Jordan Brand が アメリカで社会問題となっている “Sneaker Violence(スニーカーを巡る暴力事件)” に反応

「不幸にも、そういった身勝手な暴力による悪しき事件が起こってしまっているのは事実」

フットウエア
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ここ最近に限った話ではないが、アメリカ国内では高価なスニーカーや、プレミア価値の付いているレアなスニーカーを巡っての暴力事件、通称“Sneaker Violence(スニーカーバイオレンス)”が多発している。日本でも爆発的なスニーカーブームが起こった1990年代中頃に、“エアマックス狩り”に代表されるようなスニーカーを巡る暴力事件が一時問題となったが、アメリカにおける“Sneaker Violence”は、銃を用いた殺人事件が発生するほどにシリアスな社会問題であり、我々が愛する現代のスニーカーカルチャーが抱える大きな負の側面であると言うことが出来るだろう。

言わずと知れたスーパースター「Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)」は昨年、“Jordan”を巡る事件によって命を落とした少年の母親の元を個人的に訪れている。だが(この資本主義社会においては当然とも言えるかも知れないが)、これまでその“Sneaker Violence”の種となるフットウエアを供給しているスポーツブランド側はこの問題に対して一切の沈黙を貫いていた。しかし今回その沈黙が〈Nike〉の〈Jordan Brand〉のよってついに破られた。〈Jordan Brand〉の副代表を務める「Howard H White(ハワード・H・ホワイト)」氏がニュースサイト『Esquire』の取材に応じ、フットウエア業界としても初となる“Sneaker Violence”に対する以下のようなコメントを残した。

“アイツが履いているシューズは、俺の欲しいシューズ。だから暴力を使ってでも奪いとる” まだこういったことを考える人がいると思うと本当に心が痛むよ。そして不幸にも、そういった悪しき事件は実際に起こってしまっている。どんなものに対することでも、こんな暴力沙汰を見たい人なんかいるわけがないんだ。誰にとってもこんな嫌な気持ちになる事件は無いほうがいいだろ?

「Howard H White」氏は、スニーカーカルチャーがこれまでに人々に与えてきたポジティブな影響、スニーカーカルチャー自体が持つポジティブな側面について以下のように言葉を続けた。

こういった負の側面があるのはとても悲しいことだが事実だ。それでも嬉しいことに、とても多くの人がスニーカーカルチャーを愛してくれていて、彼らの生活を彩ることができているのも紛れも無い事実。ある人は「俺は人生で最初にお金を稼ぐためにやった仕事を覚えてるよ。欲しいスニーカーがあってそれを買うために汗水流したんだ」と言っていたし、ある子供は「ママが学校で良い成績を取ったら“Air Jordan 4”を買ってくれるって言ってたから頑張ったんだ」と言っていたよ。

そして僕自身もスニーカーカルチャーを愛し、またそれによって生活が彩られた人間の1人。さっきの子供の話に出てきた母親はこう言っていたよ。「私は子供のためにシューズを買ってあげたわ。何かを手に入れるためには、それに見合ったことをしなければモノは手に入らない、ということを考えるとても良い経験であり、その当たり前のことを学ぶ良い機会だと思ったからよ」って。

もはや“エアマックス狩り”という言葉が死語になった日本においては、スニーカーを巡る暴力事件というものは現実味が少ない海の向こうの話題に過ぎないのかも知れない。しかし“Sneaker Violence”に限らず、アメリカの警察官による黒人射殺問題や、それに伴う人種差別問題、または世界中で発生しているテロ事件など、“身勝手な暴力行為”は世界中で度々その姿を現してしまう。そして、身勝手な暴力行為によって引き起こされた事件という点においては、日本人にとっても他人事ではないだろう。事実として先日、日本においても”戦後最大”と言われるほどに凄惨な事件が起きてしまった。この記事をきっかけに、様々な形で現れる“暴力”という現代社会が抱える負の側面について少し考えてみてはいかがだろうか。

英語のみとなるが『Esquire』が「Howard H White」氏に取材し、“Sneaker Violence”についてまとめた記事はこちらよりチェック。

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