に東京を訪れ、海外では初となるポップアップを『Nubian 原宿』にて開催。ローンチ当日は猛暑にもかかわらず、多くのヘッズが彼らのアパレルやアクセサリーを手に入れべく、店頭に行列を作った。また、その夜に渋谷の『SOUND MUSEUM VISION』ではイベントが行われ、CiesayもDJネーム・AUX GOD(オークス・ゴッド)の名の下、会場でプレイ。また、ロンドンからはグライムシーンを牽引するGiggs(ギグス)が来日したほか、日本を代表するラッパー・KOHH(コー)、KANDYTOWN(キャンディタウン)のIO(イオ)もライブを披露し、会場は過去最大級とも言える熱狂の渦に巻き込まれた。
我々『HYPEBEAST』はそのクラブイベントの前に、CiesayとSoulzの二人を直撃し、インタビューを敢行。今回のプリントマガジンが完成に至るまで経緯や、日本が彼らに与えた影響など、興味深い話が続々と飛び出した赤裸々なインタビューを是非、以下からチェックしてみてほしい。
ー早速ですが、プリントマガジンのリアクションはどう?
Ciesay(以下、C):先週マガジンをリリースしたばかりで、まだ海外を周れていないんだ。でもロンドンのソーホーでのローンチは大盛況だったよ。通りの角までキッズたちが並んでいたと思うし、マガジンはほぼ売り切れだよ。最初は作りすぎちゃったかなと思ったんだけど、ソールドアウト状態。アジア、パリ、カナダにいくつか仕入れ業者があるんだ。他はどこだろう。もちろん東京だけど、ここは本をひっさげてツアーした2番目の場所なんだ。多くの人が気に入ってくれて、今後もプロジェクトを続ける自信をもらったよ。
ー今回のような雑誌をこれから定期的にリリースするの?
C:これは僕たちにとって初めてのマガジンで、反応がとても良いから半年ごとにやっていきたいと思う。「Places + Faces」を出版社として使っていきたいね。うまくいけば半年に一度出版して、それとコンセプチュアルブックのような小さな本もリリースしたいかな。東京での一ヶ月とか、色んなクラブでキスしている人たちを撮った写真とかを載せて、そんな思いつきのようなコンセプチュアルブックを作りたいね。
ー世界中で撮られた写真が本誌には使われてますが、どのくらいの頻度で旅をしているの?
Soulz(以下、S):ほぼ毎月だね。
C:1月から4月くらいの間、毎週飛行機に乗っている時があった。しょっちゅう旅してるよ。
S:できる限りね。
C:全ては経験だよ。
S:僕らが知らない他国のカルチャーをたくさん学んで、それを持って帰るんだ。
C:出会いは制作への意欲を駆り立ててくれるんだ。僕らがやりたいことをやり続けるための素晴らしいインスピレーションソースだよ。
ーもっともクレイジーだった場所はどこ? ガンビアでも撮影したと言ってたけど。
C:ガンビアはホームみたいなところだね。子供の頃、7年ほど住んでたんだ。その後、14歳の時にロンドンに戻った。それから17歳までは毎年クリスマスにガンビアに行っていたよ。ガンビアは楽しいところだよ。マガジンの中のガンビアの写真は、ほとんどクリスマスとニューイヤーの写真なんだ。みんなが出かける祭りみたいなものだからさ。200万人ほどの小さい国だから、みんな知り合いみたいだね。クリスマスはみんなが出かけて、クリスチャンだとかムスリムだとか、人種なんて関係ないんだ。みんなただ出かけて、ただ祝うのさ。人生の祝いみたいなものだね。ガンビアはクレイジーだけど、良い意味のクレイジーな楽しさだよ。あと、僕らは東欧にもたくさん行ってるんだよね。
S:先週、ポーランドのワルシャワでパーティをやって。あそこのシーンを見るのはおもしろかったな。
C:プラハやブラチスラヴァ(スロバキアの首都)にも行ったんだ。なんというか……強烈だった。すごい「うーん」っていう感じ。どう言葉にすれば良いかわからないけど、表現するなら「うーん」だね。良い意味で、だけどね。とても強烈だよ。この言葉だ、強烈。(笑)
ー心底驚かされた都市は?
C:どの街にも違う驚きが待っているよ。僕らは広義でカルチャーをドキュメントするのだけど、それがユースカルチャーとは限らない。ただ訪れる場所をドキュメントしたいんだ。デュオとして世界中を旅して人に会う僕らのストーリーなんだ。色んな場所にいる僕らの知り合いに会うのすらね。一年前、パリでTravisと撮影したんだけど、東京で前回イベントをしたときはA$AP Bari、Ian、Theophilus Londonがいたんだ。それぞれ違う国を拠点としている人たちが、全く違う別の都市で一緒になるんだよ。面白いよね。
S:想像できないほどとまではいかないけれど、東欧かな。ポーランドに行った時、街は壊れた建物でいっぱいだと思っていたんだ。『Call of Duty』(戦争ゲーム)ではウクライナとかの国が出てきて、外には女性とヤギが一緒にいたりするから、とても共産主義な街だと思ってたけど、実際とても発展して改修されていたんだ。だから、東欧は大きなサプライズだったね。戦争で少し荒廃していると思ってたんだけど、実際は良いところだったよ。
ーここ、東京ではどんなところに影響を受けた?
C:ただ東京にいるということが僕らにとってのインスピレーションだよ。小さい時アニメを観て育ったのもあるし、『キル・ビル』や『ロスト・イン・トランスレーション』といった映画で東京をいつも見ていたんだ。ネオンライトや東京の近代未来的アイデアはいつも興味深かったし、ずっと来てみたかった。「Places+Faces」を作って東京に招待された時、そのチャンスにすぐに乗っかったよ。ここに来るのは夢のようで、毎回来る度に違うし、僕らにとって新しい経験なんだ。東京は僕らのお気に入りの都市の一つだよ。この街のあり方や、若い時にいかに僕らの人生に影響を与えてくれたか。僕らが今ここでポップアップをやっていたり、ストリートの端までみんなが並んでくれたりっていうところまで。今やっていることをこれでいいんだって思わせてくれる。ただここにいるのが夢だったんだ。
ー業界のビッグネームたちと交流する機会も多いよね。撮影した最初のビッグネームは誰だったの?
C:A$AP Fergだね。彼とはエレベーターで会ったんだ。屋上で撮影をしていた時、エレベーターが開くとFergがいて、僕が「何してるんですか?」って聞くと、Fergは「ああ、スタジオにいくところ」って。で、僕が「行ってもいい?」って聞いたら、「いいよ」って言ってくれたんだ。彼とは知り合いではなかったんだけど、スタジオで少し写真を撮ったんだ。その時“Shabba”がリリースされた後で、スタジオで『Traplord』をミックスしていた時だったよ。2013年のニューヨークで。ほんとたまたまね。
ー会った時に一番テンションが上がったのは?
S:個人的にはWu-TangのRZA。小さい頃、彼のことを尊敬していたんだ。俺はWu-Tangの大ファンだからね。
C:多分、初めてKanyeに会った時かな。たまたまパリのクラブで会って、彼がテーブルに呼んでくれて5分くらい喋ってたんだ。クラブのみんなが見てきて。僕は人から見られるのが嫌いだから、「ここで一緒にチルしているのは楽しいけど、ちょっと行くね。君の写真撮っていいかい?」って聞くと、彼は笑って「うん、いいよ」ってね。この頃Kanyeはパパラッチに意地悪な顔をしている時だったんだけど、何枚か笑顔を向けてくれて、一枚その意地悪な顔をしてくれたよ。あと、Wizと初めて会った時もそうだね。僕らが人に会う時、それぞれにストーリーがあるんだ。彼らがそこにいて、僕がただそこにいて「ヘイ、写真撮らせて」ってだけじゃない。そこに関係性を築き上げる。だから彼らは僕らのことを好きになってくれる。Wizにラジオスタジオで会った時、彼はいい奴で、翌日「俺のホテル来いよ」って言ってくれた。僕らがホテルに着いた時、彼は僕らのフーディを着ていて、そのパリのバルコニーで撮影したんだ。本当に最高の思い出だよ。
ーでは、逆に撮り逃した人とかもいるの?。
C:Pharrellかな。CL(韓国の女性ラッパー)といた時に彼女がとある鞄屋に連れて行ってくれたんだけど、ソファで休んでたらPharrellが現れて「ヘイ」って挨拶してきて、僕は「うわあ」って感じで。頭の中で「あー、呼び止めてカメラを鞄から取り出して撮らせてもらおうか、ただ挨拶するだけにするか」とか考えてたよ。色々違うことも考えたんだけど、最終的には「ヘイ、何か良いのあったかい?」って聞いてそのまま行かせてあげた。Pharrellとはそんなようなことが何度もあったんだ。彼に会うんだけどもう去ってしまいそうな時だったりするから、引き止めて「ねえ、写真撮らせてよ!」なんて言いたくなくてさ。僕は辛抱強いからその初対面の時に撮れなくても、チャンスはたくさんあるからね。初めての時に撮れなかったことに対して凹んだりはしていないよ。Pharrellは唯一無二の存在の一人だね。
ー日本のアーティストや著名人はどう?
C:KOHHやAnarchyを撮影したよ。(水原)希子やYOONも一度〈STÜSSY〉のパーティか何かで撮らせてもらったんだ。本当に撮影したいと思う人物は、『メタルギアソリッド』のクリエイター小島秀夫だね。
S:僕らはそのゲームが大好きでさ。
C:『メタギア』をプレイして育ったようなもんさ。いつだってお気に入りのゲームだよ。
S:NIGO®も会いたいね。
C:僕は一人選べと言うならやっぱり断然NIGO®より小島秀夫。『メタルギアソリッド』は僕の人生を変えたんだ。〈BAPE®〉は確実にストリートカルチャーを変えたけれど、『メタルギアソリッド』はゲームすべてとそのエネルギーがもう……『メタルギア』についてならノンストップで10時間は話せる。もしそのゲームをやってなかったら、今の僕はいないってぐらいなんだ。


















