Larry Clark 監督作品『KIDS/キッズ』の未公開写真
伝説的映画『KIDS/キッズ』の衣装を担当した「Kim Druce-Sava」へのインタビューと、彼女が選んだ現場での未公開の写真
フォトグラファー、アーティスト、そして映画監督である「Larry Clark(ラリー・クラーク)」が、映画『KIDS/キッズ』をリリースしたのは1995年のこと。以来そのセンセーショナルで衝撃的な作品は、現代のユースカルチャーやファッションにおいても揺らぐことのない存在感を放っている。当時、ニューヨークのユースコミュニティの真っ只中にいた若き「Harmony Korine(ハーモニー・コリン)」によって書かれた『KIDS/キッズ』の脚本は、未成年たちのスケートボード、飲酒、セックス、ドラック、そしてエイズの脅威にまみれたリアルな日常を描いた衝撃作として話題となった。ドキュメンタリーフィルムのように撮影された、生々しくも美しい”クール”な映像は、当時の他のティーンムービー(同年公開の『クルーレス』など)と一線を画す異色の作品として評価されていく。キャスティングも、メインキャラクターの一人「Jennie」を演じた「Chloë Sevigny(クロエ・セヴィニー)」、「Ruby」役の「Rosario Dawson(ロザリオ・ドーソン)」といった有名女優のほか、「Jeff Pang(ジェフ・パン)」、「Javier Nunez(ハビエル・ヌネズ)」といったスケーター、さらに〈Supreme〉のオリジナルライダーとも言われる、今は亡き「Harold Hunter(ハロルド・ハンター)」や「Justin Pierce(ジャスティン・ピアース)」らが出演しており、ニューヨークのリアルなスケートキッズたちを数多くキャスティングしていることでも有名な作品だ。
「Clark」やキャストを含む撮影クルーはニューヨークの〈Supreme〉の店先でハングアウトし、撮影も行っていた。昨年、映画公開20周年を記念してスペシャルコラボレーションもリリースした〈Supreme〉が行ったインタビューにて、「Clark」は映像について、「何が撮りたいかすごくはっきりしてたんだ…… ドキュメンタリーでも撮ってるんじゃないかっていう映像だよ。見る人たちが到底触れることもできない世界を覗き見ているような感覚を作りたかったんだ。だからああいう風に撮ったんだよ」と語っている。
そして最近、『KIDS/キッズ』の衣装を担当した「Kim Druce-Sava」へのインタビューと、彼女が選んだ現場での未公開の写真が『DAZED DIGITAL』にて公開された。以下の抜粋と共に、ポラロイド写真の数々、そして再度、〈Supreme〉による「Larry Clark」インタビューをチェックしよう。
キャストについて:
映画は毎回挑戦と学びの連続だわ。 – それまでニューヨークのスケーターとも、ジェネレーションXの子供たちとも仕事をしたこともなかった。でも、私がそのジャンルを熟知する必要はなかったの。彼ら自身がエキスパートだったのよ。– 彼らは自分たちのことをよくわかっていたし、その小さな世界の中でただ自分を演じればいいだけだったの。私は彼らのリードについて行くだけだったわ。
キャストの衣装について:
アンチファッション。『Macy’s』みたいなデパートで見る服なんかに触れることはほとんどなかった。現実的な服、誰かのお下がりといった服ね。マンハッタンのダウンダウンに暮らしているお金のない10代やハタチそこそこのキッズ達だもの。でもお金がないからといってスタイルがないわけではないわ。
「Chloë Sevigny」の印象的なブルーのシャツについて:
あのシャツは彼女本人が持ってきたものよ。だからスペアが用意できなくて私が大事に管理していた特別なシャツね。Chloëは本当に愛おしい子だったわ。Rosarioもね。彼女達はプロフェッショナルだったし、とても可愛らしかったの。『KIDS/キッズ』は彼女達が初めて完璧に演じきった作品だったと思うわ。現場では私とヘアメイクを担当していたTracyが、大人の女性として彼女たちのケアをしていたわ。
〈Supreme〉 の衣装協力について:
とても協力的だったわ! すでにいくつかのシーンで着ていたから、お店に行けばたくさんアイテムを出してくれたの。
彼女のニューヨークのアパートで即興の撮影について:
サイズやキャラクターについて話すために出演者たちの電話番号をもらっていたんだけど、キャストが増えていく度に電話番号を聞いていたら、最終的には私の電話番号を渡してくるようになったの! みんな私のスタジオに泊まりに来ていたのよ。嬉しいと思ったしとてもキュートだと思った! みんな自分の子供のように思えて本当に可愛かったわ。