Interviews: NIGO®氏が語る「Star Wars」の魅力
オークション直前に語った、作品の魅力から自身のクリエイションへの影響まで
幅広いクリエイションを手がける「NIGO®」氏のコレクターぶりは有名な話。そして彼のパーソナルコレクションがストリートカルチャーに影響を与えているのも事実だが、そんな彼が去る12月11日(現地時間)、香港にて「Sotheby’s(サザビーズ)」主催のオークションを行った。昨年夏のオークションではアメリカのポップ/サブカルチャーを象徴するような250点を出展した「NIGO®」氏が今回放出したのは、本人の思い入れも深い彼の「Star Wars(スター・ウォーズ)」コレクションだ。『スター・ウォーズ /フォースの覚醒』公開を目前に、これ以上ない完璧なタイミングで開催された“RETURN OF THE NIGO”オークション。開催前夜に行ったインタビューで、「Star Wars」についての思いを語ってくれた。
—なぜ1977年に登場した「Star Wars」が、今の世代にまで影響を与え、キャラクターの人気も色褪せないのでしょうか?
毎回新しいキャラクターが登場する新鮮さもあるし、「Star Wars」シリーズ自体、普遍的なかっこよさがあると思うんです。一時的なものではなくこの先もそう思えるかっこよさ。ストーリーの構成ももちろんよくできていますしね。 テレビシリーズでは大人気だった「Star Trek」は、いざ映画化されると何か違うものになった感じがあるんですが、「Star Wars」は常にあの世界観を一貫しているからカッコイイんじゃないかな。
—「Star Wars」からのアイディアやセオリーが、自身のファッションデザインやカフェなどのビジネスに影響している部分はありますか?
「Star Wars」はたくさんの魅力的なキャラクターがいて、それが揃った形でアイテムをリリースされると、全部欲しくなっちゃう。そいうものづくりの仕方や商品展開は、僕が「Star Wars」から学んだことと言えると思います。
—現在「Star Wars」は「Lucasfilm」の手を離れ「Disney」のものとなりましたが、「Disney」のイメージや方針は、「Star Wars」の世界観に合うものだと思いますか?
それは今後、「Disney」がどうするかを見てみないとわかりませんよね。「Star Wars」の今後は「Disney」にかかっていると言われているし。「Disney」がどこまで「George Lucas」氏のビジョンと過去の作品をリスペクトできるか。ビジネス的な数字だけ追っていては、結果的に「Star Wars」の価値が下がってしまうと思います。
—今回、長年収集してきた600点以上ものアイテムを一度に出展するに当たって、どんな気分ですか?
こうして大々的に、良いタイミングで素晴らしいアイテムたちを出展することによって、なんらかの形で自分も「Star Wars」作品に貢献できたらと思っています。僕のコレクションは過去20〜30年のカルチャーを物語る貴重なアイテムたちです。もし僕が突然死んで、この価値あるものたちが捨てられてしまったりしたら残念すぎるでしょう?
—何年もの間コレクターとしてさまざまな方法でアイテムを探してきたかと思いますが、その収集プロセスを教えて頂けますか?
昔は、今みたいにインターネット検索で探したりなんてできなかったから、まずコレクターブックを買うんです。それで、持っていないアイテムのページをコピーして切り抜いて、キーリングとかに通して持ち歩けるようにするんです。それでアメリカのトイフェア等に行った時、そのお手製のブックレットを見ながら集めていました。
—一番手放したくないアイテムは何ですか?
難しい質問ですね(笑)いや、考えないようにしてるんです。思い出し始めたらたくさん出てきちゃいますから。
—新しい「Star Wars」三部作で楽しみなこと、期待することはありますか?
まっさらな状態で見たくて、まだトレイラーさえ見ていないんです。でも、最初の三部作からのオリジナルキャラクターがまた見られたらいいなと思います。
—お気に入りのマイナーなキャラクターはいますか?
ブサイクなキャラクターが好きなんです。エピソード4で「Han Solo」に殺されたバウンティーハンターの 「Greedo」みたいな、ちょっと残念なキャラ。彼が話す時に毎回字幕が出てくるところとかおもしろいですよね。
—「Star Wars」に惹きつけられる理由とは?
“はるかかなたの銀河系”の話ですが、実際僕らの日常に関連付けられるストーリー性やキャラクター設定が好きです。例えば夜の香港のスカイラインを見た時や、色々な場所から色々な理由でこの街に訪れる人のことを思うと、個人的になぜかそれに「Star Wars」を感じたりするんです。