Vetements のCEOが語る話題のコラボスニーカーやブランドのマニフェストについてのこと

先日、我々『HYPEBEAST』は幸運なことに〈Vetements（ヴェトモン）〉のデザイナー、Demna Gvasalia（デムナ・ヴァザリア）の弟であり、ブランドのビジネス面をカバーするCEOのGuram Gvasalia（グラム・ヴァサリア）と話す機会を得た。そこで彼は話題となっている〈Reebok（リーボック）〉とのコラボスニーカーや、今や現在のファッションを語る上で避けては通れない存在にまで成長を遂げた〈Vetements〉が世界各地で開催するユニークなイベントの意図などを事細かに語ってくれたので、まずはそのインタビュー和訳を下から、上のフォトロールからはその話題のコラボフットウェアのディテールに迫ったイメージセットを確認してみてほしい。

今日、もはやヴァーチャルリアリティはそれ程ヴァーチャルな存在ではありません。我々はスクリーンを通して世界を見て経験して、家から出る必要もない。我々は人類が生きた中でもっとも快適な人生を送っていますが、それは同時に人生をとても退屈にしているとも言えるでしょう。手に入れられないものを欲しがるというのは人間の本能のようなものですが、今我々はいつどこにいてもほとんど全てを手に入れることができます。それにより欲望が消えてしまいました。左にスワイプして、“数多くの中の1人”から選べる。もう誰も“たった1人”の存在ではなくなったのです。つまりこれは、何でもアクセス可能で全てが置き換え可能なものになったということ。友情、恋愛、服、携帯電話、インターネット、自分のスタイル、性別、セクシャリティとかもね。

もう誰もTVなんて見ないし、皆Netflixを見漁っているから、好きなTV番組で来週何が起こるかを来週まで待つ必要もない。安いものはオンラインマーケットで買えて、LoveブレスレットはCartierのウェブサイトで買えて、何でもWeb上で注文できるから店舗に行く必要もない。他の人がビデオゲームをするのを見ることができるから、自分でプレイしなくてもいい。夢のような話ですよね。我々はこんな快適さと容易さを手放すことはないでしょう。しかし、私たちが一つだけ未だに手にしていないものがあります、それが“スリル”です。

私たちはこれまでに起きたことがなく、そしてこれからも二度と起きないような、ユニークで唯一無二の何かを経験する機会を仲間に与えて、そのスリルを今の世界に取り戻したい。我々が行う全てのイベントは1日限定で、そのそれぞれに違うコンセプトがあります。昨年はソウルの郊外にある廃れた倉庫で、偽物のVetementsアイテムをインスピレーションにしたカプセルコレクションを展示し、今年の2月にはロサンゼルスでドライクリーニングポップアップを開き、Beverly Hillsのツアリストマーチを展示しました。11月18日には我々は香港でイベントを開催します。まだ詳しくは言えませんが、この香港のイベントはこれまでで一番大きなものとなるでしょう。一般公開されるため誰でもウェルカムなイベントとなり、ロケーションはイベントの前日に発表される予定です。また当日にのみ購入可能な数量限定のカプセルコレクションも展開することになっています。

きっと数多くのサプライズがそこで来場者を待っているでしょう。そのうちの一つがReebokとのコラボレーションである新しいソックランナースニーカーのワールドプレミアです。我々のチームは2年前に初めてマサチューセッツのカントンにあるReebokの本社を訪れ、このプロジェクトをスタートさせました。兄のDemmaは生産されたことのないReebokのアーカイブでこの素晴らしいPump Evolution Runnerのプロトタイプを見つけたのですが、それは30年もの間、その棚に人知れず置いてありました。その靴の特徴はランナーを思い、柔軟性を最大化し、重量を最小化するためにスプリットツーリングアウトソールを採用し生産した点です。スニーカーの底が複数のパーツで構成されているので、スプリットツーリングと呼ばれています。そして開発に2年をかけ、Vetements x Reebokの高性能のランニングアウトソールを用いて作られ、Reebokのイノベーションがこの靴をよりフレキシブルに、超軽量化し、どんなスニーカーよりも究極に快適な一足になりました。これは検証済みの本物のパフォーマンススニーカーであると認められた唯一のファッションソックランナーなのです。