Supreme の最新キャンペーンにまつわるストーリーと Morrissey との確執

両者の意見が合わないのは写真とファストフードについて?

ファッション
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すでに多くの人々が目にしているであろう、最新の〈Supreme〉による「Morrissey(モリッシー)」を起用したセレブリティフォトキャンペーン。「Morrissey」は、80年代のイギリスで最も重要なバンドとして知られる「The Smiths」のフロントマンであり、現在も音楽活動を続けるアーティストだ。バンドの代表曲には“There Is a Light That Never Goes Out”、“Panic”、“Girlfriend in a Coma”、“This Charming Man”などがある。

そんな80年代の英国ユースカルチャーのレジェンドとストリートウエアのコラボレーションによって、完璧なヴィジュアルキャンペーンが完成するかと思われたが、〈Supreme〉と「Morrissey」との間には予期せぬ確執が生まれている。以下は〈Supreme〉の公式発表などを元に、今回の件をまとめたものだ。

〈Supreme〉によると、今回のTシャツとポスターのキャンペーンは2015年7月に〈Supreme〉から「Morrissey」にアプローチがあり始まったもの。写真の用途やフォトグラファー(「Terry Richardson」)などの詳細はその当時に提示され、双方合意の上でプロダクションが進行していった。「Terry Richardson」と「Morrissey」も以前仕事をしたことがあり、〈Supreme〉の過去のキャンペーンの写真資料も参考として「Morrissey」に提出されていた為、どのような仕上がりの写真になるのかは概ね予想ができたとされる。撮影時のポーズについても「Morrissey」本人の意思に委ねられており、出演料として「Morrissey」から要求された金額と、2時間に渡った撮影に関わる費用はすべて〈Supreme〉が負担し、既に全額が支払われている。そしてこの契約では、正当な理由なく「Morrissey」が今回の写真の使用を差し止めることはできないと取り決められていた。

しかし撮影後、〈Supreme〉が使用候補の写真を「Morrissey」に提出し選抜を依頼したところ、彼は理由を明らかにしないまま、全ての写真の使用を拒否。代わりにキャンペーン用に〈Supreme〉が提供したボックスロゴのTシャツを着用し、自ら撮影した写真の使用を希望した。この写真はその後、彼の甥のインスタグラムから公開されているが、この写真は使用できないと判断した〈Supreme〉は、「Morrissey」に以下の選択肢を提案した。1:ブランドが撮影費用を負担し、撮り直しをする。 2:「Terry Richardson」が今回撮影した数多くの写真の中から「Morrissey」が使いたいものを選びなおす。 3:「Morrissey」に支払った金額を〈Supreme〉に返却する。というものだ。しかしどれも納得がいかなったのか、「Morrissey」は全ての提案を繰り返し無視したという。

確執はここで終わらず、「Morrissey」は突然今回の〈Supreme〉との契約無効を主張した。ベジタリアンであり菜食主義を支援する彼が述べたその理由は、〈Supreme〉が過去にファストフードチェーン『White Castle』と仕事をしていたからというもの。これを受けた〈Supreme〉はこのプロジェクト自体をキャンセルする為、再度「Morrissey」に支払った出演料の払い戻しを求め終結を試みたが、「Morrissey」は払い戻しに応じなかった。その後も解決と和解を試みたが実現せず、〈Supreme〉は当初の契約に沿う形で「Morrissey」を起用したキャンペーン写真を公開することとなった。

「Morrissey」は自身のウェブサイトにて以下のように述べている:

今週Supremeより公開された私の病人のような写真について陳謝したい。写真は2015年10月に撮影されたもの。この写真が似合うのは医療用の百科事典くらいで、私はSupremeに使用しないでほしいと頼み込んでいた。それに私はSupremeが、White Castleの名で知られるあの怖ろしい牛肉サンドイッチチェーンと仕事をしていたというのを知らなかったんだ。使用しないようにという注意と、こちらからの費用の払い戻しを宣言していたのに、どうやらSupremeは私の弁護士を無視しているようだ。法の穴の前では安全なんて何一つないのか。まったく。

信用してくれていた機関に対して本当に申し訳なく思っている。恥ずかしい限りだ。

まもなくローンチされる〈Supreme〉2016年春夏コレクションに加え、この問題の今後の進展にも注目が集まるだろう。

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