Interviews: フォトブック『KILLING TECHNOLOGY』を制作したメルキオ、Ed Banger のペドロ、Études Studio のニコラスが来日
「Ed Banger」 と『bonjour records』で実現した日本でのローンチ
フレンチエレクトロミュージックレーベル「Ed Banger Records」の出版ライン「HEADBANGERS PUBLISHING」が、新たなカルチャー/アートブックを出版。6年の歳月をかけて、フォトグラファー「Melchior Tresen(メルキオ・トレセン)」が撮影したメタルヘッズたちのパッチジャケットにフィーチャーした写真集である。パリの『Colette』に続き、銀座『bonjour records』にてフランス国外初となるローンチイベント開催のため来日したMelchior、「ED BANGER」の「Pedro Winter(ペドロ・ウィンター)」、そして本のデザインを手がけた〈Études Studio〉のスタジオディレクター「Nicolas Poillot(ニコラス・ポイル)」に、この本についてのストーリーを聞いた。
- まずこの本について教えて下さい。出版のきっかけは?
Pedro: これまでHEADBANGERS PUBLISHINGは音楽についての本を作ってきたんだけど、ゆっくり制作の範囲をアートブックにまで広げたいとは前から思っていたんだ。それでまず、「So-Me(ソーミー)」のアートブックを出版して、そのあと「Jean André(ジャン・アンドレ)」の本を出したんだ。Melchiorは3人目ってことになるね。本への思い入れは本人に話してもらったほうがいいね。
Melchior: すごくユニークな本を作りたかったんだ。僕がメタルヘッズたちのベストに魅せられたのは、そのオリジナルで個性的なところ。当たり前だけど、同じものなんて一つもないんだ。それと、元のジャケットやベスト、そして縫いつけているパッチは量産品だろ? でもそれを手で縫ってカスタムしていく事で唯一無二のベストが出来上がるのって、DIYの精神がマスプロダクトを負かしてやったっていう感じがするんだ。6年くらいかけて撮りためた写真だよ。
- すごいボリュームですね。どのような構成なのですか?
Nicolas: この本はね、3つのセクションに分けてあるんだ。ベストのカタログのようなのページ – ちなみにこれは、彼(Melchior)がフェスに白いシーツを持って行って、その場にいるベストの持ち主たちに借りて撮影したもので、その後にはフェス会場で実際持ち主が着用している写真。そして、最後には彼(Melchior)のパッチコレクションがバンドごとに並べられているページだよ。
- この何ページか続く黒いブランクには何か意味があるのですか?
Nicolas: セクションの切り替えごとに、マインドをリセットできるように真っ黒なページを挟んだんだ。持ち主によっては、ここに何かを自分なりに付け足すのも面白いんじゃないかな。
Pedro: Nicoが一番良い見せ方をデザイン、ディレクションしたんだよ。
Nicolas: 本のデザインもPedroが自由にやらせてくれたからね。彼ら(「Headbangers Publishing」)はデザインする側のクリエイティビティを極力尊重してくれたよ。
- ちなみに、この本のタイトル、『KILLNG TECHNOLOGY』の由来は何ですか?
Melchior: 「Voivod(ヴォイヴォド)」っていうバンドのアルバム名なんだ。さっきもちょっとDIYについて触れたけど、僕はハイテクにあまり親近感が湧かなくて、ローテク、DIY、オールドスクール、クラフツマンシップ、ハンドワークみたいなものが好きなんだ。そうやって作られたタイムレスなものを、本っていうフィジカルなものに残すのって、時代やテクノロジーに逆行してるなって思ったんだよね。
- ではまさに言葉そのものの本が完成したわけですね。この本の印象として、写っている人物の顔も出ていないし、ただ単にメタルヘッズのためだけに制作したような感じがしないというか、いい意味で記録的で匿名感があるように感じますが、それは意図的に?
Melchior: そう見えたならよかった。僕はヘヴィメタルっていう一部のカルチャーにフォーカスして本を作ったけど、この本はメタルヘッズだけに向けて作ったわけじゃなく、この文化の外側にいる人たちにももっとフレンドリーなアプローチをしたかったんだ。だから特定の感情やアティチュードを前面に出して特定の印象を誇張しないようにしたんだ。ベストやパッチ、彼らの後ろ姿自体から、主張やキャラクターや物語が感じられると思うんだ。
- 話は変わりますが、今回の来日でやりたい事は?
Pedro: Melchiorは日本に来るのが初めてなんだ。でも小さい頃から日本の漫画が大好きだったっていうから、週末中野ブロードウェイに連れていくよ(笑)。あそこめちゃくちゃで面白いだろ?
- 日本の漫画好きなの!? お気に入りは?
Melchior: 僕も僕の友達も『ドラゴンボールZ』や『聖闘士星矢』、あと『北斗の拳』を見て育ったんだ。見て。これ『聖闘士星矢』の5人の名前!
(腕に星矢、瞬、紫龍、一輝、氷河の名前のタトゥーが!)
現在銀座『bonjour records』にて、Melchiorの撮影した写真と、彼自身が制作したベスト3着(本人はこれまで7着制作したとのこと)が展示されている。そして同店舗では限定のTシャツとカセットも数量限定で販売中。初版500冊のうち、日本に入荷した貴重な数冊が手に入るこの機会をお見逃しなく。
bonjour records THE PARK・ING GINZA
住所:東京都中央区銀座5-3-1-B3F


















