エース番号を背負う2人のレジェンド: Kobe Bryant と Francesco Totti
1つのチームで選手キャリアをまっとうすることの意味とは
「Kobe Bryant」が、第2回となる“Mamba Mentality”ツアーを開催するために、6歳から7年間を過ごしたイタリアへと帰還。〈Nike〉のミラノ本社で行われたQ&Aセッションでは、試合前に聴いていた音楽や「ゴールデンステート・ウォリアーズ」と契約した「Kevin Durant」のこと、そして彼のシグネチャーモデルの秘話など、興味深いトピックに答えてくれた。また、「ASローマ」のキャプテンであり、クラックとして長年イタリアサッカー界の頂点に君臨する「Francesco Totti」が、突如会場を訪問。KobeとTottiは共に1つのチームに自身の選手キャリアを捧げ、母国のファンからもリスペクトされているプレーヤー。『HYPEBEAST』は幸運にも、初めて顔をあわせた2人のレジェントに、国のためにプレーすることや1つのチームでキャリアをまっとうすることの意味について話を伺うことができた。
ー2人は1つのチームに選手キャリアを捧げた数少ない選手だと思います。これはキャリア初期の段階から目標にしていたのですか?それとも、素晴らしいキャリアを重ねたことで辿り着いたのでしょうか?
Kobe Bryant(以下、K): 私はドラフトで最高のチームに指名されるという幸運に恵まれました。そして、ただ素晴らしい選手生活を過ごすだけでなく、その中で私は自分に試練を課すことを選択しました。これが、彼らとキャリアの全てを共有できた理由だと思います。特別な計画をしていたわけではありませんが、夢に描いていたことが本当に実現しましたね。
Francesco Totti(以下、T): 私たちには同じチームに残るという選択肢があり、これは私たちにとって最も幸せなことでした。だからこそ、自分たちの愛するチームに勝利を持ち帰るために、最大限の努力をしましたね。
K: 多くの試合で勝利を飾れるシーズンもあれば、負けがかさむ年もありますから、同じチームに長く在籍するのはとても難しいことです。勝ち続ければチームに残れますが、負ければチームから追放されてしまうのです。
F: 移籍をすれば、より高額な契約を結べるかもしれません。私は同じユニフォームを着続けることに名誉を感じますがが、世界には私とは異なる考えを持つ選手も多く存在します。今日は、1つのチームに在籍し続けることや自分のチームと相思相愛になることよりも、移籍を選択することの方が簡単です。私には偶然、1つのチームでキャリアを送ることができました。私は選手生活の始まりから、このチームでキャリアをスタートさせ、愛するユニフォームと共にここでキャリアを終わらせることを公言しています。
ーTotti、あなたは長年にわたってクラブと代表で#10を背負ってきました。Kobeもアメリカ代表では#10を着用していましたね。母国でこの伝統的なエースナンバーを背負うことには、どのような意味があるのでしょうか。
K: 私はいつも#10を着けたいと思っていたので、それはとても光栄なことです。初めは#8、次は#24、そして、私の好きなサッカー選手は皆#10を背負っていましたから、アメリカ代表では、周囲に「僕が#10を着る」と言っていましたね。
F: 私は#10と共に成長してきました。誰もが着けられるものではないので、イタリアではとても重要な背番号なのです。これを背負うにはパーソナリティとキャラクターが求められます。自分に自信がなければいけません。
ーKobe、あなたがキャリアを終えることを意識したタイミングについて教えてください。
K: シンプルなことですよ。試合に向かう途中、ロサンゼルスの高速道路405号線で交通渋滞に巻き込まれた時のことでした。ただプレイするためだけでなく、他の理由を見つけたからです。
F: 私も今年自分の車で試合に向かう時に同じことを考えましたよ。
ーTooti、今季の最終節で何を感じましたか?
F: 自分に価値があるなら現役を続行する。私にはどんな時でもプレーしなければいけないという使命があるので、これがラストシーズンだとは思ってませんよ。1週間、良いトレーニングができて、コンディションが良いと感じれば、監督はもっと多くの試合で私を起用してくれます。まだまだ楽しめるし、情熱もある。そして、プレーを続けることこそ、私のモチベーションなのです。
K: 私はここ数年情熱と現実が比例しなかったので、とても苦しみましたね。以前は何もかもが思い通りにいき、バスケットボールが全てでした。今は変わってしまいましたけどね。
F: 私は今季終了時に他の道へ進む選択肢がたくさんありましたが、私はまだその段階ではないと感じています。通常、選手は引退したらコーチの道へと進みます。私も自分にやれることを考えていますよ。