G.O.O.D. Music のプレジデント Pusha T が語る自身のマネージメント

レーベルの社長となった彼への特別インタビュー

ミュージック
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インタビューに訪れたのは『デラノ ラスベガス』のペントハウススイートルーム。「Pusha T」が腰掛けるゆったりとしたソファの傍には、金色のDJブース、その向かいの壁際にあるプラズマTVはトークショウに出演する「T-Pain」の姿を映していた。ミュートになっていたTVに視線を向け少し間を置いた後彼は、「マディソンスクエアガーデンを埋め尽くしたばっかりなのに、もうKanye Westの今後のプロジェクトをいったいどうしていくんだっていう質問だろ? 今後どうやって予想や期待値を上回るつもりかって。」と笑った。Kanyeと共に制作された彼の“Numbers on the Board”、“Mercy”、“M.P.A”などの楽曲からも想像できる通り、友人であり仕事仲間であるKanyeとの長きに渡る関係性は昨年、「Pusha T」がKanyeの立ち上げたレーベル「G.O.O.D. Music」の社長に就任し、新たなステージを迎えた。

「一本の電話で決まったんだ。’Yeから電話があって、社長にならないかって言われたんだ。」音楽だけでなく、お互いそれぞれのファッションレーベルも持つ二人。Kanyeの築いたエンパイアは言うまでもなく、昨今のスニーカー戦争や、先日の物議を醸したファッションショーなどでも知られているが、Pushaが始めたブランド〈Play Cloths〉も、“よくあるラッパーが始めたファッションブランド”とは一線を画したレーベルとしての展開を目的としている。アーティストとして多くの共通項をもつPusha Tは、kanyeにとって社長というポジションを任せる人材としてごく自然に選ばれたようだ。「社長っていうのはものすごく発言権があるポジションだけど、A&Rっていう仕事は、うちで磨きあげればものすごく輝く才能の原石を見つけることが大事なんだ。」と話すPush。そして彼は現在、 「G.O.O.D. Friday」、「G.O.O.D. Festival」といったオフラインイベントなども通じて、レーベル自体の一体化、世界観の構築に力を入れている。そんな彼が、高級ホテルの61階のスイートルームにて、ブランドづくりの鍵となる要素を語ってくれた。

Surround Yourself  With G.O.O.D. People(良き仲間と一緒に過ごすこと)
「G.O.O.D. Music」と 〈Play Cloths〉両方のマネージメントをする立場として「Pusha T」が特に重要視するのはチームワークだという。“常にオープンでいることが大事なんだ。プレジデントっていう肩書きはひとつだけど、俺の仕事はチームワークで成り立ってるんだよ。」と、成長する上でのチームワークの重要性を第一に挙げた。「音楽でもファッションでも、何が起こっていて、何がトレンドなのか、色々な意見や見方を理解した上でチームプレーをしてるんだ。意見交換ができる仲間と一緒にいることが必要不可欠だと俺は思うね」

Know When You’re Wrong(自分の間違いを知ること)
慎ましい態度というのは、良いリーダーにとって欠かせない条件と言えるが、「Pusha T」にとってもそれは自らに必要なクオリティだと話す。「以前はリリースの度に色んなやつらと言い合って、全てに口を出したこともあった。それが正しい時もあれば間違っていることも当然あったけどな。でも今は、俺をよく理解しているヘッドデザイナーやレーベルマネージャーに任せてるよ。彼らは今までのことを見てきているし、その過程には俺の間違った判断もあった。その間違いについて、俺は彼らと話して共通の理解を持っているんだ。なぜ、そして何が間違っていたか、何を知らなかったのかを理解しない限り、全てを知ることはできないだろ? 一人だけの力で完璧になることなんてできないんだ。」
Engage Your Audience at Every Level(様々な角度からオーディエンスにアプローチをする)
音楽、ファッション、アートといったクリエイティブの分野では、年々その境界線が薄れ多様化している。そんな中、様々なオーディエンスの心をつかみ、アーティストの忠実なファンを増やすのは最も重要なことと言えるだろう。こうした背景のもとレーベル、そしてPush自身が求める人材とは、“マルチな才能”。レーベルのサポートによってミュージシャンとしてだけでなく、パフォーマー、そしてある種のタレントとして花開く人材だ。「G.O.O.D Musicはカルチャーなんだ。今、音楽やファッションシーンでアツいことは大体G.O.O.D MusicやDONDAに関係してる。俺はレーベルが音楽だけじゃなくて様々なところでスポットライトをあびる存在になるようにしているんだ」

何が間違っていたのかを理解しない限り、全てを知ることはできない。一人だけの力で完璧になることなんてできない

Business Can Also Be Creative(ビジネスに置いてもクリエイティブな視点を活用する)
アーティストとして、レーベルの社長として、それぞれの役割をこなす必要のある彼は、「1つのことをする代わりに別のことを諦めなきゃいけない場合はしんどいね。ビジネスとして受けた方が利益につながるっていう考え方も大事だけど、俺はアーティストが絡む決断の場合は、クリエイティビティが活かされるかどうかに重きを置くんだ。そうやってファンを楽しませること、ファンに新たな経験を提供することが第一だよ。俺たちのクリエイションはこれまでずっと多くのファンたちに見られ、期待されきたものだ。ファンも、次は何が起きるのか期待してるんだよ。 最終的な目標は、クリエイティビティを最高値まで高めることだけど、G.O.O.D. Musicというレーベル自体も利益を生んでいかないといけないよね」

Stay Consistent(一貫性をもつ、もたせること)
「Pusha T」とレーベルのA&Rチームによると、彼らが求める人材はこちら。「ファンの作り方、自分のクリエイティビティを世の中に出す方法、インターネットの力を理解し、100,000人のフォロワーがいて、どこのレーベルにも所属していなくてもツアーができる才能のあるキッズだよ。俺はアーティストの楽曲だけじゃなく、その他に彼らがアウトプットするもの、一貫性、そしてソーシャルメディアの基盤の作り方に注意を払っているんだ。他人のからのインターネットのフィードバックへの反応や対応を見るだけでも、そいつの一貫性を測るのは簡単だからね。俺みたいな立場の人間は、そういったメディア対応スキルを伸ばしてやることが大切なんだ」

「Pusha T」、「Travis Scott」らが参加した「G.O.O.D. Music」と『HYPEBEAST』によるライブパーティーのリキャップはこちらからチェックしてみよう。

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