Interviews: 2000年代を代表するプロデューサー Just Blaze が語る楽曲制作のコツと日本のストリートカルチャー

「もし、曲作りにかなりの時間をかけて、売れるように作っているとしたら、それは良い曲とは言えないよ」

By //Music 

ニュージャージー生まれのJust Blaze(ジャスト・ブレイズ)は、DJ Premier(DJプレミア)、Bomb Squad(ボム・スクワッド)、Pete Rock(ピート・ロック)などに影響を受け、90年代ヒップホップ黄金期のサウンドを現在に継承する唯一無二のスーパープロデューサーだ。Jay Z(ジェイ・Z)、Kanye West(カニエ・ウェスト)、Drake(ドレイク)、Eminem(エミネム)といった『HYPEBEAST』でも馴染み深いラッパーたちはもちろん、Mariah Carey(マライヤ・キャリー)、Usher(アッシャー)など、共に仕事をしてきた一流アーティストは数知れない。

そんな2000年代を代表するプロデューサーが去る6月2日(金)、数々のヒップホップレジェンドを招聘してきた“BIG GROOVE”のラブコールを受け、『SOUND MUSEUM VISION』に帰還。満員の会場はハウス、ブレイクス、ヒップホップまで幅広いジャンルに精通するの彼のプレイに酔いしれ、またオーディエンスの心に新たな伝説を刻んだ。

今回の来日にともない、『SOUND MUSEUM VISION』が世界のチャートを賑わすJust Blazeにインタビュー。思い出の音楽から楽曲制作のコツ、さらには日本のストリートカルチャーにも触れたQ&Aをお見逃しなく。

ー 音楽をスタートしたきっかけがこっそりキーボードを弾いていたと聞きましたが、「当時ラジオでこの曲をいつも聴いていた」など、思い出の曲はありますか?

僕が小さい頃に大好きでよく聴いていたのはBilly Joel(ビリー・ジョエル)やChic(シック)の曲全部だね。あとはTaste of Honey(テイスト・オブ・ハニー)の“Boogie Oogie Oogie(今夜はブギ・ウギ・ウギ)”かな。ブレイクやラッパーのレコードでは“Rapper’s Delight”や全盛期のRun-DMC(ラン・ディーエムシー)。僕のお父さんがフュージョンジャズを好きだった影響もあってBob James(ボブ・ジェームス)、Hubert Laws(ヒューバート・ロウズ)、James Brown(ジェームス・ブラウン)はよく聴いていたし、彼らの曲を聴いて育ったようなもんだね。小さい頃はお父さんが好んでるものをよく追いかけていたよ。

Interviews: 2000年代を代表するプロデューサー Just Blaze が語る楽曲制作のコツと日本のストリートカルチャー

ー 現在は世界中で活躍して忙しい日々を送っていると思いますが、キャリアの中で転換期やターニングポイントはありましたか?

今、自分があること、そして成功できているなんて全く予想してなかった。だから、今自分がここにいてやらせてもらえてること全て、未だに毎日信じられないよ。プロデューサーやDJは2〜3年するとすぐにいなくなって、またすぐに新しいヤツが出てくるのが当たり前。そんな中で僕は18年間も精力的に活動できているんだ。ターニングポイントは僕にはなくて、毎日に感謝しているし、言うなれば毎日がターニングポイントだし、毎日が違ったチャンスだね。

ー Jay ZやMariah Careyなど多くのアーティストをプロデュースされていますが、作品を手がける上で自分の中で大事にしていることは何ですか?

自分のやっていることが好きでなければならないね。もし、僕が今自分がやっていることを好きでなければ、やめてしまうだろうね。今までのヒット曲は全て僕が大好きな曲だし、すぐに思い浮かんできた曲ばかりなんだ。もし、曲作りにかなりの時間をかけて、売れるように作っているとしたら、それは良い曲とは言えないよ。良い音楽は自然、そして自発的に生まれるものだって信じているんだ。良い曲を作るために頑張り過ぎないことだね。もし、曲作りが得意なら、頑張り過ぎないこと。良い曲は自然と生まれる。

ー アジアでは日本のMUROの『MURO TOKYO TRIBE2』に楽曲提供、また香港の俳優/ラッパーであるEdison Chen(エディソン・チェン)ともコラボレーションをしていますが、アジアのシーンについてどう思いますか? また、コラボしたいアジア圏のアーティストはいますか?

特にはいないけど、友達であるDJ MUROやEddieにはとても感謝してるよ。彼らは僕たちが創り出したものを持ち帰って、自分たち独自のスタイルを築き上げたんだ。これこそヒップホップだね。元々自分のために作られていなかったものを自分のものに変えてしまうんだ。僕らが着ている服だって僕らのためにデザインされた訳じゃないだろ? 〈Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)〉や〈Gucci(グッチ)〉だって野郎のためにはデザインされていなかったし。元々自分のために作られていなかったものを自分独自のものに変えてしまう。素晴らしいことだね! 他の誰かがその自分の変わり種のような独自のものをまた持ち帰って新しいものへ変化させる。それはヒップホップにとって美しいことだと思う。MUROはあまり英語を話さないんだけど、彼の家に行って僕らは一緒に音楽を聞いてコミュニケーションを取るんだ。

Interviews: 2000年代を代表するプロデューサー Just Blaze が語る楽曲制作のコツと日本のストリートカルチャー

ー 日本へは何度も公演に来てくれていますが、日本の音楽カルチャー、ファッションカルチャーについてどう思いますか? また、好きなスポットはありますか?

さっきも話したように、日本のファッションカルチャー、特にストリートファッションは僕らがしてることに影響されていて、でも彼らなりのスタイルに築き上げている。例えば、NIGO®だ。NIGO®も僕らがやっていたことを持ち帰って、それで彼自身のものに築き上げた。それでもって今は彼がやっていることに僕らが影響されてる。4サークルのように回ってるね。藤原ヒロシもそうだね。彼は昔はDJで、そこからファッションの発展に自らのバックグラウンドを用いたんだ。彼がやっていたヒップホップアートから本当に大きく発展させたんだ。それから彼はNIGO®へ伝え、独立してNIGO®も大きく飛躍した。アメリカの若い子たちもそうなりたいと思ってるよ。

わかるかい? サークルのように繋がって回ってるんだ。これがヒップホップの音楽/ファッション/カルチャーのとても素晴らしいところで、これが他の人へ影響し、そこから独自の影響力が生まれている。世界中に広がっているんだ。

ー 今後コラボしたい日本人アーティストはいますか?

ぱっと頭に浮かぶアーティストはいないかな。日本のアーティストはあまり知らないな。だから、逆に僕に興味があればいつでもアプローチしてほしいくらいだね。僕はいつでもオープンだよ。

ー DJとしても、ヒップホップやブレイクス、ハウスまで幅広いプレイされていますが、思い出のDJプレイイベント、または場所はありますか?

毎回のプレイがスペシャルだね。僕がプレイをすることでフロアのみんなからもエナジーをもらえるから。最初に東京でプレイしたのは2003年だったね。あの時も最高だったな。みんな元々英語は分からないのに、その曲にあるワードは知ってるんだ。みんな曲のワードを知って歌っていたりして、だから僕はみんな英語話せるかと思ったんだけど、実際はそうじゃなかった。その曲にあるワードを知っているだけだったんだ。それはヒップホップだけでなく、ミュージック全部が世界共通のコミュニケーションになるってことなんだ。その曲のワードを知っているだけで、僕らは違った形でコミュニケーションが取れるんだよ。

ー 今後新しく挑戦したいプロジェクトなどはありますか?

これからたくさんのプロジェクトがあるんだけど、何かは言えないな。シークレットだ。でも、近々僕も楽しみにしている面白いことが起こるのは確かだね。今年末には発表となるから楽しみにしておいてね!

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Photographer
Masanori Naruse
Interviewer
Junko Sasaki / SOUND MUSEUM VISION
Just BlazeSOUND MUSEUM VISION

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