スケーターが考える “ファッション業界におけるスケートカルチャーの私物化” についてのこと

“奴らはマジでスケートについて何も知らない馬鹿だったよ。『VOGUE』のスケートカルチャーに対するアプローチの仕方は礼儀知らずで見てられないものだった”

ファッション
49,186 Hypes

基本的にスケーターやスケートカルチャーの中にいる人間は何か“長いものに巻かれる”ことに対して嫌悪感を抱き、自らが愛するそのカルチャーが他の者により軽々しく扱われることを好まない人が多いものである。そのようなことを考えると、NYのスケートシーンから“The Shit We Learned from Vogue’s Skate Week(『VOGUE』の“Skate Week”から俺たちが学んだクソみたいなこと)といったような声が上がるのも納得できるが、事実として現在においては、スケートカルチャーと(本質的にスケートカルチャーとは異なる性質のハイファッションのような類の)ファッションという2つの存在は(『VOGUE』の“Skate Week”にしろ、「Justin Bieber」が『Thrasher』のロゴをモチーフとしたアパレルアイテムを制作したことにしろ)、良い意味でも悪い意味でも密接な関係にあると言ってよいだろう。また、あるフォトグラファーは『VOGUE』と仕事した時のその際の『VOGUE』のスタンスについて「奴らはマジでスケートについて何も知らない馬鹿だったよ。『VOGUE』のスケートカルチャーに対するアプローチの方法は礼儀知らずで見てられないものだった」と語っている。

しかし、NY・ブルックリンのスケートショップ『KCDC』のスタッフは最近のそのカルチャー同士の衝突について、先述のフォトグラファーの意見とは少し異なる次のようなコメントを残した。

俺が思うに、他のカルチャーがスケートカルチャーを“自分のモノ”の様に扱っていると感じて頭に来ているような奴は、そいつ自身がスケートカルチャーを“自分のモノ”に出来ていないんだと思うよ。もはやスケートボーディングは閉ざされたものではないから、そこに文句を付けたってしょうがないんだ。理解のある人物によってスケートボーディングが他の領域のカルチャーやライフスタイルに上手くマッチングしたときは本当にクールだよ。ただ何も知らない奴によって表面だけのスケートカルチャーが他のものに取り込まれた時は最悪だね。でもそういった時、それはスケートカルチャーの様相をしてても実際にはその範疇からはかけ離れているんだ。もし誰かがスケートカルチャーを何か別のものに取り込んで金稼ぎしたいっていうんならトライしてみればいいよ。ただし結果として何が起きてもスケートカルチャーのせいにはできないけどね。

確かに近頃、スケートボードやスケートカルチャーは、スケーターやそのカルチャーを愛する者に限らず、多くの人にファッションとして溶け込んでいることを普段生活していても肌感覚として感じる。分厚いソールのレザーブーツを履いた若者がプラスチックでできたスケートデッキを片手に、路面が良く交通量の少ない道路を歩いているところなどを見ると頭の中にクエスチョンマークが浮かぶことも確かにあるが、そういったことも含めてスケートカルチャーの発展であり、多くの人に受け容れられているという意味では喜ぶべきことなのかも知れない。

まずは『VOGUE』がレジェンドスケーター「Rodney Mullen(ロドニー・ミューレン)」と共に制作した美しいクリップをチェックしてみよう。また、言語は英語のみとなるが、ファッションメディア『FASHIONISTA』が、現在におけるスケートカルチャーとファッションの関係性についてまとめた記事はこちらよりチェック。

Read Full Article
 
ニュースレターに登録して、“最新情報”を見逃さないようにしよう。

購読ボタンをクリックすることにより本サイトの利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。