HYPEBEAST の音楽担当が厳選した今後が期待される12名のヒップホップMC
時代遅れになる前にプレイリストに追加しておきたい新鋭アーティストのプロフィールを代表曲とともにご紹介
Future(フューチャー)、A$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)、Young Thug(ヤング・サグ)、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)、21 Savage(21 サヴェージ)、Kodak Black(コダック・ブラック)、Lil Yachty(リル・ヨッティ)、Playboi Carti(プレイボーイ・カーティ)らの台頭により、ラップミュージックの新興勢力はここ数年で自らのポジションを確立することに成功した。それだけでなく、我々は現在、ヒップホップがメインストリームである時代を生きており、2016年のグラミー賞で披露したKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)のパフォーマンスや、ヒップホップが不利とされるグラミーの舞台でChance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)が3部門受賞という歴史的功績を残したこともその事実を証明している。そして、Desiigner(デザイナー)、Rae Sremmurd(レイ・シュリマー)、Migos(ミーゴス)らも“Billboard‘s Hot 100”で1位にランクインしたほか、一部のアーティストはラグジュアリーブランドのキャンペーンモデルにも起用され、彼らの存在はファッションシーンにおいても欠かせないものとなった。
ヒップホップは常に進化しており、今をときめく気鋭のMCたちはオールドスクール、ニュースクールという概念が古く感じるほど柔軟な姿勢で外部的要素を取り入れながら、新鮮なトラックを届けてくれる。しかし、その押し寄せる新興勢力の規模の大きさゆえ、ピックアップされるべきアーティストが埋もれがちな現状も否めない。そこで当記事では『HYPEBEAST』の英語版で音楽を担当するエディターが厳選した“今後が期待される12人のヒップホップMC”をご紹介。下記から彼らの簡単なプロフィールと音源をチェックして、お気に入りのアーティストをプレイリストへ追加してみてはいかがだろうか。なお、当記事の最後には、惜しくも12名のラインアップから漏れたがフォローしておきたいラッパーたちもピックアップしているので、あわせてチェックしてみてほしい。
6lack
出身地: ジョージア・アトランタ
年齢: 24
類似アーティスト: Bryson Tiller, PartyNextDoor, The Weeknd
1992年生まれのRicardo Valdez Valentineこと6lackは、“PRBLMS”でお馴染みのラッパー/R&Bシンガーだ。楽曲のリリース方針でレーベルと5年間揉めた末、アトランタ出身の彼は、2016年5月に“PRBLMS”をZane Lowe(ゼイン・ロウ)へと送る。これが多くの人の耳に届き、同トラックは2ヶ月後に正式なリリースを果たした。その後、6lackは「LoveRenaissance」と「Interscope」よりデビューEP『Free 6LACK』を発表。そこにも収録されている“PRBLMS”は、『Spotify』で2,000万回再生を記録し、2017年の注目アーティストとして名乗りをあげた。
6lackのその他のトラックは、彼の『SoundCloud』をチェックしよう。
A-Boogie wit da Hoodie
出身地: ニューヨーク・ブロンクス区
年齢: 21
類似アーティスト: Dej Loaf, Fetty Wap, Rich Homie Quan
A-Boogie wit da Hoodieは、“My Sh*t”で一躍シーンにその名を知らしめた。12歳からラップを書き始めたA Boogieは、それから8年後となる二十歳のバレンタインの日にミックステープ“Artist”をドロップ。また、ヒップホップギークであれば、DrakeとFutureの“Summer Sixteen Tour”に帯同したことでもお馴染みだろう。そんなブロンクス出身の彼は、2016年に「Atlantic Records」と契約を結び、メジャーへの扉を開いている。
A-Boogie wit da Hoodieの『SoundCloud』は、こちら。
LiL PEEP
出身地: ニューヨーク・ロングアイランド
年齢: 20
類似アーティスト: Blink-182, Panic! at the Disco, Yung Lean
6lackやA-Boogieとは異なり、LiL PEEPはヒットソング以上に彼のパーソナリティーが注目されがち。Lil Tracy、Horse Head、Cold Hart、Wicca Phase Springs Eternalらが所属する音楽集団「GOTHBOICLIQUE」のメンバーであるLiL PEEPは、薬物、女、そして自殺願望などをリリックに起こし、エモロックにトラップを融合したようなスタイルを持つことから、Gucci ManeやCrystal Castles、Panic! at the Discoといったアーティストたちから影響を受けているとされている。
“white wine”以外のトラックも聴いてみたいという人は、こちらをチェック。
LIL PUMP
出身地: フロリダ・マイアミ
年齢: 16
類似アーティスト: Lil Uzi Vert, MadeinTYO, Playboi Carti
“ELEMENTARY”、“Get”、“JOHNNY!”など、『SoundCloud』から数々のヒットソングをリリースしてきたLIL PUMPは、この12名の中で最も勢いのあるラッパーの1人で、フロリダのアンダーグラウンドウェーブに揉まれながらスキルを磨いてきた。高校生からラップをはじめた彼は、友人やアップカミングラッパー・Smokepurppから勧められてレコーディングを行い、楽曲を発表。そのほとんどがSmokepurppプロデュースで、Ugly God、Famous Dex、$ki Mask、Slump God、Warhol.SSといったアーティストたちともコラボレーションしている。
LIL PUMPの『SoundCloud』は、こちら。
Nav
出身地: オンタリオ・トロント
年齢: 26
類似アーティスト: MadeinTYO, Post Malone, Speaker Knockerz
BeatsByNav、Navraj Beatsなどの異名を持つNavは、確実に次なるヒットメーカーの素質を備えている。トロントではそこまで有名でないものの、カナダ人ラッパー/クルーナー/プロデューサーは“Myself”、“Up”、 “Fell in Love”といったトラックの全てを自分一人の力でリリースしてきた。昨年1月には「Beats 1」の『OVO Sound Radio』のエピソード13でクローズアップされたほか、Metro Boominも彼とのコラボレーションを予定しているという。Travis Scottの“beibs in the trap”では客演に迎えられ、自身のデビューアルバムにはThe Weekndが参加するなど、その実力は折り紙付き。Navが初耳という方は、早速上のプレーヤーから“Myself”を視聴してみてほしい。
NBA YoungBoy
出身地: ルイジアナ・バトンルージュ
年齢: 17
類似アーティスト: Boosie BadAzz, Kodak Black, Webbie
NBA YoungBoyが初めて注目を浴びたのは、獄中から発表した“Win or Lose”だろうか。また、ヒットソング“38 Baby”はYouTubeで1,700万回再生を超えており、“Murder”では21 Savageとコラボレーション。ライブに警察が乱入、度重なる逮捕と音楽以外でもお騒がせな彼だが、筆者としては『SoundCloud』から“I Ain’t Hiding”をピックアップしたい。
Oliver
出身地: ミズーリ・コロンビア
年齢: 24
類似アーティスト: Chief Keef, Speaker Knockerz, Yung Lean
Oliver Francisの音を知るには、代表曲である“Wavey”が一番だろう。ラッパー/プロデューサー/ソングライターの肩書きを持つ彼は、2012年にYouTubeで音源を公開してから“LWTGG”、“Polo Socks”、“Stars”といったトラックを発表。そして、ここ数ヶ月は『SoundCloud』ページにも勢力的に楽曲を追加しており、セレブの仲間入りは時間の問題と思われる。Chief Keef、Gab3、Lil Uzi Vertなどがお好きな方は、是非フォローしておきたいアーティストだ。
SahBabii
出身地: ジョージア・アトランタ
年齢: 19
類似アーティスト: Lil Durk, Travi$ Scott, Young Thug
SahBabiiの“Pull Up With Ah Stick”をご存知だろうか。彼は昨秋に『SANDAS』をリリースしたのだが、この一曲により同EPはここ数週間で爆発的な注目を集めている。Bow Wow、Kehlani、Metro Boominといった気鋭のアーティストたちにも客演に迎えられていることから、首元のタトゥーを見れば「こいつか!」と思う人もいるかもしれない。ひとまず、上のプレーヤーからDrakeもリミックスに使用した“Pull Up With Ah Stick”を視聴してみよう。
SahBabiiのその他の楽曲を聴きたいという方は、こちらから。
SOB x RBE
出身地: カリフォルニア・ヴァレーホ
年齢: Yhung T.O.(18)、Lul G(18)、DaBoii(19)、Slimmy B(20)
類似アーティスト: E-40, Mac Dre, Too $hort
幼い頃からの友人であるYhung T.O.、Lul G、DaBoii、Slimmy Bの4人で構成されるSOB x RBEは、ベイエリア・ヴァレーホ北部の若手代表株。年長であるSlimmy Bは高校を卒業しているものの、他のメンバーはまだ最終学年というから驚きだ。彼らのサウンドがハイファーにカテゴライズされるのは当然のことだが、時に西海岸のファンクやオールドスクールなヒップホップの要素も感じさせる。しかし、『KZSC』のインタビューでは、Future、Drake、Lil Wayne、そしてTee Grizzleyを含むデトロイトのシーンからもインスピレーションを受けているという。
SOB x RBEのYouTubeページは、こちら。
Tee Grizzley
出身地: ミシガン・デトロイト
年齢: 22
類似アーティスト: Ace Hood, The Game, Meek Mill
Tee Grizzleyは、デビューシングルの“First Day Out”を耳にしたことがある人もいるだろう。刑務所を背景にしたこのPVは、3週間経たずして再生回数200万回を突破。その後、TeeはBandgang、Rocaineと並び、デトロイトの新世代を築くラッパーとして注目を集めている。今年に入り、彼はYoung Thug、Fetty Wap、Migosらが所属するLyor Cohenのレーベル「300 Entertainment」と契約。また、21 Savageの“Issa Tour”にも参加が決定している。
Tee Grizzleyの音源は、彼の『SoundCloud』をチェック。
XXXTENTACION
出身地: フロリダ・プランテーション
年齢: 19
類似アーティスト: Denzel Curry, Lil Uzi Vert, MadeinTYO
XXXTENTACIONはまさに今、アンダーグラウンドラップシーンで一番ホットなアーティストと言っても過言ではない。“Look at Me!”でお馴染みのXは、R&Bからパンクロック、ヘビーメタルまで、実に幅広い音楽的背景を持っている。また、Lil Uzi Vert、A$AP Rockyといったビッグネームからもサポートを受ける一方で、Drakeのスタイルを痛烈に批難し「キャリアはもうすぐ終わる」と罵るなど、大物にも臆さない肝の据わった人物としてユース世代からの支持も厚い。
XXXTENTACIONの『SoundCloud』は、こちらから。
Yung Pinch
出身地: カリフォルニア・ハンティントンビーチ
年齢: 19
類似アーティスト: Dej Loaf, Kamaiyah, Post Malone
Yung Pinchは1997年生まれで、ハンティントンビーチを拠点とする新鋭ラッパー。代表曲は“Rock With Us”で、スレンダーな体型と長いブロンズヘアを持つビーチボーイのような容姿からR&Bテイストのラップを繰り出してくる。その他に有名な作品は、“Late Nights”や“Early Mornings”など。そして、2016年にリリースした『714Ever』は、彼の人気にさらなる火をつけたと言えるだろう。彼は勢いそのままに“Day N Night Festival”にもラインアップ。また、これまでにYoung Thug、Bone Thugs-N-Harmony、Lil Uzi Vert、Playboi Cartiといったラッパーたちにもフックアップされている。
Yung Pinchの『SoundCloud』のチェックもお忘れなく。
その他のおすすめアーティスト
24hrs (Atlanta, Georgia)
BLAKE (San Antonio, Texas)
Craig Xen (Houston, Texas)
D Savage (Gardena, California)
GHOSTEMANE (Lake Worth, Florida)
Jimmy Wopo (Pittsburgh, Pennsylvania)
Lil Tracy (Oceanside, California)
Pollari (Atlanta, Georgia)
Pressa (Toronto, Ontario)
Puffy L’z (Toronto, Ontario)
$ki Mask The Slump God (Broward County, Florida)
Smokepurpp (Dade County, Florida)
ThouxanbanFauni (Atlanta, Georgia)