Sneakers : Katsufumi Tokunaga of SOMA
日本一のヴィンテージスニーカーショップ『soma』のオーナーがデッドストックで所有する超希少なスニーカー10選
『HYPEBEAST』は元々スニーカーブログとしてスタートしたということもあり、我々は日々、最新のスニーカー情報をフォローしている。近年は「Kanye West」、「Drake」といったストリートアイコンやブランド/ショップとのコラボレーションモデルが高額で取引されており、昨年はアメリカの市場だけで約1200億円の売買が行われていた。しかし、同時に過去のアーカイブを辿り、オリジナルの復刻も目立つ今日この頃。つまり、これはブランドがその起源や初代モデルを色褪せないものとして、後世に残したいという想いの現れでもある。
そこで、今回の#Sneakersでは、本物のオリジナルであり、現行スニーカーの起源とも言える“ヴィンテージ”に焦点をあて、ヴィンテージスニーカー屈指の博識者として業界からも一目置かれている下北沢『SOMA』のオーナー「徳永勝文」氏に協力を依頼し、至極のコレクションを紹介していただいた。
2003年8月にオープンし、先日13周年を迎えた『SOMA』。徳永氏が初めて購入したヴィンテージスニーカーは、中学3年生の頃にお年玉などの貯金を全てつぎ込み、古着屋で購入した「Air Jordan 1」の黒青。『Boon』などが時代を牽引した90年代中期はまさにヴィンテージブーム真っ盛りで、徳永氏も自身が大学生だったこの頃から本格的にスニーカー収集をスタート。そして、カナダでのガーデナーの経験を経て、自身のコレクションを販売するところから『SOMA』がスタートしたという。
そんなヴィンテージスニーカーの雄である徳永氏が、「あまりブランドも被らない方が面白いよね(笑)」と言いながらピックアップしてくれた10足は、下記のとおり。『HYPEBEAST』ともコラボした“あの”ブランドの今では想像できない当時ものから、若いヘッズたちが知らないであろうメーカーのものまで、他では絶対に見ることのできない見応え満載のラインアップをお見逃しなく。
Converse Chuck Taylor
〈Converse〉を代表する名作「Chuck Taylor」。カラーはゴールド。このゴールドが希少で、サイズ/状態が良いと結構いい値段のつく一足。黒パッチ、通称“一つ星”。70’sで、MADE IN U.S.A.なのは言わずもがな。
ASICS Tiger PANAM
〈ASICS Tiger〉らしい、スポーティーなトリコロールを採用したランニングシューズで、80’sのMADE IN JAPAN。クッション性を向上するためのミッドソールが特徴。デッドストックで、サイズは10 1/2。
New Balance 620
MADE IN CANADAなので、おそらく80’s。保存状態はデッドストック。たまに出てくるモデルだが、色、作り共に申し分ない。現在の〈New Balance〉とは違い、木型はやや長め。素材はメッシュにスエードをパネリングしており、サイドの“N”はレザー。
Reebok Aztec
1978年に米国ランニング雑誌『Runner’s World』で最高の五つ星を獲得したランニングシューズ。クッション性の優れたデュアルデンシティミッドソールにより当時のシリアスランナーから絶大な支持を得た。デッドストック。
OSAGA モデル名不明
〈Nike〉と同じくオレゴンで誕生したマイナーブランド。矢印型のマークが特徴のベクトルライン。80’sでMADE IN TAIWAN。
Etonic KM300
1876年にマサチューセッツ州郊外で創業した靴工場が前身で、100年後に社名を〈Etonic〉に改名。この「KM300」は、80’sのMADE IN JAPAN。シューレースをループさせるスタビライザーが配された気の利いたモデル。
PUMA SOFT
70’s、MADE IN WEST-GERMANY、デッドストック。発色の良いスエードに〈PUMA〉らしさを感じるランニングモデル。作りの良さを感じる。ナイロンとスエードのコンビネーション。
Nike LD-1000
〈Nike〉全体で見ればよくある配色だが、「LD-1000」で出やすいのはイエローxオレンジ。このブルーxイエローは、製造期間が76年から77年と短いがゆえにレア度が高い。70’sで、MADE IN JAPAN。筆記体タグ。前期と後期でソールの広さが異なり、前期はソールが広くふくらはぎを傷つけるということで、改良された。
adidas Superstar
金ベロ、70’s、MADE IN FRANCE。何度も復刻されている名作。カラー的にもホワイトxブルーは希少価値高め。
Nike Air Python
1987年にリリースされた「Air Jordan 2」と同い年のバスケットシューズ。その名の通り、パイソン素材が特徴。MADE IN TAIWAN。
いかがだっただろうか。#Sneakersの取材後には、徳永氏にヴィンテージスニーカーの魅力や昨今のスニーカーシーンについて話を伺う機会をいただいたのだが、徳永氏にとって、現行スニーカーと自身がコレクションするそれは、同じスニーカーでも全くの別物だという。確かに、「Air Jordan 1 “Chicago”」を年代別に比較した際にも、ディテールや構造に多くの違いが存在していた。徳永氏曰く、ヴィンテージには、形、色、素材、製造国、雰囲気、匂いなど、現行にはない魅力が凝縮されていて、オリジナルをリアルに見ているから世代は、背景までを含めてスニーカーの魅力を理解しており、今でも納得して履くことができるという。
『SOMA』ではウレタンのシューズを取り扱っていないため、保存状態の良いものやデッドストックが数多く店頭にディスプレイされている。真のスニーカーヘッズとして一層理解を深めたいという方は、ショップまで足を運び、ヴィンテージの魅力に直接触れてみてはいかがだろうか。
SOMA 下北沢
住所:東京都世田谷区北沢2-12-2 ミナナミコーポ102
Tel:03-5430-0307
営業時間:15:00〜20:00