「Atelier 8000」のデザインした山中に聳えるシュールなキューブハウス

スロバキアの美しい高山ハイ・タトラにかまえるロッジの国際コンペに応え、チェコの建築事務所「Atelier 8000」がデザインしたのは、人を惑わせるような幾何学的な建築。スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』から引用したような、”ケズマルスケ・ヒュッテ”と呼ばれるこの構造は、そして年中標高の高い山々を登山する人々のためのサステイナブルな宿泊施設として、電気のない状況でも機能する。外観はアルミニウム、ガラス、太陽光電池といった反射するタイルで覆い、2つの構造物の表面の周りを包み込むテラスが連なっている。内部は赤エゾマツの木材を階層状に接着して重ねたグルーラムの梁と木目をつぶさない塗料で仕上げられ、木製の家具でインテリアが整えられている。遠くから眺めて、この建物は疲れきった冒険者たちに幻なのではないか、と疑念を持たざるをえないものとなるはずだ。