“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Scottie Pippenの代名詞的Air More Uptempoについて掘ってみよう

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90年代のNBAを見て育った人々なら、『チエコスポーツ』の店長のように当時の輝かしい選手陣と彼らの履いていたモデルを把握している人も少なくないだろう。レジェンドMichael Jordan(マイケル・ジョーダン)のシグネチャーモデルはもちろんだが、Charles Barkley(チャールズ・バークレー)のAir Max2 CB ’94やAir Max CB34、Penny Hardaway(アンファニー・“ペニー”・ハーダウェイ)のAir PennysとAir Foamposite One、Gary Payton(ゲイリー・ペイトン)のAir Zoom Flight ’98 “The Glove”、そして多くの選手の足元に見られた〈Nike(ナイキ)〉 Air Flightposite 1など、当時の選手同様に人気を博したバッシュたちは数多く存在するが、今回は203cmのスモールフォワード、Scottie Pippen(スコッティ・ピッペン)が、’96年のシカゴ・ブルズのチャンピオンシップゲームと、同年のオリンピックで履いていた〈Nike〉Air More Uptempoにまつわるストーリーにクローズアップしてみよう。

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Nike

Pippenは既に〈Nike〉と契約し、Air Pippen からAir Pippen Vまでのシグネチャーラインを展開していたのだが、MJのパートナーである彼がAir More Uptempoを履いたその時から、このモデルは彼の代名詞的なシューズとして認知されるようになった。そのインパクトのあるサイドのアイコニックな“AIR”の文字は、コート上での彼の活躍を支えただけでなく、〈Nike〉が『Foot Locker』と展開した広告キャンペーンの顔としてPipに着用され瞬く間に注目モデルとして知られることとなった。そしてバスケットボール以外でも忘れてはいけないAir More Uptempoの活躍は、全米で’97年に公開された映画『ジャングル・ジョージ』への“出演”。主役の俳優Brendan Fraser(ブレンダン・フレイザー)が着用し、力強くプルタブとタンを引きアフリカの大地に走っていくシーンも当時話題となった(そのシーンだけ見ると謎ばかり)。

このユニークなモデルをデザインしたWilson Smith(ウィルソン・スミス)は以前、「90年代半ばという時代は、様々なことに対してより大きく誇張するという風潮があったと思う」と話しており、確かにポップアートやグラフィティにインスピレーションを受けてデザインされたアッパーの“AIR”の文字の大胆さ、そしてヒールからトゥにかけてはしる大きな窓から見えるビジブルエアなどは、まさにAir More Uptempoがこの時代を体現するモデルであることを物語っている。またSmith氏は、「Nike Air More Uptempoは必要とされる環境の延長線上に存在するモデル。バーチカルな動きを求められるプレーヤーに、優れたクッショニングやトラクションを提供するモデルなんだ」とも話している。

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Scottie Pippen, Nike

そんな時代を反映したオリジナルのAir More Uptempo同様、現在発売が待たれる〈Supreme(シュプリーム)〉とのコラボレーションも、今のストリートシーンを反映させたデザインとなっている様子。既に“Suptempo”なるニックネームがついたこのコラボレーションモデルは、ブラックとレッドでブルズへの敬意を表すだけでなく、昨今のストリートシーンへの注目度と勢いを反映させたゴールドという絢爛豪華なカラーウェイを展開。さらに時代を反映させている興味深い事実は、転売業者の買い占め対策という異例の販売方法。アメリカとヨーロッパではこれまでのように店頭販売を行わず、オンラインでの販売のみという点だ(日本では店頭・オンライン両方で発売)。

アイコニックなカラーウェイ

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Original Sole

前述のように〈Nike〉Air More Uptempoのデザイン自体が拡大、誇張といったコンセプトのもと行われているため、これまで登場したカラーウェイも必然的に印象的なものばかり。しかし忠実なファンの皆さんにとって、最もクラシックでアイコニックなのは1996年のオリンピックカラーウェイと言っていいだろう。タイムレスなネイビーとホワイトで仕上げられたこのAir More Uptempoは、アメリカのドリームチームに参加したScottie Pippenが着用し、全米の世界制覇とともに〈Nike〉の存在感を世界中に知らしめた。

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Sneaker Politics

Black-on-blackも’96年のオリジナルカラーウェイ。当初はヒールのスウッシュもブラックだったが、上の写真でわかるとおり、のちに白いスウッシュへと変更されている。このカラーウェイもレトロなバスケットシューズのアイコン的デザインだ。自分のシグネチャーモデルではないものの、これをScottie Pippenが着用している印象はとても強く、彼のイメージと切り離すことのできないカラーウェイだ。今でもこのモデルを街で目にして振り向く人々も多いはず。

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Packer Shoes

2016年はAir More Uptempoの20周年を記念する年であった。そしてそのアニバーサリーイヤーを飾るカラーウェイとして、ホワイト、ブラックと並び登場したのが“Gym Red” – 別名“Bulls Home”と呼ばれるカラーウェイだ。ホワイトのベースに鮮やかなレッドを組み合わせた配色は、“Suptempo”の色合いを反転させたようなイメージ。アイキャッチングな赤が主張する一足だ。

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Renarts

そしてスウッシュファンの記憶に新しいのが2017年3月に登場した“Bulls”。言うまでもなく90年代のNBAを大いに盛り上げたあのチームを彷彿とさせるカラーウェイは、オンラインでのリリース後数分で完売。もしPipが現役だったら、迷わずこのモデルを履いてコートに出てくれそうな象徴的なカラーウェイだ。

Supreme x Nike Air More Uptempo

“Suptempo” 発売前に知っておきたい Nike Air More Uptempo のざっくりとした歴史

Photo Via: Supreme

発売前のモデルをクラシックと呼ぶには早すぎるが、今後このコラボモデルもアイコニックと称されるはず。レッド&ホワイト、ゴールド&ホワイト、そしてオールブラックで発売される〈Supreme〉との“Suptempo” の代名詞として、どのカラーが人気を博すのか? 以前から著名人たちの着用画像が話題のインパクトのあるゴールドか、ブルズカラーであると共に〈Supreme〉のブランドカラーを体現しているレッドか、それとも鉄板で人気のブラックか? 実際に履くファンと、保管、鑑賞するコレクターたちの間でも意見が割れそうなカラーウェイたちだが、Air More Uptempo史上に残る人気モデルとなることは間違いないさそうだ。

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