SLUM BEAUTIFUL - M.W FOR TOMMY を手掛ける「渡辺 真史」へインタビュー

ティザームービーやルックブックが公開され話題を呼んでいる、〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉のディレクター「渡辺

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ファッション

ティザームービールックブックが公開され話題を呼んでいる、〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉のディレクター「渡辺 真史」と〈TOMMY〉がタッグを組んだカプセルコレクション、〈M.W FOR TOMMY〉。日本とアメリカ、二つの異なる文化を背景とするブランドに新たな息吹を吹き込んだ渡辺氏に、自身のバックグラウンドをはじめ、今回のコレクションを制作する経緯や、コンセプトなどを伺った。


Background…

まずは渡辺さんのパーソナルな部分からお伺いしたいのですが、今の職業に就く前は何をされていましたか

大学卒業まで自分の出身地でもある東京にいました。それからロンドンに留学したり、ニューヨークに行ったり、インドに行ったり、最近だったらストックホルムに行ったりと旅行がちな生活を送るようになりましたね。というのも21歳の時にニューヨークに行ったのが初めての海外だったんですが、東京よりも色々な人種、文化を持つ人々がいて、自分はなんて小さな世界で生きていたんだろうってカルチャーショックを受けて。それから今まで行ったこのない土地へ目を向け、積極的に足を運ぶようになりましたね。

旅をし始めた頃はどんな洋服を着ていましたか

旅を始めた当時は、古着が好きで、〈Levi’s〉のビンテージや、アメリカのオーセンティックなブランドを着ていました。それ以前はアメリカのスケートマガジンや、イギリスのiDや、THE FACEみたいなカルチャーマガジンなど、当時はインターネットもなかったので海外の人たちの写真を見て、言葉を聞いてインスピレーションを得ていましたね。なんでLAのスケーターは〈NIKE〉のブレーザーを履いているんだろうとか、このミュージシャンはいつも〈CONVERSE〉のオールスターなんだろうって、その人の背景や、その土地の文化に思いを馳せるのが楽しかった。

ファッションにおいて影響を受けたのはヨーロッパよりもアメリカですか

それこそ旅をし始めるころまでは全くこだわりは無かったんだけど、気が付けばアメリカ物に囲まれていたかな。ただ年をとって、メンズウェアを掘り下げ始めた頃からイギリスの〈Belstaff(ベルスタッフ)〉、〈Barbour(バブアー)〉、〈Lewis Leathers(ルイスレザー)〉みたいなブランドに惹かれていくようになって。だから自分の中で大きな軸としてあったのはアメカジで、そこへトラディショナルなイギリス文化が足された感じかな。

それで留学先をロンドンに

そう、サンフランシスコに留学するか悩んでいたんだけど、そんな流れもあって当時クラブカルチャーや、他のヨーロッパの国の文化にも興味を持ち始めていたので、大好きなアメリカではなく、ロンドンを留学先に選んだんだ。

その当時のロンドンはどんな様子でしたか

96~97年頃だったんだけど、サッチャー政権が終って、景気が良くなり始めた時期で、ファッションも、アートも、音楽も盛り上がってきたいい時代だったんだ。僕の住んでた“イーストエンド”っていうエリアは当時すごく治安が悪かったんだけど、その分家賃はすごく安かったから徐々に若いヒップなクリエイターが集まってきて、バーができたり、クラブができたりしてエネルギーに満ち溢れていたね。

新たなカルチャーが生まれる現場で感じたことは

当時は“Drum and Bass”が好きでクラブに通っていたんだけど、「Goldie(ゴールディー)」ってDJを見たときに衝撃を受けて。基本的には坊主頭で、歯にはゴールドのグリルっていうHIPHOPのスタイルなんだけど、着ている服が〈STUSSY〉だったり〈DC SHOES〉履いてたりでスケーターっぽくて、彼女はオルタナティブ系の歌手「Bjork(ビョーク)」ときた。かけてる音楽、ファッション、付き合ってる女の子、全てにおいてミックス感があって、ロンドンの街特有のアメリカとはまた違った文化の入り乱れるバランス感かな。

今の会社はどういった思いから立ち上げたのでしょうか

まず今の会社では僕がディレクションをしている〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉と、小学生の頃からの幼馴染にデザインを任せている〈DELUXE〉と2つのブランドがあって。会社を立ち上げた時にやりたかったのは服のデザインも勿論なんだけど、ブランドという集合体をデザインして、自分の興味のある事や、好きなものを具現化すること。もともと色々な事に興味があるから、それを実現できる環境を作りたくて。


“気が付けばアメリカ物に囲まれていたかな”

ファッションにおいて影響を受けたのはヨーロッパよりもアメリカですか


Culture and The Collaboration of M.W FOR TOMMY…

色々なことに興味を持ち、隔たりなく取り組む姿勢はロンドン時代から

きっとその影響もあるでしょうね。自分は固執した考えや、方法論を持つよりも常にフレックスで、オープンでいたい。だからこそ色々なブランドやプロジェクトに関わりたいと思っている。

そんな中での話が今回のTOMMYとのプロジェクトですね

これまでにBEDWINとのコラボという形で自分が着てきた〈adidas〉や〈STUSSY〉とのコラボラインを手掛けてきたんだけど、今回は実際に袖を通したことの無いTOMMYブランド内でのプロジェクトだったので新鮮でした。コレクションを制作するにあたってブランドの理解を深めて、自分の通ってきたファッションやカルチャーをこのブランドのフィルターを通してプロダクトに落とし込んでいったんです。

TOMMYの服は着たことが無いということでしたが〈TOMMY HILFIGER〉は

それこそ渡英する以前、20歳ごろにシャツやパンツなどを着ていました。HIPHOPのアーティストがこぞって着ていた頃ですね。もともとはプレッピースタイルのブランドなんだけれども僕にとってのTOMMY HILFIGERの入り口はHIPHOPで、彼らが群衆で来ている姿が本当にかっこよくって。そのイメージもあって今回のカプセルコレクションではHIPHOPの音楽をテーマにしたんだよね。

それではこのカプセルコレクションのテーマについて詳しくお聞かせ下さい

『SLUM BEAUTIFUL』っていう「OUTKAST」の曲をテーマにしていて、自分たちが青春時代を謳歌した90年代の渋谷・原宿に溢れていたキラキラした若者たちの群衆を重ねています。当時のメインストリームだった“渋カジ”、“キレカジ”と呼ばれるスタイルで、大人でも子供でもない若者が街を練り歩く姿が印象に残っていて、今の渋谷や原宿にいる若い子たちだったらこんな服が似合うなって想像しながらね。

自身のブランドと比べ、若い層に向けたTOMMYとのプロジェクトでデザインをする際に意識したことは

普段よりも大胆に色を使ったり、素材を選んだりしました。BEDWINではデザインをする際に意識していることは自分たちの世代や、仲間に響くようなものを“縦に掘る作業”なんだけど、今回は若い子をターゲットとして、尚且つ大量生産をして買いやすい価格で提供するから感覚としては“横に広く掘る”ことかな。

価格的に制約がある中でのモノつくりにおける難しさは

そこが今回チャレンジしたポイントで、難しいというよりは、知恵を振り絞る楽しさや、やりがいを感じたところで、腕の見せ所ですよね。

このコレクションでは既存のファンへのアプローチと新たなファンの獲得、どちらを意識しましたか

それはコレクションを制作するにあたって一番最初に考えた部分なんだけど、これまでのTOMMYのお客さんにもコレクションとして世界観を追いかけて欲しいし、BEDWINの服を買ってくれている若いお客さんにも着てほしい。もっといえばこのコレクションをきっかけにTOMMYもBEDWINも知らない人にも響くようなモノ作りを意識しました。

“90年代の渋谷・原宿に溢れていたキラキラした若者たちの群衆を重ねています”

それではこのカプセルコレクションのテーマについて詳しくお聞かせ下さい


Future…

今回BEDWINとしてでなく、個人の名前を冠した理由は

音楽家で言うとソロ活動として、BEDWINというバンドのイメージが無い状態でより自由度の高いモノ作りをするためかな。BEDWINで追求した世界観とは別に、僕個人の通ってきたファッションやカルチャーを表現するこういったプロジェクトは今後もどんどんやっていきたいと思ってる。

このコレクションは継続的に展開予定ですか

現状では1年の契約で、その期間をベースにストーリーを組みました。今後の展開次第ではもっと続くかもしれないけど今は目の前の2シーズンを一生懸命やりましょうって。

最後に今後の展望をお聞かせ下さい

ニューヨークの展示会にBEDWINとして参加したり、アメリカの幾つかのブランドと進行してる案件があったり、パリのデパートとの話もあったりで海外にも目を向けて自分の興味のある仕事を色々な人としていきたいですね。

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Photographer
Justin Carter / HYPEBEAST
Interviewer
Takahiro A. Ito / HYPEBEAST

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