Supreme が小説化
〈Supreme〉が取り巻くライフスタイルやそれに夢中になるファンをリアルに描く
チャイナタウンの転売屋『Unique Hype Collection』における〈Supreme〉の在り方について『The New Yorker』に記事を掲載した「David Shapiro」というライターが、今度は同NYストリートブランドを小説化してしまった。『Supremacist』は、地球上にある〈Supreme〉の全ショップを訪れた際に実際に起きた出来事を時系列で記すという設定。もちろんフィクションだが、かなり現実に忠実な描写もあるので、〈Supreme〉のファンではない読者でもどこを参照にしたかわかるはずだ。また、この小説には〈Supreme〉のレアなアイテム写真も多数掲載。『Supremacist』は一般的な〈Supreme〉至上主義の定義とは関係ないとしているが、ストリートウエアが取り巻くライフスタイルやそれに夢中になるファンたちの現状をとてもリアル、かつユニークに描いている。リリースは2016年7月5日(火)のようだが、ひとまず『Vice』の抜粋を翻訳した下記を読んでみてはいかがだろうか。
寝起きで浴びたシャワーの最中、僕は嘔吐した。「Camilla」と車で〈Supreme〉に向かう。僕らはオープンを待ち、店頭に並んだ。『Supreme LA』は僕が行ったことのある唯一のショップ。まるで家に帰ってきたような感覚だ。
共に店内をざっと見て周る。僕は全てのアイテムをチェックした。もちろん、値段は把握している。物によっては、使っている素材の%まで認識しているほどだ。「Camilla」は店員に声をかけ、試着の許可を取る。その後、僕たちは反射素材のストライプを配した「Hi-Vis Backpack」の前へと立った。きっと人にはどこにでもあるデザインに見えるだろうが、僕にはどんぴしゃだった。まさに求めていたものである。
彼女は僕に「ニューヨークのショップと何が違うの?」と訪ねてきた。だから僕はこう答えた。「ほとんど同じだし、それはオンラインにも言えること。違いと言えば、ニューヨーク店では売られていない地元デザイナーのTシャツを取り扱っていることぐらい。でも、僕はこれらに興味はないんだ。白い壁、木彫の床といった内装でさえも同じ。ラックもベンチもそう。でも、ニューヨーク店にはスケートボードを楽しむボウルが併設されていないんだよ。これが僕にとっては大きな違いなんだ」と。