デジタルからフィジカルへ:元DONDA のグラフィックデザイナー GEO がアパレルラインを発表

自らのブランドを「Virgil Abloh」にとっての〈PYREX VISION〉に重ねて語る「GEO」

ファッション
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「Kanye West」のクリエイティブハウス「DONDA」でグラフィックデザイナーとして働き、ヒップホップ史に残るアルバムアートワークやマーチャンダイズのデザインを手がけてきた「GEO」が、自らの名を冠したファッションレーベルを立ち上げた。ロンドンをベースに活動する〈GEO〉初のラインアップは“Collection One”として発表されたジャケット、トップス、パンツ、アクセサリーといったアイテムたち。〈Katie Eary〉、〈Fear of God〉、『YEEZUS』のマーチャンダイズ、“YEEZY Season One”などのクリエイションに携わってきた彼が展開するのは、シンプルなカラーパレットとボールドなグラフィックが特徴の統一感のあるコレクションだ。カットオフジーンズ、パンサーモチーフ、透明なポンチョといったエレメントが映えるラインアップは上のフォトロールより確認できる。そして以下より「GEO」本人へのインタビューをどうぞ。
今このタイミングで自分のキャリアをシフトさせるのが自然で必然なことだと感じた。
まず「GEO」のバックグラウンドを教えて。どうやって今の業界で働くようになったの?
デザインをしていた自然な流れかな。グラフィックデザイナーとして仕事を始めて、それが徐々にグラフィックデザインだけではなくなってきた感じ。ここ数年のデジタルの世界で仕事をしてきたことが、この業界をよりよく理解させてくれたのは確かだよ。今は新しいフィールドで、若い頃持っていたヴィジョンを通じて自分自身への挑戦をしていくんだ。

自分のブランドを始めるにあたって「DONDA」での経験はどんな部分でためになった?
今までの自分の枠を超えて、クリエイションていうもの自体を探求する方法を学んだよ。単純な物事への見方を変えることや、複雑な意味合いを含んだ“Less is more”っていう簡潔な表現の仕方とかね。

このタイミングで自分のコレクションをローンチしようと決めたきっかけは?
グラフィックTシャツにはずっと興味があったんだ。そしてその中でも本当に理解して作っている人たちはほんの一握りだっていうことも感じてたんだ。グラフィックデザインは僕にアルバムカバーの作り方以上のことを教えてくれた。Dopeなグラフィックを生み出すアイディアが出てくる中で、今このタイミングで自分のキャリアをシフトさせるのが自然で必然なことだと感じたんだ。

ものづくりのインスピレーションについて教えて。
力強くてタイムレスなグラフィックは、人の感情に訴える力があるんだ。ポジティブでもそうでなくてもね。色は抽象化された生命そのもので、モノクロームはリアリティーや仕事やオフィスのハードで厳しい部分。ポップな色づかいは楽しさや命の美しさっていう風に捉えているよ。「Enzo Mari」、「Fronzoni」、「Keith Haring」が、色使いやグラフィックを考えるときのインスピレーションなんだ。

今この段階は僕にとって、Virgilの〈PYREX VISION〉みたいなもの。
スクリーンプリントのTシャツやフーディーといったベーシックでセーフなラインアップではなく、カットソーやアウターウエアなどを含むフルレンジのファーストコレクションを発表したけれど、服作りについてはどのくらい準備をしたの?
安牌を選ぶ人生なんてなんて楽しくないだろ?僕のアイディアは単純に、サンプルにしたものをカタチにするっていうことだったんだ。僕の周りの友人たちはグラフィックT以外の服を作れる人たちだから、心配はしていなかったよ。それにこのゲームにはパートタイムの気分でなんかじゃ参戦できないんだ。何かを始めるなら、しっかり本腰を入れてやるべきだと思った。それに制作のプロセスは素晴らしいものだったよ。まわりのみんなが常に何かインプットしてきてくれたしね。

今回のコレクションではどんな素材を使ったの?
綺麗なコットンジャージから軽量のポリエステル、洗いをかけたデニムまでさまざまだよ。それをこだわりながらも誰もが着られるプロダクトに変身させたんだ。

このコレクションに付随する要素っていうのはまだ登場してくる? たとえばインスタレーションやサウンドトラックとか。
うん、1000%。一つのことだけで完結させるつもりはないんだ。今の段階だと、ウェブサイトがすごくおもしろいショッピングの場になる予定だよ。それとポップアップストアもやろうと思っているんだ。一緒に〈GEO〉で働いている「Jeremy Benson」と僕で、ポップアップの素晴らしいインスタレーション方法を考えているよ。

最近ロンドン発の新しいブランドが目立つけど、それらのブランドについてどう思う? そしてその中で自分のブランドをどう位置付けているの?
ロンドンのブランドはどれもすごくしっかりしていて、一貫性とクオリティが伴っていると思うよ。僕にも確かなビジョンがあって、それを実現させられると確信してるんだ。毎日どうやってより良く、より大きくなっていけるかを学んでる。デジタルデザインっていうフィールドと同じように、ファッションっていうビッグゲームの中でも、質の高いグラフィックっていうものに重きを置いたブランドでいるつもりだよ。

今後のブランドの展望は? どうやって成長させていきたい?
今この段階は僕にとって、Virgilの〈PYREX VISION〉みたいなものなんだ。カットソーアイテムから始め、いずれはハイファッションまで昇華させたい。コレクションごとに、フィーリングやエモーションっていうものを表現、覚醒させたいんだ。そうやって自分の力を証明していきたい。結局いつも試行錯誤するってことなんだろうけどね。

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