David Bowie が異彩を放つ10のアーカイブ

俳優業からISP開設まで、音楽以外でも才能を発揮した「David Bowie」

アート
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イギリス生まれの世界的スター「David Bowie(デヴィッド・ボウイ)」の他界……それは最新アルバム『★(Blackstar)』のリリース、そして自身の69回目の誕生日を迎えた2016年1月8日から2日後のことだった。アンドロジナスで芝居ががったプレソナを持つ彼の表現は、常に多角的で前衛的、そして挑戦的なものだった。唯一無二な彼が持つ、音楽、アート、フィルム、ファッションなど様々な分野での多大な影響力と存在感は、60年代から現代に至るまで色褪せない。

数々の表現の舞台で、新しいスタンダードや目線を提示し続けてきた「David Bowie」。時代背景や取り入れる音楽のジャンルが変わっても一貫された「David Bowie」という世界観は、現代のポップアイコンにとって一つのロールモデル以上とも言える伝説的な存在だろう。

音楽活動のほか、映画『Merry Christmas, Mr. Lawrence(邦題:戦場のメリークリスマス)』などでの俳優業など、50年にもおよぶ彼の表現者としてのキャリアはもちろんここでは語り尽くせないが、中でも興味深いイノベーティブな10のプロジェクトをピックアップした。

「Ziggy Stardust」としての「David Bowie」

「David Bowie」が演じる最も有名なオルターエゴ「Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)」。5作目のスタジオアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(邦題:ジギー・スターダスト)』のリリースから彼は、架空のロックスター「Ziggy Stardust」として活動した。1年以上に及んだこの活動で、地球の外から来たグラムロック界のトップスターを演じ、音楽番組『Top of the Pops』での“Starman” など、自らのバイセクシュアルであるという性的指向を反映させたパフォーマンスなども行った。

「Martin Scorsese」映画でのピラト役 

 1988年の 「Martin Scorsese(マーティン・スコセッシ)」監督作品、『The Last Temptation of Christ(邦題:最後の誘惑)』に俳優として出演。キリストを題材にしたストーリーの中で、最も物議を醸した”ピラト”役を演じている。

『Saturday Night Live』での時代を先駆けたパフォーマンス

1979年、「David Bowie」はドイツ人パフォーマー「Klaus Nomi(クラウス・ノミ)」を招き『Saturday Night Live(サタデー・ナイト・ライブ)』に出演した。「Brian Eno(ブライアン・イーノ)」と製作したベルリン3部作と呼ばれる『Low(ロウ)』『Heroes(邦題:英雄夢語り』、『Lodger(ロジャー)』リリース直後の出演となる。コンセプチュアルで前衛的なパフォーマンスは、80年代から始まるニューウェーブスタイルの先駆けとも言われ、操り人形のようなコスチュームなども話題となった。

映画、舞台でのヒューマノイド・エイリアン役

オフブロードウェイなどの舞台でも度々スポットライトを浴びていた「David Bowie」は、『The Man Who Fell to Earth(邦題:地球に落ちてきた男)』でヒューマノイド・エイリアン「Thomas Jerome Newton(トーマス・ジェローム・ニュートン)」役を映画と舞台で演じた。

オリジナルISPの開設

彼の未来を見つめる目は、テクノロジーへも向けられていた。1998年には〈BowieNet〉と名付けた独自のISP(インターネットサービスプロバイダ)を開設。「Jesus and Mary Chain(ジーザス&メリーチェイン)」、「 The Specials(スペシャルズ)」「Spacehog(スペースホッグ)」や自身のウェブキャスト、そして「The Rolling Stone(ローリングストーンズ)」によるスペシャルコンテンツなどが用意されたハイスピードインターネットプロバイダ。月額$19.95 USD(約¥2,300)で、ユーザーには未発表のライブ音源とビデオトラックの入ったCD-ROM、オリジナルカスタムホームページ、20MBのストレージが与えられた。

「David Bowie」のホームメイドミュージックビデオ“Love Is Lost”

 2013年に、制作費わずか$12.99 USD(約¥1,500)のミュージックビデオ“Love is Lost (Hello Steve Reich Mix by James Murphy for the DFA)”を公開。どこかぎこちない完成度が収録アルバム『The Next Day』のコンセプトを裏付けると同時に、彼のDIY精神、そしてビッグネームのクリエイションに莫大な費用が必ずしも必要ではないことを物語る作品となった。

10のバンドに所属していた「David Bowie」

60年代、70年代、80年代を通して、グラムロックやアートロックのほか、さまざまなジャンルやスタイルに傾倒していった彼は、ロックのコアな要素と、実験的なアプローチでメインストリームにいながらも異彩を放っていた。彼が活動していたバンドは、「The Konrads」、「The Hooker Brothers」、「The King Bees」、「The Manish Boys」、「The Lower Third」、「The Buzz」、「The Riot Squad」、「The Hype」、「Tin Machine」、「Tao Jones Index」など。

ブロードウェイミュージカル『The Elephant Man』へ出演


ブロードウェイの舞台『The Elephant man(エレファント・マン)』での「David Bowie」の演技は高い評価を受けた。彼は奇形で生まれた青年「John Merrick(ジョン・メリック)」役を1980年から81年まで演じた。

“Space Oddity” Soundtracked Coverage of the Moon Landing
1969年にリリースされた“Space Oddity(スペイス・オディティ)” は架空の宇宙飛行士「トム少佐」を歌った曲で、「David Bowie」の名を世界に広める楽曲となった。アポロ11号の月面着陸の際、イギリスの「BBC」などでテーマ曲のように頻繁に使用されたことも、ヒットにつながる要因となったようだ。この曲のヒットを受けて、2作目のアルバムも同じタイトルが付けられた。

69歳の誕生日にリリースされた『★(Blackstar)』

彼の旅立ちのわずか2日前にリリースされた最後のスタジオアルバム『★(Blackstar)』。18カ月におよぶ闘病の中で完成したアルバムは、イギリスの『The Independent』に“David Bowie史上究極のアルバム”と賞賛されている。ポップというジャンルを凌駕した彼の50年の最後を飾る作品となった。

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