Interviews: スケーター Dennis Busenitz が語る adidas Skateboarding のフィルム『Away Days』
ブランド初のフルレングススケートフィルム 5月30日(月)発売
〈adidas Skateboarding〉、〈REAL SKATEBOARDS〉、〈Volcom〉などのライダーとして活躍するプロスケーター「Dennis Busenitz(デニス・ブセニッツ)」。アンプレディクタブルでスピード感溢れるライディングが特徴の、世界最高峰のスケーターである彼が〈adidas Skateboarding〉のフィルム『Away Days』のプレミアツアーで来日した。5月30日(月)日本時間16時頃より「iTunes」で一般発売開始予定の、ブランド初のフルレングススケートフィルム『Away Days』には、Dennisを始め世代を超えた多くの実力派スケーターが登場。世界の主要都市を巡るプレミアツアーの超過密スケジュールの中、今回のフィルムを中心に彼の近況を尋ねた。
- 今回の日本はどうですか? 何か楽しかった場所はあった?
まだ日本に着いてから24時間ちょっと経ったところだよ。今回はあまり長くいられないみたいだけど、屋上にあるスケートパークには行ったよ。金を払ってリスバンドもらってスケートするところだった。そんなパーク初めてだ。そこの奴らにヘルメットを着けてくれって追いかけられたんだ(笑)。面白かったぜ。Gonzを全速力追いかけ回して、ヘルメットを着けさせようとしてる姿は笑えたね。
- でもきっとキレイに管理してあるパークですよね?
わからないけど、そういうルールなんだろ。面白かったよ。
- adidas Skateboarding チームには何年いるのですか?
10年になるよ。
- 今30……7歳でしたっけ?
34だよ。傷ついたけどまあいいよ(笑)。
- ごめんなさい(笑)。自分の子供たちにはスケートを教えてる?
(笑)子供は2人いるんだ。両方男の子。彼らがやりたがったら教えるけど、強要はしないね。好きなことをやればいいさ。
- 〈adidas Skateboarding〉の自分のシグネチャーモデルで一番気に入っているモデルは?
今は一番新しいVulcモデルかな。ミッドトップのもあるよ。
- 今回のフィルム『Away Days』について教えてください。ブランドとして初の1時間というフルレングスのフィルムだけど、特別な思いや気に入っているパートはありますか?
チーム全員が一つの作品を作り上げられたっていうこと自体が嬉しいよ。ちょっと前にGonzの新しいフッテージをみたんだけど、彼がスケートのことをより多く話してるパートも好きだね。
- 個人的に他のスケートビデオとの違いを感じるところは?
俺にとってはこれまで作ってきたどのビデオよりも大きなプロジェクトなんだ。スケーターたちの人数も、プロダクションに関わったメンバーもたくさんいた大きなチームだ。その全員の努力が形になった作品は感慨深いよ。しかもadidasとの作品だしな。かっこいいものができないわけがないと思っていたけど、ホントにいい仕上がりだよ。
- 今作にはDennis以外にも、Gonzをはじめ、Silas、Lucasほか、大勢の誰もが認めるレジェンダリースケーターたちが出演している一方で、若手のNa-KelやTyshawnといった十代のスケーターも登場していますよね。以前あるインタビューでフォトグラファーの「Skin Philips」が、彼らのような新しい世代を良い意味で宇宙人みたいなキッズだと言っていましたが、彼らと一緒にいて面白いこと、新しい発見などはある?
宇宙人とまでは言わないけど、確実に俺たちとは違う世代だね。まるで37歳になったような気にさせられるよ……冗談さ(笑)。彼らはいいチームメイトだよ、新しいエナジーを持ってきてくれるし、スケートに夢中だからね。彼らならではの情熱とカルチャーはいい刺激だと思う。もちろんクソガキみたいなことをしたら嗜めることはあるけど、それは宇宙人でも人間でも何歳でも関係ないことだろ(笑)。
- そうですね(笑)。ここ数年のインターネットやソーシャルメディアの発展の中でティーンエイジャーとして育っていくなんて、大人からしたら想像できないことだし。
スケーターに限らず一般的な話だけど、新しい情報ツールを使うのは自然なことだろうね。数分間であれ、15秒であれ、自分の主張が不特定多数の人に届きやすくなったし、そのペースは昔と比べて圧倒的に早くなった。スケートボードだって、自分を超えることはもちろん、誰かより上手くなりたいとか、何かの栄光がほしいと思って練習して勝ち取っていくものでもあるから、世代に関わらず注目されたいと思う奴らがいるのは当然だよ。そこに現代のツールが活用されてるだけだ。現代のスピードでね。俺はただこの時代にスケートボードを始めた世代じゃなくてラッキーだと思うだけだな。トゥーマッチだよ(笑)。
- Dennisのスケートボーディングといえばスピード、疾走感という印象だけど、自分のスケーティングのスタイルというか、意識していることはありますか?
スタイルを持ったつもりはないし、スタイルを持たないのがスタイルかもね。滑りながら何か考えているわけじゃないし、だいたい頭の中は空っぽで、同時に目の前のこと集中してるだけなんだ。答えになってないかもしれないけど、楽しんでるだけなんだよ。
- 『Away Days』の中で印象に残ったスケーティングスポットは?
うーん、今頭に浮かぶのは、台湾の橋の上かな。コンクリートアイランドみたいなところに人が座ってて、そこでスケートしてたんだけど、夜になったら突然変なライトアップが始まってクラブみたいになったんだ。不思議な光景だったよ。アメリカの道端ではそんなこと起こらないからね。
- アジアの都市でスケートボードをするのはやっぱり欧米でのそれとは違うんでしょうね。道は狭いのに人はたくさんいるし。
そうだな。東京でスケートボードしてるとすぐに怒られるしね。でも前に鹿児島に行った時は、一度も咎められなかったよ。
- スケートボーディングがオリンピックの公式種目として検討されている事について思うところは? ストリートから生まれたもので、今はライフスタイル、文化でもあるものに規定を作ってジャッジするという事に違和感を感じる人もいるようですが。
それについては強い意見を持っている人も多いみたいだけど、個人的には特に反対はしないな。じゃあ新体操はどこから来たんだって話だろ? どんなスポーツだって人間が始めたんだ。簡単に言えば、あるアクティビティーがスポーツとして広まって、いいじゃん、じゃあジャッジしてもっと公式っぽくしようぜ。って流れだろ? スケートボーディングはまだまだ若いスポーツだ。見方を変えれば、それなのに競技として検討されるっていうのはいい事なんじゃないかと思うよ。スケートボーディング自体ワイルドに進化しているスポーツだと思うし、オリンピックの競技になろうがなるまいが構造みたいなものができていたりもするしね。
- 好きなファッションブランドやアウトフィットのスタイルはありますか?
特にないね、つまんないスタイルだ(笑)。服のスポンサーは〈Volcom〉だから、彼らがナイスなものをくれることはもちろんあるけど、すごくこだわりがあるわけじゃないんだ。
- 〈REAL〉のチームメイトKeithはファッションブランド〈HUF〉をやっているし、Gonzはアーティストでもあるけれど、彼らのようにスケートボーディング以外で何か始めようと思っていることは?
あるようでないかな(笑)もし始めるとしても、自分の名前を表立ててはやらないと思う。何か始めた事に人が批評するのは当然のことだけど、俺はそこにあえて自分の名前を出して批判にさらされたくないからさ(笑)。少なくとも今はね。