Supreme のフォトTシャツになったシャーデー・アデュって誰?

〈Supreme〉ファンならば知っておこう

ファッション ミュージック
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去る2月18日(土)に日本国内における店舗立ち上げを迎えた〈Supreme(シュプリーム)〉の2017年春夏シーズン。今年も日本各地の店舗近くにて“店頭キャンパー”たちが前日からその購入のために行列を成し、ネットオークションサイトを見れば多くのアイテムが既にその販売価格より高値で取引されているのが見受けられるが、本ポストではそのポートレート写真が2017年春夏アイテムにラインアップするフォトTシャツに用いられたナイジェリア生まれの女性シンガーソングライター、Sade Adu(シャーデー・アデュ)にフォーカス。

モノクロで撮影されたセミヌード写真の上に被せるように、Sade本人の直筆の文字を元にした“To Supreme / Your Love is King / Love Sade”の文字プリントがゴールドカラーで落とし込まれたこのフォトTシャツ。世界的に見れば有名な実力派女性アーティストであるSade Aduだが、ここ日本では少しコアな音楽ファン以外あまり知られていない存在であるのも事実。ということで、まずはそんな彼女を知っている方も知らない方も下から彼女やそのバンドの簡単なヒストリー、そして今回〈Supreme〉が用いた写真に関するストーリーを覗いてみてはいかがだろうか。


- デビューまでの道のり -

Sade Adu(シャーデー・アデュ)ことHelen Folasade Adu(ヘレン・フォラシャーデー・アデュ)は1959年にナイジェリア南西部の都市イバダンにて誕生(現在59歳)。若くしてイギリスに移住した彼女は、メンズウエアデザイナーの経歴やモデルとして活動していた経歴も過去に持つ。音楽面ではかつてはPrideというバンドのサポートメンバーとして活動しており、そのPrideのサポートメンバーが主体となって彼女がボーカルを務める4人組バンドSade(シャーデー)が誕生し、レコード・レーベル「Epic Records」社と契約。そしてデビューを果たした。

- Diamond Life -

1984年にリリースされたSadeのデビューアルバム「Diamond Life」はイギリスやアメリカなど世界各地でヒットを記録。このアルバムの中に収録されている“Smooth Operator”や“Your Love is King”はSadeの代表曲として現在でも多くの人に愛されている。また、Sadeはデビュー翌年のグラミーにて最優秀新人賞を受賞。

- 映画出演 -

1985年に2ndアルバム『Promise』をリリース後、Sade Aduは1986年公開の映画『ビギナーズ(原題: Absolute Beginners)』にて女優デビュー。ちなみにこの映画の主題歌はDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)による“Absolute Beginners”。現在に至るまでにSade Aduの名が女優として映画クレジットに載ったのは後にも先にもこの時のみ。

- Lovers Rock、そして活動停止 -

1988年の3rdアルバム『Stronger Than Pride』、1992年の4thアルバム『Love Deluxe』に続く5thアルバムとして2000年にリリースされたのが『Lovers Rock』。Sadeはこの『Lovers Rock』で二度目となるグラミー(最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞)を獲得したのだが、これ以降バンドは2010年まで約9年間その活動を停止させている。その理由とされているのは、夫であるジャマイカ人音楽プロデューサーBob Morgan(ボブ・モーガン)との間に1996年にもうけた娘の育児に専念するため。2010年にリリースした6thアルバム『Soldier Of Love』で活動再開。

- ヒップホップへの影響 -

Sadeの様々なジャンルの音楽をミックスしたサウンドは度々ヒップホップシーンにサンプリングという手法を経由して持ち込まれていた。例えば1999年にリリースされたSnoop Dogg (スヌープ・ドッグ)の“Bitch Please feat. Xzibit and Nate Dogg”は代表曲“Smooth Operator”のサウンドが一部用いられ、2011年にリリースされたDrake(ドレイク)の“Free Spirit feat. Rick Ross”にはSadeの“I Will Be Your Friend”という楽曲のサウンドがサンプリングされている。

更にPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)率いる音楽ユニットThe Neptunesが手掛けた“By Your Side”のリミックスバージョンも存在する。この楽曲は2011年にリリースされたSadeのキャリア2枚目となるベストアルバム『The Ultimate Collection』内に収録。

- SupremeのフォトTとなったモノクロ写真 -

そしてこの今回〈Supreme〉がフォトTシャツに用いたモノクロセミヌード写真。これはドイツ生まれの女性ファッションフォトグラファーEllen Von Unwerth(エレーン・ヴォン・アンワース)によって1982年に撮影されたポートレートで、1980年代にはこの写真が度々雑誌や新聞などの出版物にSadeのアーティスト写真として使用されていた。

- Supreme -

〈Supreme〉からの離職が先日報じられたブランドディレクターのAngelo Baque(アンジェロ・バク)はSadeの熱心なファンだと言われている。(ちなみに、『GQ』が制作した彼のインタビュービデオ内でも彼は『The Ultimate Collection』のアルバムジャケットを用いたフォトTシャツを着用している。)今回の〈Supreme〉のSade登用に彼の存在が関わっていたのかは定かではないが、これまでにLady Gaga(レディー・ガガ)やDipset(ディプセット)、Lou Reed(ルー・リード)、Three Six Mafia(スリー・6・マフィア)、Neil Young(ニール・ヤング)、Morrissey(モリッシー)などといったアーティストにフィーチャーしたプロモーションやその姿を捉えたポートレートを用いたTシャツを制作してきた〈Supreme〉だけに今後の新たなアーティスト登用を含むその動向に注目していこう。

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