Spaces: 激レアアイテムの宝庫 William Strobeck の NYの自宅に訪問

人気ヴィデオグラファーが語るイーストヴィレッジと持ち物の思い出

アート
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cherry』や『PUSSY GANGSTER』といった〈Supreme〉のスケートビデオでその名を知られることの多い「William Strobeck(ウィリアム・ストローベック)」。最新クリップ“KING PUPPY”も注目の作品だ。そんなBillがニューヨーク・マンハッタンのイーストヴィレッジに暮らし始めたのは15年以上前のこと。「初めてニューヨークに滞在したのは89年だ。アップステートから車に乗って街に入った時、建物の壁はグラフィティだらけで、とにかくワイルドに感じたんだ。10年前でさえ、もっと色々なことが生々しくて、活気があった」と話すBill。時代とともに変化するニューヨーク市の様子を自宅に訪れた『HYPEBEAST』に語ってくれた。
「当時はとにかくバッドアスな感じだったんだ。ドラッグも溢れててさ。窓のない建物がひしめき合っていて、数軒先で火事があったって誰も気に留めないんだ。そしてそこにビートシーンがあった。当時一番カッコいいシーンだったんだ。多分それが、今の俺をインスパイアしてる気もするよ。MadonnaやBasquiat、Keith Haringはそういう中で育っていったんだ。500人くらいが集まって、映像を撮っているヤツもいれば写真撮影してるヤツ、バンド演奏しているヤツらもいて、その後みんながそれぞれ自分たちのスポットにくり出すんだ。当時のシーンはすごく精気があって、何かが起きてるっていう感覚があったんだ。」
ため息をついた後、彼は話し続けた。「それから2002年か03年に引っ越してきた頃も、この街はまだその空気を持ってた。アーティストも、どこかから逃げてきたみたいなヤツらも、みんながこの街に住めていたけど、今じゃここは特権階級の奴らしか住めない土地みたいになってるんだ。」Bill自身、環境の変化やインターネットの時代にも順応はしている。より安全になったことも確かだと認める彼は「この近辺にはより多くの金が出回って、目隠しされて歩きまわっても安全に感じるくらいだよ。そこは今のほうがいいね。10年前はせめて片目を開けていないといけなかった。心のどこかでイーストヴィレッジには住みたくないと思っているんだけど、俺にとってものすごく便利な場所なんだ」と話している。


もし引っ越すことになったら、またこの壁の写真を撮って、引き伸ばして次のアパートの壁に貼るさ

彼の写真でおなじみの背景といえば自宅の壁。そしてこの壁に貼られている大きく引き伸ばされた写真は、Billの前の自宅の壁だと知る人も少なくないはず。「これはタイムスタンプなんだ」と話すBillは、次に引っ越しても同様のことをするのかと尋ねると、「もし引っ越すことになったら、またこの壁の写真を撮って、引き伸ばして写真のバックドロップとして次のアパートの壁に貼るさ」と笑った。彼のリビングルームには、少なくとも30万枚は撮影されている彼の家に訪れたゲストの写真に度々登場するウィッグやかぶりもの、ベースボールバット、そしてエンターテイメントレストラン『Dave & Busters』の巨大なバナナのぬいぐるみなどが横たわっていた。そして、〈H-Street〉の『Hocus Pocus』や、〈Life Skateboard〉の『A Soldier’s Story』のパッケージに入れられた〈101 Skateboards〉の『Snuff』のコピー、今は亡きレンタルビデオ店『Hollywood Video』から拝借した映画『Kids』のコピーなど、数々のレアなビデオテープのコレクションがあり、フィラデルフィアのスケーターたちの思い出が詰まった“Embarcadero”と『Love Park』から持ち帰ったレンガとコンクリートの塊が並べられていた。
「Chloë Sevigny」を“Chlo”と呼び、「Jason Dill」との思い出を彼そっくりな声マネをしながら語る彼は、Dillの〈Fucking Awesome〉のスケートデッキをコレクションしている言い訳に、「(デッキの写真に写っている)こいつらの母親たちは多分、より多くの息子(娘)たちの幼少期の写真をとっておきたいと思ってるはずなんだ」と話した。

さらに彼の自宅には、90年代に作られた「Mark Gonzales」のブラインドフーディー、Gonzや「Black Flag」、「Photosynthesis」のヴィンテージプリントTシャツ、そしてDill よりプレゼントされたシリアルナンバー5/30と記された激レアな「Dash Snow」のジンなども目にすることができた。
壁に飾られた映画『Out of the Blue(邦題:アウト・オブ・ブルー)』の「Neil Young」のサイン入りポスターは、Billが担当した「Neil Young」の〈Supreme〉の撮影・インタビュー時に本人からもらったものだという。「Dennis Hopperは、2作目を作ってから少し低迷してたけど、この作品で復活したと思う。この時代のフィルムはマジでクールなんだ。この映画は音もリアルで、生々しく作ってあるし、ある意味fucked-upなんだ。めちゃくちゃなシーンがたくさん写ってるけど、俺の中でトップ3に入るfavorite fuckin’ movieだな」と語った。

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テキスト
インタビュアー
Madrell Stinney/Hypebeast
フォトグラファー
Eddie Eng/Hypebeast
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