Interviews: “ストリートアーティスト”としての Ben Eine のこれまでと新たな挑戦

ショップのシャッターや公共の壁などにカラーとタイポグラフィでペイントをし続け、“ストリートアーティスト”として世界的に名を馳せているイギリス出身の「Ben

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ショップのシャッターや公共の壁などにカラーとタイポグラフィでペイントをし続け、“ストリートアーティスト”として世界的に名を馳せているイギリス出身の「Ben Eine(ベン・アイン)」。「Fragile Ventures」の初プロジェクト“Objets D’art”をグロバール展開するキックオフとして来日したBenに、製作した新作キューブ「URBAN[E]」についてやこれまでのストリートアーテイストとしての活動を語ってもらった。


—プロフィールを簡単に教えてください。
14歳でグラフィティをスタートしてから、いわゆる“ストリートアーティスト”として活動しています。今はロンドンとサンフランシスコをベースにしていて、基本的に世界中を周りながら描き続けています。

—アートスクールには通わなかったのですか?
行ってないです。独自にスタートしたので、描き方は学んでいないですね。皮肉的なことでもあるんですが、ストリートアートで成功している人たちは、アートスクールに通っていない。不思議ですよね(笑)。もちろん学校に行って学ぶことはたくさんありますが、ストリートアートは特殊なのでしょうね、“学校で学ぶ”ということではないんだと思います。パンクムーブメント、80年代後半から90年代前半のヒップホップなどといったカルチャーからの影響が大きいですし。

—なぜグラフィティを?
単に描くことが楽しかったからです。あと、世界各地で描くことがとても刺激的。違う場所で違う言語に触れ合い、そこでそれぞれの年のカルチャーによってストリートアートが変わる。それが興味深いですね。あと、各地で描いていると、オーディエンスの声が聞こえてくるじゃないですか。それを聞きながらいろんな状況を想像してアートに取り入れることもあります。意見がそれぞれ違うのでおもしろいですよ。

—今回の日本でのプロジェクトは?
東京と大阪でペインティングします。東京では表参道にある『乱痴気CENTRAAAAAL』と中野区野方、中野ブロードウェイに、大阪では心斎橋と玉造に。そういえば、僕が4年前に描いたアートもまだ残ってましたね。きちんと残してくれていて嬉しいです(笑)。

—Eineといえば、〈Louis Vuitton〉とのコラボも記憶に新しいですが、どのような経緯だったのでしょうか?
僕は“ストリートアーティスト”というカテゴリーの人間なのですが(ストリートアートというとちょっと安いように感じるかもしれませんが)、僕らの作品も“ラグジュアリー”です。そういう概念からも、〈Louis Vuitton〉とコラボレーションすると決めたのは自然な流れだったと思います。スカーフを作ったのですが、彼らはほとんど僕にクリエーションを任せてくれましたし、お互い理解して美しいものを製作できました。

—ラグジュアリーとストリートカルチャーが融合するトレンドに関してどう思いますか?
自然なことだと思いますよ。カルチャーの認識というものが、ラグジュアリーブランドの意向と次第にマッチにしていく。ただ、コラボなどはやり方によって大分変わってくるはずですし、自分自身できちんと決めることが大事ですよね。ブランドがターゲットにするところと自身のバランスも見極める必要があると思うので。

—今回、新たに「URBAN[E]」を作ることにした理由は?
“ストリートアーティスト”として知られているので、その肩書きではない新しい何かをスタートするきっかけでもあります。「Fragile Ventures」(世界に向けて発信するためのプラットフォームをアーティストに提供するために設立)は、アーティスト自身ができないことを今までにない方法でコラボレーションするのが目的。彼らが僕にアプローチしてきた際、「Ben Eine」という人物を象徴するようなアイデアを提案してくれました。そこで、僕のタイポグラフィを施した3次元キューブが生まれたのです。

—全てハンドメイドですよね?
もちろん、そうです。自分がスタジオで作っているものに関しても、全てハンドメイドです。印象に残っている言葉があるんですが、“Perfection comes standard, mistakes cost extra” と、NYにいる友人のアーティストが僕にこう言ったんですよ。でもそれって正しいと思うんです。美しさも間違いも全て自分自身で作り上げているものであるので、まさにそういうことですよね。

—日本はどうですか?
いいところですよね。特にアーティストにとっては、とても刺激的な場所だと思います。あと、食べ物もおいしいし、もっと滞在したい。2010年に“エイヤフィヤトラヨークトルの噴火”でロンドンに戻れなくなって、2週間ステイすることになったときはとても嬉しかったですね(笑)。

—2015年のプランについて教えてください。
2月の初めに美術館でペイントすることになっていて、そのあと3月にドバイ、そのあとシカゴ、またロンドンで大きなプロジェクトがあったり……ですね。2015年も世界中をまわりながら描いていく1年になりそうです。

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