アレキサンダー・ワンが語る 転売カルチャーにインスパイアされた adidas Originals とのコレクション
ラグジュアリーとスポーツウエアブランドが起こすイノベーション

〈adidas Originals(アディダスオリジナルス)〉とコラボレーションしたファッションデザイナーは、Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)だけではない。しかし彼は、あのアイコニックなトレフォイルロゴを逆さまにし、スリーストライプスを反転させた初めてのデザイナーだ。昨年のニューヨークファッションウィークにて、2017年春夏コレクションのランウェイで発表された両者の最新のコラボレーションは、リセラー(転売屋)のユースカルチャーからインスパイアされたというユニセックスのラインアップ。『DAZED』が行った最新のインタビューにて、〈adidas Originals〉のクリエイティブディレクターNic Galway(ニック・ギャルウェイ)と対談したAlexander Wangのコメントの抜粋を、以下よりチェクしてみよう。全文はこちら。
adidasはAlexander Wangにとってどんな意味を持つブランドなのか:
「ずっとadidasのファンでした。常にイノベーティブで、アパレルとフットウエアのどちらにも豊かな歴史があるブランドだと思っています。僕はボーディングスクール(全寮制の学校)で育ったのですが、そこでは常に制服で、私物で身につけて良いものは靴だけでした。僕はいつもadidasのSambaやシェルトゥをローテーションで履いていたのを憶えています。体育のクラスでは常に優秀な生徒というわけにはいきませんでしたが、それでもadidasを履くと自分にストリートなスピリットが与えられたような気持ちになれました。僕はそんなadidasにずっと敬意を抱いているし、その仲間になれたらと思っていました。」
コレクションをトラックに乗せて街なかで見せたのはなぜ?:
「アイテムのあり方を覆すという意味でそうしました。リセラーカルチャーを反映させた試みです。現代を象徴しているというか。どこかのブランド品を買って、それをすぐにeBayなんかで転売するというのは、今や当たり前のことのように行われています。この事実で遊ぶというか、オーセンティシティ(信頼性)の意味合いを考えてしまようなことをしようと思いました。人々が長蛇の列を成して、ニューヨークの57丁目の絢爛豪華なラグジュアリーストアの前に止まったトラックから買い物をしているという光景は見ものでした。僕にとってこのプロジェクトでいちばんの絶景だったと思います。」
Nick Galwayはハイファッションとスポーツウェアの交わりについてどう考えているか:
「既存の考えを覆すというアイディアをAlexが持っていたことが、彼と共に仕事をすることに興味を持った所以です。adidasはこれまでもずっと、どうしたら私たちの立場というものが、それぞれのジェネレーションを活気づけられるのかと考えながら、スポーツウェアという枠を壊し、型破りな挑戦をしてきました。そして我々はAlexにも同じ思想を見出しました。もちろん彼はニューヨークを拠点にするハイファッションシーンからという視点ですが、我々は理想的な組み合わせだと思いました。ファッションショー以外のシーンで起きているドラマチックアプローチは、とてもエキサイティングです。そしてadidasがこの物語を構成するパートとして存在できたことは素晴らしいと思います。」