世界のエキゾチックなスケートスポット10選

ズールー族の村から凍ったビーチまで

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カリフォルニアの小さなサブカルチャーから生まれ、今では世界中にその輪が広がるスケートボーディング。1940年代後半または50年代初期に、一部のサーファーたちによって生み出されたスケートボーディングという新しい遊びは、時間とともにアメリカ西海岸のみならず多くの地域の若者たちを虜にし、各国のストリートシーンに根付き、またそのシーンを形成する要素となった。そしてその誕生から半世紀以上が過ぎたここ数年、ファッションやライフスタイルといった側面でのトレンドの追い風も受け、大手スポーツ企業なども積極的にスケートボーディングに予算を投資。ついに2020年の東京オリンピクには正式種目として加えられるという、今後も益々注目度が高まるスポーツとなっている。
競技と呼ばれる一方で、その枠を超えた自由な在り方が多くの人々を惹きつけてきただけに、変化するスケートシーンにはさまざまな意見が聞かれるのも事実。上昇した人気と認知度のおかげで、スケーター人口やパークの数、投資される金額も増えているが、転じて大きな組織のルールや規制の対象となるなど、本来の魅力である“自由”が縮小しているのではという声や、単なる“流行り”としてファッションに取り入れられていることに違和感を感じる人々もいるのが現状だ。

しかしここは一旦、そんな不可避なパラドックスを忘れ、自由なスケートボーディングを求めて世界各国のスケートスポットへ思いを馳せてみよう。滑らかなコンクリートで整備されたスケートパークだけでなく、幻想的な景色やエキゾチックな風景の中で楽しむ、世界各地でのスケートボードのススメをご紹介。

 

インドネシア・バリ

何マイルも続く世界屈指の美しいビーチで有名なバリ島は、数々のサーフスポットがあるだけに、スケートスポットにも溢れている様子。波乗りからのブレイクとしても親しまれるスケートボーディングで楽しめるのは、車や人通りの少ない道の横に続く田園風景や古い寺院などの清々しい景色だ。

 

カンボジア

同じく東南アジアに位置するカンボジアでは、2011年にスケートボードを通じで地域のストリートチルドレンの救済を目指すNGO「Skateistan」がスケートパークをオープン。「Tony Hawk」もアンバサダーを務める「Skateistan」は、首都プノンペンでの活動を皮切りに、アンコール・ワットなどの遺跡で有名な街、シェムリアップなどにまでスケートボードのポジティブなムーブメントを広げているとのこなので、スケートトリップの目的地に、遺跡の街を加えてみては?

 

中国

80年代半ばに中国にやってきたとされるスケートボーディングは、長い間注目されるスポーツではなかったようだが、ここ数年で上海を始めとする都市部にはスケートパークが増えつつあるとのこと。そしてパークに頼らずとも、世界で3番目に広い国土を持つ中国なら、経済発展著しい深圳や、万里の長城のある北京、または西の果てのウイグル地区といった様々な土地柄で、ユニークなスケーボーディングを体験出来るはず。(治安にはご注意を)

 

ノルウェー

1978年から89年まで、ノルウェーではスケートボーディングが禁止されていたため、当時のハードコアなノルウェーのスケーターたちがランプを形成したのは、深い森や山の中など、法の目の届かないロケーション。今でも残されたそれらのスポットには息を呑むようなノルウェーの美しい自然が広がっている。そして寒さを恐れないスケーター諸君にうってつけなのは、ロフォーテン諸島北側に広がる極寒のスポット。ここでは、スケートボードで駆け抜けられるほどに凍った砂浜でのライディング体験が待っている。「Mot Nord (Northbound)」によるティーザーで、その様子を覗いてみよう。

 

南アフリカ

エキゾチックなワイルドライフと美しいビーチを誇る南アフリカ共和国。欧米ストリートカルチャーの浸透とともに、ここ数年で世界的プロスケーターたちの滞在も増えたこの国でも、スケートパークの数は上昇中。中でも見落とせないスケートスポットは、サウザンド・ヒルズの谷。「Indigo Skate Camp」によって、ズールー族の村に作られたスケートパラダイスは、地元の子供達へ、夢へのインスピレーションを与える場所ともなっている。

 

インド

国内初のスケートパークが作られたのはおよそ13年前のこと。以来スケートボーディングはデリー、バンガロール、ムンバイ、ゴアといった都市に根付いている。人々で溢れる中心地から歴史的な寺院、古くから残る小道をスケートボードで滑り抜けるのも、インドの新しい魅力を発見する方法かもしれない。

 

モロッコ

ここ10年ほどで急増したというモロッコでのスケート人口。アフリカ大陸北部に位置するエキゾチックなこの国では、カスバ街道やカラフルなバザール、ジオメトリックな建造物、マーブルのレッジなど、さまざまなトリックを試したくなるロケーションが溢れている。

 

キューバ

事実上、キューバでは路上でのスケートボードディングは合法ではないらしいので、このカリブ海の島国でスケートをするには、取り締りをかいくぐるちょっとした知恵とイマジネーションが必要。アメリカとの国交正常化がされたばかりのこの国では、スケートパークもなくボードも不足してはいるが、物資不足でもスケーターたちの情熱は止まらない。公園のベンチやカーブしたストラクチャーはそんなキューバの首都ハバナのスケータたちが集まるスポットになり、23番通りとGアベニューの交差点から、彼らは自分たちのスケートコミュニティーを“23 y G”と呼んでいる。今後も急成長しそうなハバナのスケートシーンも、注目ロケーションのひとつだ。

 

フェロー諸島

北欧の沖、ノルウェー海と北大西洋の間に浮かぶフェロー諸島は、ユニークな絶景に溢れた自然豊かな土地。デンマークからの独立を目指す自治政府を持つこの島々は、最近諸外国からも観光地として注目されてきてはいるが、簡単に訪れることのできない土地柄、もちろんスケーターたちにとっても未開のスポットの宝庫なはず。神秘的な島々で未知のスケートトリップを体験してみては?

 

ブラジル

2016年のオリンピック開催地としても脚光を浴びたブラジルのスケートヒストリーは、70年代にスタート。以来プロスケーターたちはこの南米のカラフルな街でいくつものスポットを見つけてきた。そんなポピュラースポットから、色の違うアマゾン川とタパジョース川が交わるミーティング・オブ・ウォーターズを横目に滑るスポットや、アマゾンのジャングルなど、ユニークでワイルドなスケートスポットを巡る旅がオススメ。

 

チャレンジ精神に火がつくロケーションや、ローカルのユニークなランドスケープを楽しむロケーション、その土地のスケートシーンの活性化に期待したいロケーションをリストアップしてきたが、心躍る目的地はあっただろうか?それぞれ魅力の多いデスティネーションだが、その土地の文化へのリスペクトもお忘れなく。

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テキスト
フォトグラファー
Chris Burkard, Anandhapradnya, Terry Xie, Lukasz Zamaro, Emmy Park
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