1955年に購入された Mercedes-Benz 300SL Gullwing オールオリジナルで当時のままの姿
史上もっともレアな Gullwing
1954年に「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」は軽量スポーツカーSLクラスの初代モデルとされる300 SL “Gullwing(ガルウィング)”を一般発売した。このモデルのベースとなったのは「Daimler-Benz AG(現ダイムラー社)」の社内コードW194レーシングカーとして製造され、1952年にフランスのスポーツカーレース「ル・マン 24時間レース」で見事優勝を遂げたレース用モデルだ。これが1950年代にニューヨークで活躍したオーストリア人インポーターMax Hoffman(マックス・ホフマン)の働きかけによって、300SLとして一般用に発売されたのだ。
そして、1955年にHoffmanの代理店の出版責任者によってオーダーされたこの一台は、シックなブリティッシュレーシンググリーンのボディと、タンレザーのレトロなシートが特徴。生産された1,400台のGullwingクーペの中でも当時から珍しい色合いで、現在も非常に高い希少価値を誇っている。62年以上をかけて、16,000マイルを越える距離を走行したそのGullwingは今もなお、改造されていないオールオリジナルの姿で同じ家族の元にあるそうだ。上のフォトロールからクラシックレトロなその一台を確認しておこう。