ヴォルフガング・ティルマンスが語る写真、人種、同性愛のこと

仕事へのアプローチからHIVについてまで

アート
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写真家Wolfgang Tillmans(ヴォルフガング・ティルマンス)は、名誉あるターナー賞受賞のほか、そのセンセーショナルでありながら静かで美しい世界観とアプローチで、世界中に多くのファンを持つ写真界の巨匠である。最近では、Frank Ocean(フランク・オーシャン)のアルバム『Blond』のカバー写真を取ったことでも知られているTillmans氏。そんな彼が、『SHOWstudio』のLou Stoppard(ルー・ストーパード)とのインタビューに登場し、ベルリンとロンドンでの生活、アートや写真について、そしてHIVへの関心を促す活動についてなどを語っている。質問の中にはKate Moss(ケイト・モス)ら彼の友人からの質問も混ざっていた。インタビューの全編はこちらから英語で確認できるが、まずは上のフルレングスビデオとともに、以下の抜粋をチェックしてみよう。

『Tate Modern(テートモダン)』で開催中のエキシビジョンについて:
僕は、(自分が白人という人種において)自分がアウトサイダーではないというのは自覚しているんだ。ただ一方で、ゲイとして育ったから他の人とは違った視点でものを見てきたと思う。白人男性として差別的制度に対面したこともなければ人種的に不利な立場に立たされたこともないけど、僕はこの世の中を、多くの人とは違う場所から見てきたんだ。だから、他の人が予期せぬ場面で大変な思いをしているという事実もわかるし、別のアングルから見たら一つの事柄でも全く違う側面を持っているということも自覚しているよ。

写真について:
誰もが写真を心地いいと感じるわけじゃなくて、僕は写真を見せるのは恥ずかしいと思うんだ。だってそれは自分自身の内に秘めた興味関心を他人に打ち明ける行為だからね。だからその恥ずかしさを乗り越えるために、一種の切迫感を感じないといけないんだ。僕にはこの写真が必要で、これについてどうしても伝えなきゃいけないことがある、それはとても大事なことなんだ、ってね。僕は自分の作品にはいつも、何かが足りない、というアプローチをしているんだ。

Kate Moss からの質問 — “あなたにとって自由ってどんな意味?”:
僕が自由に生きられることっていうのは、他の人々が何か恥ずかしいことや乗り越えたいことをさらけ出してくれた結果だと思う。

HIVについて:
僕は突然ボーイフレンドがエイズで死んでしまって、そして自分がHIV陽性だと知ってからも、それを自分の仕事のメインの題材にしたことはなかったんだ。人々はエイズをものすごく恐れているし、世界のありとあらゆることがそれを助長しているからね。-中略- エイズは僕が大人になってなから絶えず僕の人生の一部だった。自分の作品にそれを反映させたこともあったけど、命がどんなにもろくて壊れやすく、虚弱なのかも知ってる。-中略- 僕はただ単純に、今の医療技術や治療方があるっていう事実に感謝しているよ。

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