Banksy の “Dismaland” を特集した『Juxtapoz』最新号

話題のスポット”Dismaland”についてのロングインタビュー

アート
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この夏リリースされた村上隆のカバーストーリーも記憶に新しいアート&カルチャーマガジン『Juxtapoz』が、最新号にて、ストリートアートの奇才「Banksy」によるキュレーションのテーマパーク、 “Dismaland” をフィーチャーした。同誌が“99%のアートショーに行きたくない人たちのためのアートショー”と解説する “Dismaland” について、「Banksy」の長編インタビューが掲載されている。以下は注目のインタビューの一部。気になる全貌は『Juxtapoz』ウェブストアにて取り扱い店舗をサーチして。2015年9月27日(現地時間)の“Dismaland”閉園まであとわずか。 チケットや最新情報の詳細は“Bemusement Park”のオフィシャルウェブサイトからチェックしよう。

この”Dismaland”でのあなたの役割はどんなものでしたか? キュレーターとしてのプロセスは楽しかった?

キュレーションが驚くほどクリエイティブな作業だと気付いたよ。例えば、「Jenny Holzer(ジェニーホルツァー)」に彼女のネオンサインを頼んだんだけど、彼女は作品のストックを持ってなかったんだ。でも文章や文字はくれるって。だから業者からデカいLEDのスクリーンを頼んで使おうとしたら、レンタルに1週間で £8,000 GBP(およそ150万円)かかるって言われたんだ。無理だろ。だから彼女の声を録音して、〈タンノイ〉のスピーカーで流そうって言ったんだ。彼女は快諾して、こんなこと40年間一度もしたことがないって言ったよ。これで俺たちは全くオリジナルな「Jenny Holzer」の作品を手に入れたんだ。バカみたいな金額を使わずにね。

展示内容の構想、編集は多かったですか? はじめは気に入っていたことをやめたり、別の物の方向性が突然面白く感じたりしたことは?

放っておいて決まったことが多いな。たくさんのアーティストや作品をリストアップしていたけど、1カ月後にそのリストの名前に対して自分が何もしていなかったら、その内容は進めるほどの価値がなかったんだと思う。忙しい時こそ、大事なことは自分の頭の中で主張してくるだろ、やらなきゃ、って。だから、“まだいいや”っていう感情が、気づいたらいらないものを削ぎ落とす結果になってたよ。

世間の反応は気にしますか? 我々批評家や観客は大いに気にしますが。それはさておき、あなたは気になりますか?

アート作品としてみた時に、その作品が、ただそれを構成する部品の集合体以上のものになったかということが気になるよ。成功も失敗も作れるなんて、僕はラッキーだと思うんだ。誰かはこれをゴミみたいなアートだって言うけど、だってそういうもんなんだ。抽象表現主義の人たちには悪いと思ってるよ。彼らここから帰れないだろ?
とにかく、自分の思ったことを表現して世に出したとき、自分が詰め込んだ以上のものが生まれることが大事なんだ。提示されたアイディアとそれに対する気づきの間で、何か余計なことが起こったらもうそれで勝ちなんだ。この前シンデレラの馬車の周りにパパラッチの群れを置いたんだ。フラッシュの光が部屋中に影を作って、カボチャはチラチラ燃えるろうそくで照らされてるみたいだった。だから満足だよ。あんなふうに見えると思ってなかったから。
俺が満足かどうかは誰かの意見とは違うところにあるんだ。ある作品が上出来だと思ったら、誰も俺の感情に介入できないからね。逆を言うと、自分で失敗だと思ったものに、どんな言葉をかけてもらってもOKにはならないんだ。

このプロジェクトは特に、会場ありき、オーディエンスありきの内容ですよね。あなたはこれまで自分のメッセージをとてもうまくコントロールしていましたが、ソーシャルメディアへの参加はそれに何か変化をもたらしましたか?良かったこと、嫌だったことは?

前回『Bristol Museum』でやったショーにはすごくたくさん人が来て、もはやその長蛇の列がショーで一番面白かったことかもしれない。今回は人が来るか想像できなかったけど、シンデレラのスカププチャーは来場者ありきで作ったんだ。あれは周りからたくさん写真を撮られて初めて完成するものだから。人食いクジラもね。そこにあるだけだったらゴミみたいなんだ。でも後ろから顔を出して写真を撮って、それを友達に送ってやっと意味がある。

あなたが“Dismaland”に来た人たちに受け取ってほしいものとは何ですか?

一人につき3枚のTシャツとマグカップ。お土産ね。企業の提供も政府の援助もないから。”Dismaland”は自己資金で運営しているんだ。

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