Public School 2017 Spring/Summer コレクション "We Need Leaders"
力強いメッセージとともにオフスケジュールで行われたメンズとウィメンズのコレクション
「Dao-Yi Chow」と「Maxwell Osborne」による〈Public School〉が、メンズウエアのファッションウィークよりひと足先に、オフスケジュールのショウを行った。ブランドフィロソフィーに沿って独自のトライブとも言うべきシーンを構築している〈Public School〉はこれより、従来のファッションシーズンを追うスタイルをやめ、完全に自分たちの作ったタイムラインに沿ってブランドを運営していく事を決めている。そして今回のショウでは2017年メンズ春夏コレクションとウィメンズのリゾートコレクションのプレゼンテーションを同時に行うとも発表していた。
この2コレクションで2人のデザイナーが掲げたテーマは“WNL”。“We Need Leaders(僕らにはリーダーが必要だ)”というスローガンだ。殺伐とした工場の雰囲気を湛える会場がシンボライズしていたのは、「リーダーになるべきじゃない人物がリーダーとして立ち上がってしまう様子。それはすごくディストピア(反ユートピア)で、『1984年(小説)』のオーウェリアン(全体主義)のような世界観だ。僕らはそこから目を覚まして立ち上がらなきゃいけない」とChowは語る。ランウェイに登場した服ではその革命軍とも言うべきミリタリー調のアイテムが際立ち、顔を覆ったルックなども見られた。ボックスシルエットのパーカーやトップコート、ボンバージャケットや、グラフィックプリントが施され“WNL”のメッセージが掲げられたアイテムが並び、ChowとMaxwellの得意とするハイファッションとストリートのフュージョン的世界観が見られる内容だ。ウィメンズのアイテムも同様の美学で展開。両コレクションには明るいイエローがキーカラーとして使われており、彼らはこれを「アクションを呼びかける色」としている。「このコレクションではレジスタンスを表現している。彼らは立ち上がろうとしている男女のアーミーなんだ」とChowは語った。
〈Public School〉のショウはステージに“We Need Leaders”という文字のスプレーペイントで締めくくられた。