Kevin Durant の移籍によりNike が Under Armour の勢いを止める?

快進撃を続けてきた〈Under Armour〉へ、〈Nike〉のカウンター攻撃がはじまる

By //Footwear

Kevin Durant の移籍によりNike が Under Armour の勢いを止める?

快進撃を続けてきた〈Under Armour〉へ、〈Nike〉のカウンター攻撃がはじまる

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先日「Kevin Durant」がウェスタン・カンファレンスのチャンピオンチームへの移籍を発表したことで、バスケットボール界はもちろん、スポーツウエアブランド業界にも大きな波が訪れる様子。契約金5400万ドル(約54億4千万円)で「ゴールデンステート・ウォリアーズ」との2年契約を結んだと報じられたKD。8シーズンを過ごした「オクラホマシティ・サンダー」(加えてシアトルでの1シーズン)ではチャンピオンシップを手にすることはなかったものの、数々のMVP、4度のシーズン得点王、7度のオールスター選出、そしてカンファレンスタイトル1回という優秀な成績を残してきた。

オクラホマシティという土地に、現在のバスケットボールカルチャーをゼロから築き上げてきた人物と言っても過言ではないほど、DurantによるOKCへの貢献は偉大なものだったが、自らがチームのセンターピースとなりNBAの頂点を目指してきた過去8シーズンの間、NBAファイナルの優勝に手が届くことはなかった。唯一、2012年のカンファレンスタイトルを獲得し臨んだファイナルも、1勝4敗という結果で「マイアミ・ヒート」に惜敗している。

「そこに前進の希望がある限り、役目や仕事を離れるべきではない」という言葉が存在するが、KDにとって自らのキャリアと未来の可能性を考えたとき、オクラホマシティでは越えられない壁があると感じたのは明らかだろう。そしてフリーエージェントとなった今、「Steph Curry」らの所属するパシフィックディヴィジョンの有力チームのメンバーとして再出発する事を決断したのだ。

このDurantの決断は多くの関係者に影響を与えたのは言うまでもなく、KDのシューズスポンサーである〈Nike〉も然り。Curryの大活躍などでシェアを広げているライバルブランド〈Under Armour〉との売上競争にも大きな動きが出てくると予想される。

自らのキャリアと未来の可能性を考えたとき、オクラホマシティでは越えられない壁があると感じたのは明らか

2015年1月の『Wall Street Journal』のレポートによると、〈Under Armour〉は既にアメリカ国内のスポーツウエアの売上順位で〈adidas〉を抜き、全米2位に昇りつめているという。このボルチモアベースのアメリカンブランドは、着実に業績を上げるとともに、北米4大プロスポーツリーグのスーパースターアスリートたちのスポンサーを務めている一大企業。契約選手の中には「Cam Newton(キャム・ニュートン)」、「Bryce Harper(ブライス・ハーパー)」などのスターたちがいるが、その最たる注目選手が他でもない「Stephen Curry」だ。GSWの優秀なポイントガードとしての役割と、好かれやすく親しみやすい人格の持ち主である彼が〈UA〉の売り上げに絶大な貢献をしているのである。

優良チーム、優良選手が〈Under Armour〉のロゴを背負うことで、その売り上げは世界的な伸びを見せていて、中国市場を例にあげてもその好調具合がうかがえる。2014年の中国での〈UA〉の売り上げは3000万ドル(約30億円)であったのに対し、同ブランドは2018年での売り上げ予想を4億ドル(約403億円)に設定するほどだ。そして〈UA〉の人気はGSWチーム内でも明白で、「Klay Thompson(クレイ・トンプソン)」が着用する〈ANTA〉や、〈Nike〉の「Draymond Green(ドレイモンド・グリーン)」モデルの売り上げは足元に及ばないほど、Curryの〈UA〉は好調で、まさにNBAでは〈Under Armour〉の時代が到来しているのだ。

少なくとも今までは……。

約1ヶ月前、『HYPEBEAST』は〈Nike〉がDurantのOKC離脱を望んでいるのでは、という記事を掲載した。2014年にはバスケットボールのシグネチャースニーカーマーケットに於いて「LeBron James」に次ぐ売り上げを誇っていたライジングスターとも呼べるKDラインだったが、現在その売り上げは50%以上も下落。現在Bronnyモデルに次ぐ売り上げ2位の座はCurryモデルに奪われてしまった。そんな中KDのフリーエージェントが決定し、〈Nike〉が望んだのは他でもなく彼の移籍。怪我で調子の振るわなかった今シーズンを引きずり、OKCで獲れる見込みが希薄なタイトルを目指し続けるよりは、ここで大きな変化をもたらしKevinモデルの売り上げ回復を図りたかったはずだ。かつて「クリーブランド・キャバリアーズ」を離れたが4年後にチーム戻り、成績もシューズの売り上げも再生させたLeBronのように。

よってDurantのウォリアーズへの移籍の決断に、〈Nike〉が心を躍らせているのは十分想像できる。数年後、OKCに戻る可能性やそのドラマを想像しても、話題性と注目度は抜群なのだ。しかも移籍先は目下のライバル〈UA〉がサポートするスーパースター「Stephen Curry」の「ゴールデンステート・ウォリアーズ」。これ以上のシナリオは無いのでは?

そして今後予想されるのは〈Nike〉がKevinモデルへの莫大な投資をするというプラン。特にKobeの引退、そして2016年のNBAファイナルをGSWが惜しくも逃したという今、27歳の「Kevin Durant」を選手としても広告塔としても救世主として捉えるには絶好のタイミング。もちろん〈UA〉も「Stephen Curry」の人気を保つ策を講じるはずだが、〈UA〉の役目は彼がBtoBでMVPを受賞した名選手であると世界にアピールし続けること。ネガティブに捉えるならば、今シーズン73勝という記録を達成したにも関わらず、ファイナルをモノに出来なかったことを払拭しなければならないのだ。

風向きはおそらく〈Nike〉にとって好都合に流れているが、スウッシュも今後のKDモデル商戦がそう簡単に進むとは考えていないはず。〈UA〉の誇る「Stephen Curry」は既に地元に愛されるスーパースター。一方「Kevin Durant」は、そのベイエリアのファンとチームに対して、選手としての存在意義を証明し、人気を勝ち取っていかなくてはならないのだ。ちなみにこれも、2010年に「マイアミ・ヒート」に移籍したLeBronの状況と重ね合わせることができる。いずれにせよ、〈Nike〉がビルボードや店先など、オークランドの街中に「Kevin Durant」の名前を大いにプロモーションしていくことが予想できる。

Kobeの引退、そして2016年のNBAファイナルをGSWが惜しくも逃したという今、27歳の「Kevin Durant」を選手としても広告塔としても救世主として捉えるには絶好のタイミング

そして多少狡猾な考えだが、今後〈Nike〉にとって好都合なのは、万が一KDの成果がイマイチだったとしても、Curryが期待を裏切らずGSW自体が好成績を上げれば、〈Nike〉は巧みにそれをKDラインの売り上げ向上に利用できるということ。

現在〈Nike〉も〈Under Armour〉も今後の動きについてはコメントをしていないようだが、NBAのインサイダー「Adrian Wojnarowski」はTwitter上で、“Battle of the Bay(ベイエリアの戦い)”と称したコメントを投稿。「Steph Curryとウォリアーズの名のもとに好調な売り上げを築いているUnder Armourへ、Nikeのカウンター攻撃がはじまる」という内容のツイートだ。

さらに想像を膨らませると、〈Nike〉の社外役員である「Apple」社のCEO「Tim Cook(ティム・クック)」が、〈Nike〉の取締役リード・インディペンデント・ディレクターに就任したことも気になる事実。「Apple」の本社シリコンバレーはオークランドと同じベイエリアに位置し、たった数時間で往復可能な距離にある。何らかの形でテック業界の最大手が〈Nike〉のサポート、またはパートナーシップを結ぶという可能性はゼロでは無いのでは? との声がにわかに聞こえてきているのだ。

多くのことが未だ明かされず、予想や噂が飛び交う「Kevin Durant」の移籍だが、現時点で言えることは、今後〈Under Armour〉の独壇場が続く可能性は極めて低いということ。NBAゲームの行方とともに、今後のスポーツウエアブランドのマネーゲームの行方にも注目したい。

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