A Lifetime of Style: meanswhile 藤崎尚大

「僕にとってデザインするということは、機能性が高まっていくことなんです」

ファッション
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現在、“アウトドア”や“機能ウエア”は世界的に注目を集めるトレンドの1つであり、日本でも〈THE NORTH FACE PURPLE LABEL〉や〈BURTON THIRTEEN〉、〈MHW SPECIALLY FOR N.HOOLYWOOD〉など、街とアウトドアシーンをリンクさせるブランドの台頭が著しい。そのなかで、「藤崎尚大」氏の手がける〈meanswhile〉は、このカテゴリーのマインドと彼の独創的なアイデアを融合させ、服を衣装ではなく、“身体に最も近い道具”として提案している。

「父親が美術家なので家には作品があり、幼い頃から美術に触れる機会は多かったですね。ですが、反面教師ということもあり、学生時代は選択授業などでも美術を避けてきて。(笑)でも、高校卒業後に“何でもいいからものづくりをしたい”と思った背景には父の存在があったかもしれません」と語る藤崎氏は、『土佐日記』の舞台でもある高知県南国市の出身。豊かな自然に囲まれて育った同氏は、毎週のように父親とキャンプに出かけていたそうで、「これは父からの唯一の教えなのですが、“植物や風景など、自然のものはなるべくしてなった形がある”。つまり、全てに理由があってその形になっているので、そういった必然や理由を考察してヒントを得ています」と、他とは一線を画す創造性豊かなアイデアのインスピレーションソースを明かしてくれた。

“meanwhile=所変わって”と“means=手段”、この2つのワードを組み合わせ、本流からあえて逸れることを美学とする〈meanswhile〉は、2014-15年秋冬シーズンにローンチしたばかりの気鋭ブランドだ。藤崎氏は「デザインする上で最も重要なことは、“デザインには100%機能が付随する”ということ。それはどの業界でも当たり前のことですが、ことファッションにおいては“ここにリボンがあったら可愛い”など、装飾的なニュアンスも強い。でも、僕にとってデザインするということは、機能性が高まっていくことなんです」と伝えた直後に、コーチジャケットを手にする。「このコーチジャケットはフラップをカットしていて、一見デザインのようですが、隠しポケットの引き手の機能を持たせています。もし、これが繋がっていると、全部のボタンを開閉しないといけないので」。

また、CORDURA®ナイロンを使用したバックパックについても、「手がふさがることを嫌う人も多いですよね。なので、中にものを入れるのはもちろんですが、このバックパックは外付けで荷物を装着できるように色々なところにベルトを付けています。上下左右のベルトが馴染むようにロールトップのディティールを採用していたり、(別売りの)ウエストバッグも装備できたりと、多様な使い方ができる設計にしました」と圧巻の機能性についてレクチャーしてくれた。

「〈meanswhile〉はファッションとプロダクトの橋渡し。常にその中間を意識したものづくりを意識しています」と語る藤崎氏。今後の展望について尋ねると、「作りたいものはたくさんあるので、今以上に幅を広げていきたいですね。レディース展開も視野に入れています」と力強く先を見据えた。〈meanswhile〉のプロダクトにはデイリーシーンやアウトドアライフをより豊かなものにする真の機能美が宿っている。ここでピックアップできなかったアイテムにもさまざまな趣向が凝らされているので、気になる方はこちらから各アイテムのディテールをチェックしてみてはいかがだろう。

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