ロンドンの行列のできるレストラン『Pitt Cue Co.』が語る燻製肉とウィスキー

様々な文化が入り乱れる活気に満ちたロンドンで、料理のチョイスに困ることはない。食に関してもファッションと同じで、それぞれ好みや思想があるに違いないが、最近ロンドンでは肉食家には嬉しい様々なスタイルの肉

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様々な文化が入り乱れる活気に満ちたロンドンで、料理のチョイスに困ることはない。食に関してもファッションと同じで、それぞれ好みや思想があるに違いないが、最近ロンドンでは肉食家には嬉しい様々なスタイルの肉料理がサーブされている。どうやら、赤肉がキてるみたい。肉を食べるというオプションはいつでもメニューの中にあるけれど、最近はステーキハウス専門店や流行のポークレストランが軒並み広がっている。ウェストエンドのハイストリートへ行けば、家族経営のチキンジャーキーショップが隣り合わせにあったり、ウィークエンドマーケットに出展していたりする。

ロンドンで肉料理といえば『MEATliquor』や『Tramshed』、『Hawksmoor』といった人気店を思い浮かべるが、『Pitt Cue Co.(ピット・キュー・コー)』は熟練した職人のいるミートカルチャーで傑出した食堂だ。サウスバンクのハンガーフォード・ブリッジの下でキッチンカーで腕を磨き、2012年にソーホーで店をオープンし、ロンドンのストリートフードシーンで都会の人々にアメリカンBBQが人気が出るように尽力。同店ではマンガリッツァ豚とバーボンカクテルのみを中心メニューとしており、メニューは少ない。マンガリッツァ豚とはハンガリー原産で国宝となっている希少な野生種。店内は30席のみだが、予約を取らない。仕事帰りのラッシュよりちょっと前に着いてジェネラルマネージャーとカクテルスペシャリストの「Danny Habron」がクラシックなピックルバック(バーボンのショットのピクルスジュース割り)で僕らを迎えてくれた。それから飾らないダイニングやなぜ燻製肉とウィスキーをいつも一緒に食べるべきなのか、を教えてもらった。


“ごはんに行くとき、リラックスして、お腹いっぱいになって、ナイスなものにしたいでしょ。肉は食べて元気が出るものだし。”


Pitt Cueについて紹介してください。

Tom AdamsはチーフシェフでPitt Cueのオーナー。彼は25歳で農業をしていたんだ。いつも燻製とバーベキューのテクニックに興味を持っていた。彼はアメリカ南部の州を旅して、さまざまなテクニックを学んできた。Pitt Cueはサウスバンクでトラック1台から始めて、2012年にレストランへ移ったんだ。ソーホー のこの空間を選んだのは、食事やショッピングにとてもいいエリアだし、いい意味でいろいろな人々が混ざり合っているからなんだ。
 
どうして今肉をメインにしたレストランがロンドンでこんなに流行っているの?

肉はリッチな雰囲気があるし、他の食べものからは得られない味わいがあるよね。ごはんに行くとき、リラックスして、お腹いっぱいになって、ナイスなものにしたいでしょ。肉は食べて元気が出るものだし。僕らは自分たちの豚やマンガリッツァ(野生のイノシシと豚の掛け合わせ)をたくさん肉にする。だから僕らはどんな肉を選ぶのか、どの部位が一番味わい深いのかをズバリ知っている。僕らの肉の脂肪は不飽和だから、ユニークでクリーンなんだ。
 
レストランの内装はどのようにデザインしたの?

シンプルでクラシックさで行くことに決めたんだ。Pitt Cueのエントランスはコーナーパブに似せている。壁紙はマンガリッツァ豚愛好家のイラストと、うちにあるバーボンとライ麦ウィスキーのリスト。フードやドリンクへの興味を削がない、食の基本に忠実なアプローチを選んだ。


“何でも屋にはなりたくないんだ。僕らが熱中しているのはバーボンで、それを売りにしているんだ。”


ドリンクメニューがかなりウィスキー重視なのはどうして?

いろんなバーに行くよね。そこにはあらゆるアルコールメニューをカバーしている。何でも屋にはなりたくないんだ。僕らが熱中しているのはバーボンでそれを売りにしているんだ。北米とのコネクションもあってね。うちのバーベキューのテクニックは南部州のもので、それを引き立てるのは剣ターッキーのバーボンなんだ。バーボンの甘みが赤肉の燻製のうま味を引き立てて、豊かな味わいを引き出してくれる。バーボンとライ麦ウィスキーのほかに、10年もののシングル・バレル・バーボンがあることもうちの店をユニークにしてくれているよ。10年以上樽で熟成させているケンタッキーにあるリックハウスに行ったときに精選したものだよ。それに出会って、樽ごと買ったんだ。
 
一番人気のメニューは?それに合わせておススメは?

キッチンカーは名物のポークバーガーが一番有名だったけれど、キャラメル・リブを好きな人が多いよ。表面の皮がパリッとキャラメル色の照りが出るようにスペシャルにスモークさせていて、それでいて肉の内部は柔らかくて、風味でいっぱいなんだ。サイドとかもう一品というときには、ダック・ソーセージ、ラム・ハートとか、マンガリッツァ・ショルダー・チョップあたりにしておけば間違いないよ。デザートにはストロベリー&クリームだね。カクテルには、サイド・トラックがパーフェクト。これは定番のカクテル、サイドカーで新作をつくってみたんだ。レモンの生搾り、コアントローとオレンジビターズをミックスする前のコニャックをバーボンに変えてみたんだ。サイドトラックはリフレッシュさせてくれる一杯で、ごちそうお肉にはこれしかないよ。
 
しのぎを削る競争の激しい都市で、レストランをどうやってPRしている?

フードそのものが全てを物語ってくれている。クオリティを大事にしてるんだ。Twitterの フォロワーが25,000人いて、ソーシャルメディアに頼る部分が大きいね。キッチンカー時代から利用している必要不可欠なツールだね。僕らの農場の新しいマンガリッツァや豚の写真を僕らのPinterestやTumblrに掲載するといつもそれが回覧されて行く。キッチンカー時代からのファンの心をつかみ続けていて、その上、ロンドンのフードマニアのおかげで人気は伸び続けているんだ。
 
Pitt Cueはファンを開拓し、いつもごはん時にはかなりの行列になっている。忙しい夜をどうやって乗り切っている?

みんな2時間並ぶこともあるんだ。だから店内に入れたときにはちょっとイライラしちゃっていることもある。忙しいときはストレス満載にもなるよ。冷静でい続けること。研修を通して、すべてのスタッフがメニュー一品一品、カクテル一杯ごとの背景をしっかり学んでいる。たくさんのスマイルと後は自分が商売しているものを信じること。お客様に今どうなっているのかをきちんとその都度伝えられるようにして、お客様が盛り上がるように心がけることかな。

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