2Pac による元恋人マドンナへ向けた別れの手紙が公開
1995年1月、当時23歳であった服役中の2Pacから当時37歳のマドンナに向けられた悲しい手紙
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1990年代半ばにアメリカにて勃発した“ヒップホップ東西抗争”の末に命を落とした米西海岸を拠点とする伝説のカリスマラッパー2PacことTupac Shakur(トゥパック・シャクール)。現在もエンタメ界の最前線で活躍する“ポップスの女王”ことMadonna(マドンナ)と2Pacが1993年ごろから交際をしていたことは今や有名な話だが、今回2Pacから当時の交際相手であったMadonnaに向けられた別れを告げる手紙が公開となった。
この手紙は米Webサイト『TMZ』が独占入手したものであり、Madonnaの使用済み下着や写真、髪の毛付きヘアブラシなどを含む100点以上の個人的な品物と共に7月19日(米国時間)よりオークションに出品される予定となっていたもの。しかしMadonnaは18日(米国時間)にこの手紙や下着などを含む22点のオークションを禁じる緊急禁止命令をニューヨーク最高裁判所より獲得しており、この手紙の出品が実現することはなかった。
そして1995年1月に当時23歳であった2Pacが当時37歳のMadonnaに向けて書いたその別れの手紙の内容だが、端的に書くと「黒人のラッパーとして活動する俺はこれ以上、白人である君と付き合うことは出来ない」という内容のもの。以下に手紙の一部を抜粋した原文と邦訳文を掲載するので、興味のある方は是非目を通してみてほしい。
For you to be seen with a black man wouldn’t in any way jeopardize your career, if anything it would make you seem that much more open and exciting.
- 君にとっては黒人の男と一緒にいることは君自身のキャリアを傷つけるどころか、そのことで君はよりオープンでエキサイティングな人間だと思われるだろう。
But for me at least in my previous perception, I felt due to my ‘image,’ I would be letting down half of the people who made me what I thought I was.
- でも俺にとっては、少なくとも俺自身のこれまでの見解では、世間には“2Pacのイメージ”というものがあるから、今の俺のポジションを築きあげてきてくれた人々の半分を幻滅させてしまうことになるんだ。
また2Pacは、その手紙内にて過去にMadonnaがインタビューに応じた際に応えた返答から2Pac以外の複数の男性と恋愛関係にあったことに気付いて深く傷付いた思いや、決して彼女を傷つける意志はないことを綴り、そしてなによりもその手紙は彼女を思いやる温かい言葉にも溢れたものに。最後には「I offer my friendship once again this time much stronger & focused.(より強く深い結び付きを持った友人として付き合っていこう)」という言葉も綴られており、いい意味で2Pacの“イメージ”らしからぬ人間らしさや誠実さを感じさせる内容となっている。